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(回答先: オオクチバス駆除指針作成へ 環境省、調査委設置し議論【朝日新聞】外来種規制に釣り業界は反対←保護団体が批判「法律骨抜き」 投稿者 エイドリアン 日時 2005 年 1 月 19 日 20:28:47)
「あの魚を持って来て放した人は軽い気持ちだったかも知れないが、その行為で大変な損害が生じている」と、奥利根湖を管理する利根漁業協同組合の吉沢郁夫組合長(74)は憤る。
奥利根湖で最初にブラックバスの一種、コクチバスが発見されたのは1999年5月。漁協と県水産試験場で調べると、体長30センチほどのバスが数十匹いることが分かった。
湖はイワナやワカサギ、ヤマメ釣りの名所。また、1都5県を流れる国内有数の大河、利根川の最上流に位置するため、バスが下流に流出すれば生態系への影響は計り知れない。
「この湖にいる間にどうにかしないと、取り返しがつかないことになる」。県は漁協に委託し、徹底駆除に乗り出した。
漁協は十数人の組合員を専従とし、湖が雪に閉ざされる冬季以外はほぼ毎日、刺し網などで駆除を実施。ダイバーを招いて水中銃で撃ったり、バスの卵を食べるウナギを放流したりと、様々な手段を試みた。
しかし、湖面が広く、水深も最大100メートル以上の奥利根湖での根絶は困難だ。バスは毎年繁殖を繰り返し、駆除数を見ても2000年度の521匹が、今年度は6702匹に上った。
4年間でかかった費用は計約2350万円。漁協によると、他の魚種は放流量を増やしても、生息数が減っている。吉沢組合長は「未来の子供たちに、バスしかいない川や湖を残すわけにはいかない」と、危機感を募らせる。
そんな中、同県高崎市の釣具店経営秋本国勝さん(59)は「漁協との協力を通じ、釣り人自身がより良い釣り場について考えるようになれば」と、駆除に参加する釣り人を募集。約100人が名乗りを上げ、今春にも活動を始める。
栃木県の中禅寺湖や山梨県の本栖湖など、地道な捕獲による駆除が効果を上げている地域もある。一部のため池や堀などでは、水抜きをして根絶に成功した。しかし、大きな湖や川での完全な駆除技術は、まだ確立されていない。
駆除推進の立場をとる水産庁は、「関係者が協力して対処しないと問題は解決できない」として、2002年に学者や漁業、釣り関係者による懇談会を設置。コクチバスは全面的に駆除することで合意した。
しかし、より広く分布し、神奈川県の芦ノ湖や山梨県の河口湖など4つの湖で漁業権が設定されているオオクチバスについては、「全面駆除」を求める漁業者らと、「公認釣り場の設置」を求める釣り関係者らの意見が対立したままだ。
全国内水面漁業協同組合連合会の今年の調査では、オオクチバスは47都道府県の357か所で、コクチバスは33都府県の96か所で生息が確認され、6割以上で漁業などに影響が出ているという。
「今のやり方で全国のバスをすべて駆除しようとしたら、いくら予算があっても足りない」とは、関係者の共通認識だ。どのような川や湖を子孫に残したいのかを含め、立場の違いを超えて考え、協力する時が来ている。(角谷 志保美)
ブラックバス 北米原産サンフィッシュ科の淡水魚で、オオクチバスとコクチバスが有名。繁殖力が強く、他の魚を大量に捕食するため、同じ北米原産のブルーギルなどと共に、漁業や生態系への悪影響が問題化している。オオクチバスは1970年代以降のルアー釣りブームで、それに適した魚として全国の湖沼や川の緩流域に拡散した。90年代に目立ち始めたコクチバスは、水が冷たく流れの速い水域にも生息でき、渓流魚などへの影響が大きい。
お答えします
Q 外来魚はリリース(再放流)してはいけないのですか?
A 釣り上げた魚を、殺さずに湖や川に戻す「キャッチ・アンド・リリース」は、生命を尊重し、資源を保護する米国生まれの考え方に基づいています。国内のバス釣りも、ほとんどがこの形式で行われてきました。
しかし、本来の生態系を乱す外来魚を1匹でも減らし、他の湖や川への拡散を防ごうと、漁協などはリリースしないことを呼び掛けています。また、内水面漁場管理委員会の「委員会指示」などで禁止する自治体が増えています。
山梨県は1997年、全国に先駆けて委員会指示を出しました。その後、新潟、埼玉、岩手、群馬、秋田、神奈川、栃木県で同様の指示が出され、現在検討中の県もあります。
指示に違反すると、委員会は中止命令を出すように知事に申請。命令に従わない場合、違反者は1年以下の懲役か50万円以下の罰金となります。
また、滋賀県と島根県平田市では、リリースを条例で禁止しています。
これに対し、釣り関係者らは「リリースする自由を条例などで制限するのは間違った流れだ」などと、強く反発しています。
(2004年3月18日)