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(回答先: 冷戦後の世界秩序についての認識 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 9 月 28 日 07:17:46)
ていねいなレスをいただいていますが、内容は感心しません。匿名希望氏は、経済・財政問題に比べ、国際関係・外交問題は専門的に勉強した、というようには思えません。ひょっとして若手外務官僚かねという気もしましたが、そうではないようですね。あるいは、この「米国礼賛一色」こそ、現在の外務省の路線で、やはり、外務官僚(の卵)なのかも知れませんが。
例えば「民主主義礼賛」。米国ですら、こんな「民主主義万万歳」なんて、いまどき、誰も言っていません。昭和30年ころまでのわが国での学校教育現場での説明を聞いているような感じがします。米国の「民主主義」は、米国民にしか、適用されないことなどは、米国暮らしを経験した日本人なら誰でも知っていることです。他の国に民主主義を敷衍しよう、なんて、米国支配層はこれっぽっちも思っていません。他国に干渉する口実としてだけ、「人権」とか「自由」を借用するだけです。そもそも、西欧以外の国では、デモクラシーなどハンドリングできる、なんて彼らは(本音では)全く信じていませんよ。小生は米国政府高官(当時)から直接、こういう主張を(何度か)聞きました。匿名希望氏はどうやら、米国で暮らしたことがなさそうですが、米国社会のベーシック・スタンダードは「人種」と、これとからんだ「貧富」です。ほとんどの事象がこの二つの物差しで解明できます。例えばね米国内では、黒人差別は依然として根強いですが、1992年のロス(LA)暴動では、襲撃された韓国人商店主よりは、襲撃した黒人の方に、白人の支持が集まりました。なせだか分かりますか。黒人は昔からアメリカ人なのに比べ、韓国人はごく最近、米国のシチズンシップを取った連中に過ぎないから、です。
そもそも、民主主義というなら、そのひとつの権利は「民族自決」であるわけで、ブッシュ・ドクトリンのどこが民主的なのか、教えて下さい、格付け会社と同様に、世界の国々の「民主主義の成熟度」を米国が判定して、水準以下の国の政権は米国が打倒してあげる、とでもいうのでしょうか。
戦前の日本社会より、戦後の日本社会の方がマシ、というのも、戦後社会を知ったから比較できるのであって、ひとつの共同体の中でしか、暮らしていなければ、他の共同体と「ドチラがいいか」という判断はできません。北朝鮮の体制がなかなか自壊しない理由のひとつはここにあります。マルクスも言うように、貿易、交換価値の発生は「共同体のはざま」でしか発生しないのです。
また、米国はもともと、覇権主義で、アフガン、イラクを巡って、そのことが顕在化しただけだ、日本にとって何の不都合もない、と言うに至っては、「米国の代理人か」とあきれるばかりです。同じ西欧の仏、独ともきしんでいるこのユニラテラリズムは、日本ともあらゆる点でフリクションを起こしますよ。「米国と心中するのが、現時点でのベストチョイスだ」という極論もひとつの主張としては成り立つでしょう。こういう「エクストリーミスト」の立場に立つのならともかく、(こういう言い方をすれば、皆、警戒します)、一見、常識的な立場に立った様な顔をして、結果的には「米国との心中論」を唱えることは、意図的なミスディレクションといわざるを得ません。
安倍晋三ら、頭の良くない2世政治家たちが、米国に留学して、匿名希望氏と同様の「米国観」を身につれて帰国してくることをある政治家が憂えていましたが、これも米国が意図的にやっている「洗脳」とみるべきでしょう。匿名希望氏ももう少し本気で米国について研究することをお勧めします。わかり易いところでは「属国日本論」などの副島隆彦氏の本あたりから勉強されては如何。