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(回答先: インフレ論者になったせいがく 投稿者 せいがく 日時 2003 年 1 月 09 日 07:32:33)
>資産市況の下落が止まって、上昇に転じたということが明確に認識されれば、活況を
>呈し始めると思います。「袖」はないのではなく、眠っているだけですから。矢継ぎ
>早の政策で政府が国民の信頼を得られれば、経済の好転のきっかけになりうるのでは
>ないでしょうか。資産効果だけで終わらせない工夫が肝要と思います。
>>そして、日銀が上場株式すべてと遊休地すべてを買い上げた時点でこの政策は終焉
>>を迎えます。
>>これは、企業が全て国有企業になったことを意味します。
>これは物凄い極論のような気がしますが、ここに至る前に「日銀の非常手段をもはや
>必要としない」段階が訪れると思います。
GDP状況が変わらないまま、日銀が株式や不動産を買い上げることで資産価格を上昇させても、不良債権処理や一時的で小規模な需要拡大に貢献するだけで、本格的な「デフレ不況」の克服にはつながりません。
売って差益を得る株式や不動産を所有している人(経済主体)の数は限られているので、需要の増加も限定的なものになります。
たとえ大きな需要増加があったとしても、ストックの売却による一時的な所得増加に基づくものですから、持続的で本格的な好況は実現できません。
このようなことから、「ここに至る前に「日銀の非常手段をもはや必要としない」段階が訪れる」というのも淡い願望でしかないと思われます。
それは、80年代後半の資産価格変動・勤労者所得変動・財&用役の価格変動の関係を考えればわかります。
日銀が経済論理を無視して買い進むわけですから、80年代後半以上に「資産バブル」が進行することになります。日銀が抱え込んでいるので、バブルがはじけるということはありませんが、事業で利用するより日銀に売ったほうが有利だと判断するので、使われない不動産が増加します。(保有財や用役の供給活動が低迷することを意味します)
賃貸物件も、これまで通りの価格で貸すよりも日銀に売ったほうが得だということで減少したり、高い価格でなければ貸さないという家賃高騰に結びつく可能性が高く、流通やサービスのように不動産を基礎とした事業や住宅非所有勤労者は、より困窮することにもなります。
(日銀が保有不動産を安く賃貸すれば、この問題は生じません)
住宅を保有している人がそれを売却するとしたら買い替えのはずですが、所得が増加しないのに、日銀を買い手とする不動産取引の影響を受けて不動産価格がみるみる上昇していけば、買い替えは無理だと判断して売却には踏み切らないはずです。それであれば、不動産業や建設業も苦境を脱することができません。
(80年代後半は、所得も不動産価格も右肩上がりが続くという信仰があったので、買い替えも進みました)
結局は、資産価格の上昇を所得(給与)の増加に結びつけない限り、「デフレ不況」は克服できません。