投稿者 付箋 日時 2001 年 5 月 01 日 21:30:22:
回答先: 奇怪な大手新聞社 投稿者 付箋 日時 2001 年 5 月 01 日 19:00:34:
Web現代「個人情報保護法」第1回 2001・4・11
メディアを窒息させる悪法を絶対成立させてはならない!
取材・文:岩崎大輔
「自民党はあらゆる局面、あらゆる角度からメディアの規制に乗り出しました。その一つが『個人情報の保護に関する法律』、いわゆる個人情報保護法です。仮に施行されれば、疑惑を持たれた政治家や官僚は、この法案をなりふり構わず持ち出して、メディアの牽制や反撃のネタにするでしょう。このままでは、彼らに格好の武器を与えることになってしまう」
4月10日、衆議院第二議員会館。『「個人情報の保護に関する法律案」に反対する会合』では、講師役の上智大学・田島泰彦教授がこう語り出すと参加した金田誠一(民主)、河村たかし(民主)、北川れん子(社民)、原陽子(社民)、松本善明(共産)、川田悦子(無所属)の野党議員6人の表情が一変した。
今年3月27日、『個人情報の保護に関する法律案』が閣議決定され、現在の第151通常国会で審議中である。それを受け、会合が開かれたのだ。
この個人情報保護法案とは、IT時代に備えデータ化された個人情報が悪用されないように'97年7月、政府の高度情報通信社会推進本部が、中央大・堀部政男教授を座長に迎え、個人情報保護検討部会を設置したのが始まりだ。
プライバシーの意識が高まる一方で、'99年10月、東西NTTドコモで1万件の顧客情報漏れが発覚したり、同年11月、NTT東日本・NTTドコモ社員が革マル派に協力して顧客名簿を漏洩、同年11月、警視庁大井署巡査部長が興信所に犯歴データを漏らすなど近年、杜撰(ずさん)な個人情報の管理体制が社会問題となってきた。
自民党はその風潮を利用するかたちで、'99年11月、個人情報保護検討部会(座長・堀部政男)の中間報告「我が国における個人情報保護システムの在り方について」を発表。それを受け、昨年6月、政府の諮問機関である個人情報保護法制化専門委員会(委員長・園部逸夫元最高裁判事)が、「個人情報保護基本法制に関する大綱案」の中間報告を公表。
ところが、この大綱案をめぐりテレビ、新聞、出版社から反対の声が強まった。それもそのはずで、政府の規制を受ける「個人情報取扱民間業者」に各報道機関も含まれているのだ。そのうえ、罰則規定も設けられ、「違反した者は、6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」とあるのだ。
反対の声が強まったため、適用除外として「放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関」と入れたが、多くの疑義が残る。
「その他の報道機関に出版は入るのでしょうか。『機関』は免除とあるが、フリーのジャーナリストはどうなるのでしょうか」
日本ジャーナリスト会議運営委員・丸山重威氏はこう危惧する。
立花隆氏の精力的な取材があってこそ田中角栄の金脈問題にメスが入れられた。また、江川紹子氏の活躍があってこそオウム真理教が社会的な問題へと発展して行ったのだ。
4月10日、「個人情報の保護に関する法律案」に反対する会合
さて、自民党は活字媒体だけでなく放送界にも目を光らせている。かねてより、'98年10月、参院選敗北を受け、「報道モニター」のシステム創設の実施から始まり、'99年3月には「報道と人権等のあり方に関する検討会」が開かれた。今年2月には古賀誠幹事長の下に「放送活性化検討委員会」も発足している。そして4月6日、テレビの政治報道の公平さを監視するとして「テレビ報道番組検証委員会」(座長・尾身幸次幹事長代理)の設立を発表したのである。対象は報道番組、政治番組、ワイドショーなどである。
「自民党による新聞やラジオ、テレビ、いわゆるマスコミの本体の支配は完了しています。しかし、森首相についての報道でも分かるように雑誌メディアとワイドショーには影響を及ぼせないでいる。自民党の動きの本質はそれらの支配強化にある」(作家・宮崎学氏)
さらに自民党は有害な環境から青少年を保護すると称して、「青少年社会環境対策基本法案」の今国会提出も狙っている。そして、法務省の人権擁護推進審議会は、昨年11月「中間取りまとめ」を公表し、「報道被害」を名目に言論の統制を狙っているのだ。 「自民党のメディア規制の巧妙さは、人権救済、個人情報保護、青少年保護など市民的・普遍的な価値観をかざし、国民的な課題として提示することです。美辞麗句を並べれば野党も世論も簡単に取り込める」(前出・田島教授)
これから自民党は、この個人情報保護法案、青少年社会環境対策基本法案、法務省の人権擁護機関設置の3点セットの拡大解釈をたてに、意に添わないマスメディアをしめあげていきたいのだろう。これからWeb現代では、この弾圧法をゴリ押しする自民党の動きを逐一お伝えしていく。