現在地 HOME > 掲示板 > 議論・雑談8 > 1066.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: たぶん、ものすごい、非難を受けると思うが、あえて安易な反米に物申す。根性いれて反米を主張せよ。 投稿者 Ddog 日時 2003 年 3 月 14 日 01:41:20)
Ddogさん、こんばんわ。
岡崎氏の論考に対して書いたように、米国と心中したり国際金融家と心中する道を選択するのは個々人の自由だと思っています。
米英のプロパガンダそのままにフセイン政権の非を述べ立ててイラク攻撃を正当化する論は対しては非難しますが、米国との心中を叫ぶ論はお好きにどうぞと思うだけです。
ただ、ブッシュ政権の外交政策を支持することが「親米」で、反対するのが「反米」だというのは、あまりにも時代性を無視した色分けだと思われます。
米国の世論調査をそのまま信じても、国連決議なしのイラク攻撃支持は55%程度です。(内容を吟味すると40%くらいの支持しかありません)
小泉政権に反対する国のことを「反日」だとも言えません。
ブッシュ政権の外交政策を支持しないことを「反米」だと考えること自体が、米国に隷属していることを意味しています。
いくつか気になる点をレスさせていただきます。
>世界秩序が変わったということならば、日本としては一九世紀に開国して以来習い覚
>えて来た国際規範に固執するよりも、状況の成り行きを冷静に見極め、その中で国民
>の利益を最大限に守る方策を見失わないことが重要だ。
「一九世紀に開国して以来習い覚えて来た国際規範」は、既に変異しており、固執なぞしていません。
敗戦までは、大国のみが国際規範が適用される範囲であり、それ以外の国は、大国間で繰り広げられる競争の標的だったのです。
戦後は、米国のみがそのような大国になり、大国として行う軍事行動の目的が直接支配ではなく間接支配になったということです。
今回のイラク攻撃に限らず、国際法違反の軍事力行使を数多く行ってきたのが米国なのです。(朝鮮戦争やベトナム戦争は形式的には国際法違反ではありません)
戦前までの大国や戦後大国になった国々は、米国から攻撃されない国際規範が適用されているとも言えます。(その代わり、米国の大国としての軍事行動に文句をつけない、文句をつけても軍事的な対抗行動はしないという暗黙のルールです)
今回のイラク攻撃問題をめぐる新旧大国の対立は、そのような戦後世界政治構造を根底から揺るがすものということで画期的なのです。
>米国衰退論者の見落としている点を指摘する。
>米国経済が破綻するほどの状態になっても、以前米軍は、唯一のスーパーパワーで。
>20年から30年はいかなる国や地域連合は米軍を凌駕する軍事力を持つ事はない。不可
>能だ。
「力の信奉者」は、米軍のスーパーパワーが、“弱小国”には通用しても、ICBMや核兵器を保有している国には通用しないという大事な点を見落としています。
米国は、自国そのものが反撃の対象となる中国やロシアには戦争を仕掛けないのです。
(米国の統治構造は、政権が本土に甚大な被害が生じても中国かロシアを崩壊させる愚挙を許しません。中国やロシアをことさら取り上げなくても、1990年以降の対北朝鮮政策を考えてもわかることです)
端的に言えば、米軍のスーパーパワーとは、世界のどこにあろうとも“弱小国”であれば軍事侵攻し叩き潰せるという機動力であり破壊力のことなのです。
要するに、侵略のための軍編成を今なお保持している国家は、米国だけだということです。
ですから、米国が軍事力を縮小しない限り、他のどの国も侵略のための軍編成を整備しようとは考えていないので、米軍を凌駕する軍事力を持つ事はありません。
そして、これから徐々に明らかになっていくのが、政権のすげ替えや破壊行為はスーパーパワーによって可能であっても、スーパーパワーで相手の社会を支配することはできないという現実です。
「力の崇拝者」は、この大事な点を見逃しています。
力で社会を支配しようとしたらどれほどの犠牲とコストが強いられることになるかは、日支事変やベトナム戦争を顧みればわかります。
>ユーロが基軸通貨になることはまだ難しいだろう。世界最大の消費マーケットは米国
>である。
>米国内で米ドルが流通するかぎり、世界通貨の地位は陥落しないだろう、世界最大の
>最終消費地は米ドル決済である。
ユーロは実験通貨だと思っているので、それがそのまま国際基軸通貨になることはないと見ています。
「世界最大の消費マーケットは米国である」というのは間違いです。
世界最大の消費マーケットはEU圏であり、米国は世界最大の輸出マーケットなのです。
その米国は、経常収支の赤字が4千億ドルを超えており、貿易赤字だけでも4千億ドルを突破する勢いになっています。
これは、赤字分を、国内の預金で補うか、外国からファイナンスしてもらうか、ドル紙幣を刷るかして補わなければならないことを意味しています。
(ドル紙幣を刷ってそれを行えばドル資産の価値下落につながるので、国際金融家は、避難が完了しない限り、そのようなことを認めません)
要は、他の国が浪費癖の米国にお金を貸してやっているから、世界最大の輸出マーケットでいられるのです。
(米国の過剰消費にお金を供出している代表が我が日本です)
「米国内で米ドルが流通するかぎり、世界通貨の地位は陥落しないだろう」という読みは、今回のイラク攻撃から始まる中東戦争によって危うくなったと考えています。
サウジアラビア・イラク・イランなどの中東産油国が、成り行きによってはドル離れを起こすからです。それは、それ以前に米国企業が中東の石油権益から離脱する事態が起こっていることを意味します。
膨大な双子の赤字でただでさえふらついているドルの信認は、このような事態が現実になったらひとたまりもないと予測しています。
この意味でも「対イスラム戦争」は決戦なのです。
米英が、中東全域を自分が理想とするシステムで支配するのか、それとも、米英が中東全域の権益から放逐されることになるかというくらいの熾烈な戦いなのです。
だからこそ、イラク攻撃で米国を支持するのなら、それ自体が国際法違反なのだから、憲法違反もくそもなく、日本国家の総力を挙げて参戦すべしという挑発的な書き込みをしたのです。
その覚悟がないままイラク攻撃を支持します協力しますと言う政府は、歴史認識も現実認識も理性的判断もできない愚か者集団ということになります。
私自身、力が究極的な“正義”だと思っています。
しかし、それは、ハイテク兵器の力や破壊力ではありません。
>今後将来にわたる日米同盟の重要性は不変と思うが、最近阿修羅の米国に日本が搾取
>され続ける投稿を読むと、日米同盟は米国に一方的に搾取され続けている。確かにそ
>うだ。それでは、米国に対し軍事的に武装して、米国に軍事的に立ち向う決意を述べ
>た投稿者はいない。
日本がそれを望もうとも、強固な日米同盟はそれほど長持ちしません。米国はアジアにおける同盟主要相手国を中国にシフトするはずです。
米国経済が破綻するほどの状態になれば、米軍の世界展開力を維持することはできなくなります。
そのとき、アジアの秩序を維持を日本にゆだねるか中国にゆだねるかを考えたとき、今後の経済成長をベースに、アジア全域に対する政治力と軍事力を比較考量すると中国を選択すると予測しています。
ブッシュ政権のイラク攻撃に反対したり、一方的に搾取されていることを自覚したからといって、「米国に対し軍事的に武装して、米国に軍事的に立ち向う決意」が必要なわけではありません。
(アメリカは建前だけとは言え民主国家です。狂犬もいちおう民主国家につながれているのです。過剰に米国恐怖症になる必要はありません。米国の対日攻撃を抑止できるだけの軍備を持てばいいだけの話です)