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戦後の言論をすべてご破算にする「昭和天皇が安保条約を主導」説(uedam.com)
http://www.asyura2.com/10/senkyo97/msg/455.html
投稿者 五月晴郎 日時 2010 年 10 月 13 日 01:20:34: ulZUCBWYQe7Lk
 

(回答先: 官僚主導に、いかなる政治思想的根拠があるかと、全日本人は問え(uedam.com) 投稿者 五月晴郎 日時 2010 年 10 月 11 日 23:49:41)

http://www.uedam.com/kako104.html

戦後の言論をすべてご破算にする「昭和天皇が安保条約を主導」説

投稿者:ウエダ 投稿日:2010年 4月15日(木)12時27分12秒

こんにちは、皆さん、植田です。

 豊下樽彦の『昭和天皇・マッカーサー会見』(岩波現代文庫)と『安保条約の成立』(岩波新書)を読みました。

 いやあ、こういうのをショックというのでしょうか。
 茫然自失というのでしょうか。

なんと戦後日本の安全保障保障体制の構築を主導したのが昭和天皇だったとは!!
 臣・茂は、自分の外交官としての考えがあったものの、結局は、昭和天皇の意向に従うしかなかった、と。だから、私たちが聞かされてきた「吉田ワンマン政治」はウソであり、昭和天皇主導のカモフラージュでしかなかった、と。

 ダレスと講和・安保交渉を行った外務省条約局の文書を分析しながら、豊下氏がこのことを読み解きました。これが1996年の『安保条約の成立』でした。
 で、日米安保があまりにアメリカの言いなりになった背景には昭和天皇がいると気がついた豊下氏は、次にマッカーサーと昭和天皇の会見の全11回の内容を調べました。そこから浮き上がったのは、9条のもとに悩む昭和天皇でした。昭和天皇は共産主義に怯えていました。だから、日本軍が消滅したからには、アメリカ軍しか頼るものがありませんした。
 そこで昭和天皇は、ダレスに、アメリカは日本国を好きように扱ってもよいとメッセージを送りました。これで日米安保条約の基本方針が決まります。
 日本の外務省が日米の関係を対等に持っていこうとする条約案を立案しますが、天皇の意向を受けた吉田首相が、結局、ダレスの言いなりになります。

 というわけで、戦後の日本をアメリカの言いなり国家にしたのは誰か、といえば、昭和天皇でした。
 理由は、内外の共産主義です。
 折から、1950年には朝鮮戦争が勃発しました。
 天皇は、これを皇室の危機と認識しました。共産主義勢力は天皇制をつぶそうとしている、と。
 吉田茂は、朝鮮戦争は対岸の火事と見なしていました。しかし、天皇の意向には逆らえず、吉田茂がやったのは、講和条約には出かけたくないとゴネたことだけでした。天皇に叱られて、吉田首相はいやいやながらサンフランシスコに出かけ、日米条約にたった一人で署名しました。実質的にここで署名したのは、昭和天皇でした。

 1951年9月に調印された安保条約の一条には不思議なことが書かれています。アメリカ軍は日本国内の騒乱に出動してもよい、と。
 これは何か、と私はずっと気になっていたのですが、昭和天皇がこの条約の主導者とわかってみれば、疑問が解けました。昭和天皇は、国内の「アカ」による暴動を警戒していたのでした。「アカ」になった日本人よりも、資本主義とデモクラシーの民であるアメリカの軍隊のほうが信用できる、と。

 で、さらに思うに、戦後の日本がアメリカに言いなりになっていることに、昭和天皇はどう感じていたか。
 私は戦争末期にヒトラーが命令した指令を想起しました。
 「戦争に勝利できないドイツ人は、存在してはならない」とドイツ全土に焦土作戦を出しました。さすがにそれまで忠実にヒトラーの命令を実行してきたアルベール・シュペーアはこれだけは実行しませんでした。

 昭和天皇にもヒトラーに似た気持ちがあったのではないか。
 皇室も守れない日本人は、アメリカに従属しておればよい、と。
 うーむ、です。

 で、私は、戦後の日本が官僚主導である証拠を探しているのですが、戦後の日米安保条約こそがその真骨頂でした。
 天皇主導の安全保障体制の構築とは何か。これぞ、日本が律令システムであることの証明であり、現代に生きる不比等戦略です。

 それゆえに戦後の日本人は外交問題に対して完全に思考停止をしてしまったのでした。
 天皇が主導したことには臣民は口を出してはならない、と。
 その結果が、今の鳩山首相の普天間基地移設問題での袋小路です。

 もちろん、日本人が自然理性人になればどうってことはない問題です。
 しかし、今は、もし昭和天皇が日米安保を主導したのであれば、戦後の日本人がなんだかんだと言ってきた言論は、すべてご破算になるだろうと、しばし、頭が茫然自失となりました。

 豊下氏の本のついでに、現在防衛大学学長の五百旗頭真氏の『日米戦争と戦後日本』(講談社学術文庫2005)を読んだのですが、豊下説を見た後では、もう完全に「天皇象徴パラダイム」の中にいました。象徴になった天皇は、現実の政治にタッチしない、という戦後日本人が勝手に思い込んだ思考の枠組みです。
 しかし、共産主義の脅威を前にして、万世一系を守らねばならない昭和天皇には、憲法の条文など、ただの紙切れにすぎなかったわけです。

 さて、私たちがその中にいる「アメリカ言いなり」体制の戦後の日本を昭和天皇が作ったのだとすれば、私たちはどうしたらいいか。
 実に面白い問題です。  

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コメント
 
01. 五月晴郎 2010年10月13日 01:59:37: ulZUCBWYQe7Lk : 3TceM4k07M
一連の投稿記事の流れと関係ないコメントで恐縮ですが、阿修羅には流石に少ないですが短絡をして誤解する方がいらっしゃるかも知れないので、私事を申し添えます。
投稿記事の執筆の方同様に私は右ではありません。直近の参院選挙で、私は小沢氏代表辞任前後以降の民主党の流れから溜まってきたものが腹に据えかね、地方区は社民党の森原氏、比例区は保坂氏に入れました。ですので、右ではないですが、左かといってもその程度の左度です、というか政治家の著作で持っているのは石橋湛山氏だけですから、昔の自民党のリベラル派の党人人脈、そして今は小沢氏のタイプが単純に言うと好きな人間です。

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