(回答先: 金融相:「ペイオフ覚悟」のプレッシャーで銀行界の構造改革に期待(東京 3月14日ブルームバーグ) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 14 日 13:18:30)
銀行に“構造改革”を迫るプレッシャーは、「公的資金注入なし」もしくは「普通株式による公的資金注入による国有化」そして「破綻銀行経営者の刑事責任追及」であり、ペイオフではない。
ペイオフで被害を受けるのは、銀行ではなく、預金者である。
ペイオフが銀行経営者にプレッシャーを与えるとしたら、「破綻して預金者に迷惑をかけるのは申し訳ない」と考える“しおらしい”銀行経営者がいればの話である。
>「ペイオフは1つの銀行にとっても構造改革の強力なプレッシャーが働く。
>また銀行業界の構造改革を進めるベクトルを持った施策」との見解を示した。
柳沢金融担当相のこの答弁を解説すれば、「ペイオフの実施は、預金者にプレッシャーをかけることで預金の移動を促進し、本来ならば地域銀行として経営できる銀行も破綻させることで、大手銀行の寡占的な金融支配を実現する」ということである。
>また銀行の経営情報公開については、「今度は預金者の方が選択の力を持つ。経営者は、
>預金が流出しないため、必死に努力する」と述べ、
まともな経営情報公開がされていなかったり、保有債権の分類が恣意的に行われている状態で、預金者がまともな選択をできるわけがない。
債権の恣意的な判定で“有利な”手心を加えてもらえる大手銀行には預金が集中し、“不利な”仕打ちを受ける中小銀行からは預金が流出するだけである。
>「本当のことを言わないと法令違反になる。本当のことを言えないようなら、自分の
>生き方を考えてもらわないといけない」と語った。
本当のことを言わなくてもいい銀行経営者と、本当だと思うことを言っても認めてもらえない銀行経営者がいるのだから、このような恫喝は欺瞞である。
このような政治家が、多くの人が危機だと考える金融の担当大臣である限り、「金融危機」も終息しないし、「デフレ不況」から脱却することはできないだろう。