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(回答先: bakaでもわかる「あっしら経済学」- その8 投稿者 baka 日時 2003 年 1 月 06 日 21:51:12)
bakaさん、こんにちわ。
>1.日本銀行の独立性は如何に保証されているのでしょうか?
1998年の改正日銀法で明確化されたとされています。
それまでの日銀法では、政府(大蔵省)に大きな監督権限が付与されていました。
しかし、改正日銀法でも、第4条で「日本銀行は、その行う通貨及び金融の調整が経済政策の一環をなすものであることを踏まえて、それが政府の経済政策の保身と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分亡い士卒をはからなければならない。」となっていますから、巷間言われているような独立性は原則的にありません。
独立性として書かれている内容は、第3条の「日本銀行の通貨及び金融の調整における自主性は、尊重されなければならない」といった程度のものです。
>2.日本銀行総裁を決定できるのは誰?
日銀総裁(副総裁も)は、「両議院の同意を得て、内閣が任命する」となっていますので、議院内閣制をあることを考えれば、内閣総理大臣が決定できると言えます。
総裁の身分は日銀法で保証されているので、解任事由がないときは内閣も解任はできません。
>3.行政、立法、司法の三権分立に加えて、通貨発行権というものの存在が、もう少し
>クローズアップされてもよいと思うのですが、行政、立法、司法には一応選挙の洗礼
>があるのに、通貨発行権にはそれがないのは、大きな欠陥と考えてよいのでしょうか?
日銀(中央銀行)は機能的存在に徹するべきだと考えているので、議院内閣制を基礎とした人事権と政策一体の法的規定があれば、選挙の洗礼はことさら必要ないのではと考えています。
日銀の政策は“技術論”ですから、目的が政治的に定立されていれば、合理的にその実現ができる政策を採ることになります。
悪意がある場合やレベル以下の誤った経済理論の枠組みを持っている場合は別ですが、中央銀行ができる範囲は限られていますから、経済データを読み解く能力と貨幣理論を保有している人であれば務まる仕事です。
高度成長期を顧みればわかるように、利子率変動の影響を誤って理解していてもなんとかなったくらいです。
また、財政・税制などの経済政策が及ぼす影響を無視した金融政策は頓珍漢なものになったり実効性がないものになりますので、実体経済に及ぼす日銀の力はそれほどのものではありません。
政府の経済政策のほうが、日銀の金融政策よりもずっと強い影響力を持っています。
「デフレ・スパイラル」は、中央銀行の力の限界性を如実に示している経済事象です。
日銀は政府の経済政策のしもべに徹するべきですが、デフレ下での「インフレ目標政策」のように、経済論理を超えた金融政策を採ろうとしても実効性はありません。