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輸入動植物を規制する外来生物法で、生態系に影響を及ぼす「特定外来生物」の指定をめぐり、環境省は19日、ブラックバスの一種オオクチバスについては半年間、議論を延長し、新たに駆除指針を作るための調査委員会を設置することを決めた。6月の法施行時点での指定は見送るが、同省は調査委の検討を踏まえ、今秋には指定の結論を得たい考えだ。
同省は、同日午後の専門家グループの会合でこれまでの議論を終結させ、これを継承する形で調査委を設置。ブラックバスの影響を受けている湖沼を持つ自治体からの委員も加え、駆除方法などの指針作りを進める。
昨秋からの議論では、ブラックバスを「特定外来生物」に指定し、早急に対策を取らないと生態系に甚大な影響があるとする研究者らと、指定で害魚のイメージが定着し、釣り業界などが大きな打撃を受けるとして反対する利用関係者の対立が深まっていた。
しかし、議論の中で、「被害のある地域で、影響を緩和するため駆除の必要性がある」「これ以上の分布拡大を防ぎ、輸入、移動の制限が必要」など、双方の共通認識ができてきた。これをもとに、調査委はモデル地域を設定し、駆除のテストなどをする。具体的な駆除方法や場所は、釣り業界などの合意を得た上で決めるなど、共同作業を通じてさらに理解を深めたい意向だ。
(01/19 15:15)
■ 特定外来生物被害防止法 ブラックバス指定除外へ 環境省、協議は継続【産経新聞】2004/01/09
外来生物による生態系や農作物への被害を防ぐための「特定外来生物被害防止法」で、輸入や移動を禁止する動植物の選定作業を進めている環境省は、六月の施行時にブラックバスの一種、オオクチバスをリストから外す方針を決めた。ジャワマングースとともに同法の主眼であったオオクチバスが指定から外されることについて、研究者や駆除を進めている住民は反発している。
オオクチバスはルアー釣りの対象魚として人気があり、特定外来生物に指定されても釣りは禁止されないが、「ブラックバス釣りのイメージが悪くなる」として、釣り関係者や自民党内部に強い反対論がある。
同省が十一月から開いている専門家会合でも「オオクチバスの在来生物への被害は明らか」とする指定賛成側と、「ブラックバス釣りは地域経済に有効」とする反対側が対立、合意のめどは立っていない。このため同省は、現段階での指定は困難と判断、協議を継続する方針で、同法施行後の追加指定をめざす。
細谷和海・近畿大教授(魚類学)は「オオクチバスを指定するために作った法律にオオクチバスが指定されないなら、何のために法律を作ったのか意味がなくなる」と批判している。
特定外来生物被害防止法 ブラックバス指定除外へ 環境省、協議は継続
■ バスの違法放流、エサで解明 北海道の研究者ら手法開発【朝日新聞】2005/01/09 夕刊
炭素窒素同位体法によるバス密放流調査
生態系への影響が深刻とされ、飼育や運搬などが禁止される「特定外来生物」への指定が論議されている北米原産のオオクチバスについて、エサから放流時期を探る手法を北海道立水産孵化(ふか)場の伊藤富子・研究主査らが開発した。漁業調整規則がすでに禁じる違法放流の調査手段になりそうだ。7日開かれた環境省の外来生物法関連の専門家会合でも紹介された。
バスのような大型肉食魚の体の構成成分は、エサによって変わる。伊藤さんらは養殖業者から買ったオオクチバスの稚魚を人工飼料で1年間飼育し、体の成分の変化を調べた。次に、約50匹のエサを石狩古川で採れたスジエビに代えると、バスの体の成分は徐々に変わり、約半年で安定することが分かった。
この実験を基に、北海道余市町の余市ダムで02年7月、9月、10月に捕獲したオオクチバスと、胃内のスジエビ、余市ダムでエサとなりうるニジマスやアメマス、ハナカジカ、フナの体の成分を調べたところ、バスは9月捕獲分を除いて「この水域の魚介類を半年以上食べ続けているとは考えにくく、最近、違法放流された可能性が高い」と分かった。
札幌市近郊の南幌町親水公園池で02、03年に捕獲したオオクチバスも調べた。いずれも体重約100グラムと500〜700グラムの2グループがあり、500グラム以上は長期間ここに生息していたと見られるが、100グラム級は比較的最近放流されたと分かった。04年6月に捕獲した約300グラムのバスも、最近の違法放流によるものと判定された。
伊藤さんらが調べたのは、通常の炭素12や窒素14よりわずかに重い炭素13、窒素15の割合(炭素窒素同位体比)。同孵化場の工藤智・河川湖沼科長は「炭素窒素同位体比は魚の育った場所を調べる技術だ。北海道はバスが入った時期が新しく、違法放流が相次いだことで、はっきりした結果が出た」と話している。
(01/09 11:23)
■ オオクチバス、生息湖沼3割で生態系に被害、魚類学会調査【日本経済新聞】2004/12/08 夕刊
ブラックバスの一種であるオオクチバスの生息が確認できている湖やため池の3割近くでは、護岸工事など環境変化の影響がないのに在来種が激減するなど生態系への被害が生じていることが八日までに日本魚類学会が明らかにした調査で分かった。
同学会の専門家は、オオクチバスの被害はさらに広がっているとみている。
調査は同学会が十一月に各地の魚類研究者などを対象にアンケート方式で実施したもので、結果をこのほど開かれた環境省の専門会合に報告した。
それによると、北米原産のオオクチバスだけが侵入していることが確認できたのは全国の湖沼のうち三百三カ所。護岸工事などの環境変化の影響がないのに、在来種が絶滅・減少するなど顕著な被害が認められたのは八十六カ所だった
■ 外来種規制 釣り業界「反対」ブラックバス 網の外? 保護団体批判「法律骨抜き」【読売新聞】2004/11/25 夕刊
アライグマやブラックバスなど、海外から日本国内に持ち込まれた生物(外来種)による生態系破壊を防ぐため、今年六月「特定外来生物被害防止法」が公布されたが、問題の発端となったブラックバスを駆除を含む規制対象から外そうと、釣り具業界や議員連盟がロビー活動を展開。これに対し「同法が骨抜きにされる」と批判する自然保護団体との対立が表面化している。このため環境省は二十六日、ブラックバスだけを個別に検討する小委員会を設置することになったが、期限内に結論を出せるか微妙な情勢だ。
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同法は、生態系破壊や農業被害をもたらす外来種の輸入や飼育、野外放棄を罰則付きで禁ずるもので、必要に応じて駆除も行う。環境省は来年六月までの施行に向け、規制対象種を選定中だ。
日本国内で繁殖しているブラックバスは、北米産のオオクチバスとコクチバス。オオクチバスは、釣り人に特に人気が高い。ルアー・フィッシングブームで全国の湖沼に密放流され、フナやタナゴなどの在来魚を食い荒らすなど、大きな環境問題になっている。
対象種に指定されても釣り自体は規制を受けないが、釣り具メーカーなどで作る日本釣振興会(会長・麻生総務相)は、この“ブラックリスト”からブラックバスを外すよう、強力な働きかけを進めている。
日本釣振興会によると、ブラックバス釣り人口は約三百万人、関連市場は約1000億円にのぼる。経済的影響を考慮した環境省は、オオクチバスを切り離して評価することにし、専門の検討会を二十六日に設置、指定の是非を議論することになった。
同振興会は「在来魚の減少は水環境の悪化が原因」と、駆除の可能な規制には強く反対。超党派の国会議員で作る釣魚議員連盟も「バス釣りは、釣った魚を再放流する“キャッチ・アンド・リリース”が特徴で、命の大切さを教える教育にも役立つ」と、同様の主張だ。
来年六月までの施行には一月までにリストを作る必要があり、合意できるかどうか微妙な情勢。指定には与党の承認と閣議決定が必要で、「政治力で外される」(濁川孝志・立教大教授)とみる関係者もいる。
日本自然保護協会などは規制すべき種として三百五十四種を公表しているが、第一陣で指定されるのはアライグマやコクチバスなど四十種以下の見込み。北米産のミドリガメなども「広く飼われており、影響が大きい」として、リストから外れる公算が大きく自然保護団体は反発を強めている。