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(回答先: 国家的秩序の再定義/東京音頭さんのレスへの再レス(アジア7版から移転) 投稿者 張良 日時 2007 年 4 月 02 日 12:45:02)
張良さん、今日は、ご無沙汰しております。
横レスにて失礼します。
今回のフィリピン人看護師誘致の話題を昨今の国際結婚ブームの件と重ね合わせながら興味深く拝見していました。これらの現象に通底しているものにグローバリズムの進行があることは張良さんが考察された如くであり、またそうした関係性を生成させている要因が国家間における経済的格差にあるとの見解に異論はありません。日本人男性とアジア(フィリピン、タイ、中国)人女性との国際結婚が成立するのは両者の間に最低でも6:1の生活水準の差があるからで、結婚の外形をとりつつもその内実は日本人男性にたいするアジア人女性の身売りと云っても過言ではないでしょう。
しかしながら、人々がバーやスナックでの短期アルバイトや国際結婚などではなく、看護師や介護士等の正規雇用によって収入を得たいと考えるのは至極当然のことであり、かかる目的での来日は日本の老人医療・介護の現状と将来を見据えるならば大いに歓迎すべきことではないでしょうか。そして、戦後も逸早く立ち直って繁栄を築いて来た日本なればこそ、こうした周辺諸国の人々の要望を寛容な心で受けとめるべきであり、それは旧来の“nobility obliges(高貴なる者の義務)”に替わるような新たなる“ability obliges(才ある者の責務)”の、すなわち器量(度量と品格)を日本が具えることの一端を成すのではないかと考えています。さらには、結果的に諸外国から広汎な支持を得ることによって、グローバリズムに抗うと同時に国の安寧にも繋がっていくことになるのではないかと想っています。
>今日的資本主義に対抗しようとするとき、私たちは何に依拠したらよいのでしょうか。搾取されるもの同士の国際的連帯に異を唱えるつもりはありませんが、同時に、失われつつある共同体や文化そして生身の個人それぞれに備わる独特の個性を守り発展させることも大切だと思います。ナショナリズムではないかとの誤解を恐れずに、国家的秩序を再定義することもその一つであろうと思っています。
今の段階から先走った物言いで申し訳ありませんが、国民国家の枠組みの中で再定義してみても、果たしてグローバリズムを克服するような普遍性を有するものになるのか、少なくともそれが超克に向かうモメントになり得るのかどうか、そうした疑念を払拭することができ得ずにいます。つまり、蓮の葉の上で長き揺籃期を過ごして来たと思しき日本人の精神はこの先如何なる試練が与えられたならばタフで芳しいものに転化[transmutation]することが可能なのか、今のところ私には皆目見当がつきません。
それはともかく、今も尚、自分と同じようなテーマに取り組まれている張良さんがいることを心強く思っています。仮令ベクトルは違っていても、お互いに視野を広げつつ研鑚を重ねて参りましょう。今後も張良さんの投稿に期待しています。
また、会いましょう。