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(回答先: 全日本人が知るべき豊下説=戦後日本の国体は昭和天皇がつくった(uedam.com) 投稿者 五月晴郎 日時 2010 年 10 月 13 日 01:31:41)
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昭和天皇がつぶした西村熊雄・条約局長のアイデア
投稿者:ウエダ 投稿日:2010年 4月15日(木)21時56分53秒
こんばんは、皆さん、植田です。
昭和天皇がつくった戦後の国体(=アメリカ依存の安全保障体制)のことがわかったあとで、よしりんの『昭和天皇論』を見ると、なんかほっとします。
そこまで深刻に問題を考えることなく、素直に昭和天皇に感銘を受けている戦後世代がここにいる、という感じです。
ということは、戦後の日本人は、よほど「サヨク」の天皇観に汚染されてきたのでしょう。振り返れば、私にもその傾向がなかったとは言い切れません。もっとも私の場合は、律令理性を日本人に植え付けている元凶である、という視点でしたが。しかし、考えれば、天皇は日本人の素朴な祖先崇拝を今に体現しているだけで、それを統治論・政治権力の問題として体制化したのが藤原不比等だったわけです。
というか、天皇家と藤原家は、もちつもたれつの関係でした。奈良時代は。
だから、桓武天皇は、そんな奈良を捨てて京都に遷都したのでした。
さて、昭和天皇が戦後の日本の「アメリカ言いなり」体制をつくったとすれば、これはもう終わったことです。昭和天皇にこの体制を要請した冷戦も終わりました。共産主義の脅威は過去のものとなりました。
今あるのは、普通のパワー・ポリティクスであり、核テロの脅威です。つまり、イデオロギーの脅威はなくなりました。
もっとも中国にとっては、グーグルのように、なんでも情報が瞬時にワールド・ワイドになるのは、〈体制問題〉になるようです。ここは中国政府という時代遅れの政体が情報化時代についていけないだけです。そのために私たちの隣の13億人の人口が悩んでいます。
さて、そうすると、私たちは昭和天皇が構築した「国体」をどうすればいいのか。
ヒントが占領中に外務省が立案した安保案にあります。昭和天皇につぶされる前のアイデアです。
「〈米国の根本方針にふれる〉問題、つまりは、米軍の駐留は日本の〈同意〉や日米両国の〈合意〉によるのではなく、あくまで日本側の〈希望〉の結果でなくてはならない、という点である。」『日米安保の成立』P.98
そう、アメリカ軍が日本に基地を置くのは、日本側の同意によるのであり、希望によるものではない、と外務省条約局は立案化しようとしたのでした。
それを天皇が、「日本が希望する」に変えました。
ダレスがこれに飛びつきました。アメリカの方針は、「我々が望むだけの軍隊を望む場所に望む期間だけ駐留させる権利を獲得する」ということでした。1950年1月26日の外務省と交渉する事前のスタッフ会議での発言です。ダレスと天皇の考えが一致しました。
外務省条約局で立案を主導したのは西村熊雄・条約局長。
「西村が言うように、交渉に望む日本側の基本的立場は、日本が米側に基地を提供し米国が日本を防衛することによって〈相互性〉が保持される、というものであった。ここには、日本の安全と米国のそれは不可分の関係にあり、日本に軍隊を置くことは、アメリカの国益にとっても不可欠の条件である、という前提がおかれていた。
しかしダレスやアメリカ側は、米軍駐留はアメリカが日本に与える恩恵であって、相互性の対象にはなりえず、日本が再軍備という貢献をはたしてはじめてアメリカによる日本防衛という義務が生じうる、と主張した。つまり、基地提供と日本防衛をセットにする論理が、再軍備と日本防衛をセットにする論理に、みごとにすり替えられた。・・
要するにこの交渉を一言でいえば、基地提供をいかに高く売りつけるかという立場と、軍隊の駐留についていかに恩を着せるかたちにするかという立場の攻防戦だった。」P.75
ところが、日本側は、交渉の最初から、日本はアメリカ軍の駐留を希望する、と言ってしまったのでした。吉田の入れ知恵でした。
これでダレスは、それならアメリカ軍の日本駐留はアメリカによる恩恵である、としました。アメリカの思い通りに日本に基地を置く、と。
で、吉田にそう述べさせたのは、昭和天皇だった、というわけです。共産主義を恐れるあまりに。
さて、今は昭和天皇もいないし、共産主義ソビエトもいません。
ロシアは今では普通のパワー・ポリティクスを展開する国です。イデオロギーの輸出よりも、原油の輸出をしたがっている国です。
私たちはどうするか。
西村・局長のアイデアは今でも通用するでしょう。
基地の提供それ自体が、日本の〈同意〉である、と。
そのほかに「思いやり予算」などいるものか、となりえます。
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