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【投稿者:下記は2010年9月20日時点のuedam.comの植田氏の文章です。
//////////の線は読み易くするよう投稿者が引いています。
下記文章の最後の
「ここはもう官僚を責めるのは無意味です。
政治家がアホすぎるのですよ。
持っている力を行使できないのですから。」
を、投稿者は、苦闘している小沢氏と小沢氏が育てる政治家に期待したいと考えま す。皆さんそれぞれの読み方があると思います。】
官僚だけに「私こそが日本国家である」という意識が持て、選挙政治家に持てないのはなぜか
投稿者:ウエダ 投稿日:2010年 9月20日(月)15時46分16秒
こんにちは、皆さん、植田です。
最新の江田憲司メールマガジンです。
これを拝見して、しばし、考えました。
なぜ日本では、官僚なのか、と。
まあ、先に、江田氏のマガジンを御覧なってください。
http://www.eda-k.net
//////////////////////////////////////////////////////////////////////
「菅新内閣が発足した。とりあえずは礼儀だから、頑張ってほしいと外交
辞令を出しておこう。特に、岡田克也幹事長と片山善博総務相には期待し
たい。
期待したい、と言った趣旨は、この二人の政治家自身には、改革の志が
あると、私は、これまでのお付き合いの中で判断しているからだ。
しかし、実際の政治はそんな甘いものではない。独裁者でもない以上、
この民主党政権でその志を貫くのは難しいからだ。何度も指摘しているよ
うに、この党には改革をはばむ「構造的欠陥」がある。「公務員の労組依
存」という致命的な欠陥が。これは、私が最後まで民主党入りを固辞した
最大の理由でもある。
片山さんについては、「真の地域主権の実現」という、同じ志をお持ち
であることから、私も何度かこれまでアプローチしてきた。ただ、その時
は、政治に関わることを厳に否定されていたものだ。どうしても、あるべ
き論と現実の政治との間にはギャップが生まれる。そのズレが自分の性格
からして精神衛生上極めて良くないからといった趣旨であったように記憶
している。
その方が大臣を受けた。私も、評論家として、大学の先生として、勝手
気ままなことを言っているだけより、この際、最後のご奉公で大臣として
やれるだけやってみようと決意された片山氏を責めようとは思わない。そ
の志を是非貫いてほしいが、民主党政権では無理だろう。
だから、やるだけやって、だめなら潔く退いてほしい。そして今度こそ
我々に力を貸してほしい。彼の持論の「住民自治(参加)」は、自治労が
支配する地方自治体の役所が最も忌み嫌うものだし、国から基礎自治体に
権限、財源、人間を移譲する「地域主権」も、霞が関の各省庁の抵抗がす
さまじいところだ。自治労依存、霞が関依存の菅政権では、その実現は夢
のまた夢、その結末は火を見るよりも明らかであろう。
岡田さんについては、二十代の頃からよく存じ上げている。通産省の三
年先輩で、一緒に法律作りで徹夜を繰り返したこともある。その人柄は、
報じられているとおりで、「堅物」で「まじめ」、裏表もなく「誠実」そ
のものだ。「原理原則主義者」という評価も、最近、少しは変わってきて
はいるのだろうが、当たっている。ただ、その特質が、今の代表選を期し
て二分された党内状況をうまくまとめてやっていけるかどうかとなると、
また別物だろう。その力量については未知数と言ってよい。
いずれにせよ、我々野党の立場からすると、我々の提案にも真剣に耳を
傾け、党利党略ではなく、国益のために最善の道を探ってほしいと願うば
かりだ。
このお二人の今後の努力にも関わらず、菅内閣の支持率は、放っておい
ても下がり続けるだろう。年末の予算編成が終わるころには、40%台を切
るまでになっているだろう。この「口先政権」には、政治主導はもとより、
ガバナンス、いや、組織のマネージメント能力もないのだから。そして、
その間隙、いや、隙だらけの政権に霞が関官僚、特に、財務官僚が見事に
入り込んでいる。
最近面白い話を聞いた。「菅首相は自分の内閣を奇兵隊内閣と称した。
しかし、今の状況は新撰組内閣だ、会津藩(財務省)の支持に従って、幕
藩体制(官僚国家)を守る内閣になっている。」
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以上です。
管政権は奇兵隊政権ではなく、新撰組政権である、というのは、言い得て妙です。当たっています。
それと、管政権の致命的弱点は、自治労に依存する党なので、改革など、できっこない、と。
これも当たっているでしょう。
で、この江田マガジンで私が興味深く思ったのは、江田氏が期待しているのが、岡田幹事長と片山総務大臣。
どちらも、元官僚です。
私は岡田氏には期待していませんが、片山氏には少しだけ期待しています。江田氏によれば、改革の実現はまったく望み薄、ということです。
さもありなん、でしょう。
そこでなぜ官僚なのか、です。
期待できるのが、なぜ元官僚でしかないのか。
といえば、憲法が施行されて63年がたった今日でも、国民主権の意識よりも、天皇の官吏という意識のほうが強いからに違いない、と。
つまり、天皇の官吏を体験した日本人の方が、選挙選出だけの日本人よりも、はるかに強く「日本国家」を意識できる、と。私たちこそが、日本である、という意識です。
この「私たちこそ日本である」という国家アイデンティティーが、官僚たちの政治家を上回る権力基盤を形成しているのだ、と私は考えます。
あとの権限は、この意識から出てくる付けたしです。
政策立案の試案を官僚が書くこと、政策の方向を決めること、メディアに情報をリークすること、天下り先の確保を優先して政策立案をすること、等々、すべては「私が国家である」という意識があるからこそ、平気で、確たる信念のもとに実行できるのである、と。
そして、脱藩して、脱官僚政権を目指す元官僚諸氏にも、この国家アイデンティティーの意識はしっかりと根付いている、と。
これでは先験的に選挙政治家(昔は、党人派政治家と言ったようです)の負けが決まっています。
となると、昨年の政権交代は、やはり「形ばかりの脱官僚」だったのか、となります。
それにしても、そうなると、なぜこれまで誰も官僚の権力の正統性の問題からこの脱官僚問題を論じなかったのか、私には不思議です。
「私こそが日本国家である」という意識なぞ、もうとっくに終わっているぞ、と。
しかし、終わらせたのが、アメリカ占領軍だったところが、今も、大きな問題なのでしょう。議論もできないほど、深く潜伏した問題である、と。
日本人の多くは、もしかして今も、何で官僚主導でいけないのだ、と思っているのではないか? 国民主権の意味もわからずに?
明治時代に、伊藤博文の狡知によって帝国議会の設立が決まり、そして、アメリカ占領軍によって戦後の民主主義がスタートしたことのツケです。
要するに、明治以来、この国では、民主主義は、まっとうにスタートしたことはなかった、と。
だから、脱官僚がちっとも進まないのは、このことの当然の代償なのである。
てなことになりますが、さて、国民主権者連合軍の反撃はいかに!?
私はといえば、もちろん、脱官僚派です。
官僚になぜ政治の主導権があるのか、いや、現実になぜ主導しているのか、その根拠がさっぱりわかりません。
いや、不比等戦略が根拠なのですが、しかし、これはもう効力が失効しています。わからないのは、なぜ戦後の有権者は、それなのに官僚主導を許しておくのか、ということです。
ここはもう官僚を責めるのは無意味です。
政治家がアホすぎるのですよ。
持っている力を行使できないのですから。
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