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(回答先: 質問!国際金融家が共産主義を広めることでどんな利益があるのでしょう? 投稿者 オニオン 日時 2004 年 3 月 09 日 01:57:44)
オニオンさん、こんにちわ。
「共産主義を広めたのは国際金融家である」というような投稿をした一人として、国際金融家が共産主義を広める利益を、政治と経済の二つの面から説明します。
なお、ここでいう共産主義は、マルクス主義やレーニン主義といった現在一般的に考えられているものとします。
※ 概略は、『世界経済支配層(国際金融家)が「社会主義(産業国有化)政策」に向かうわけ』( http://www.asyura2.com/0311/senkyo1/msg/769.html )を参照してください。
まず、「近代経済システム」(資本主義経済制度)を作り上げ時代に応じて改変してきたのが国際金融家だと考えています。
それは、「近代経済システム」が国際金融家の利益を極大化するためのものであるということです。
近代は、科学技術の進歩を支えとした産業活動の隆盛が特徴で「産業の時代」という認識が一般化しています。
しかし、「産業の時代」であることは確かだとしても、産業の発展は目的ではなく、国際金融家が利益を極大化するための手段であったと認識しています。
● 政治:産業資本家と労働者の間に対立構造を持ち込む
共産主義の特徴の一つは、労働者が悲惨な生活状況に置かれるのは産業資本家の搾取のせいだと説明し、そのような状況を打破するためには、資本家の支配装置である国家権力を労働者階級が奪取し、それを通じて産業を公有化する必要があると主張していることです。
このような国家社会観からは、産業資本家や国家支配層が労働者や革命政党の動きに神経を尖らせる状況や、労働者や革命政党が産業資本家や国家支配層に憎悪を募らせるようなるという状況が生み出されることになります。
国際金融家の支配原理は、「分断と対立」を巧妙に利用することです。
被支配層のあいだに「分断と対立」を持ち込めば、被支配層相互で争いが起き、自分たち“真”の支配層に槍や牙が向かってくるのを避けることができます。
(国家支配層は、“真”の支配層ではありません)
近代は、多くの人が、土地という生存維持手段から切り離され、自分の活動力を他者に販売して得るお金で生存維持に必要な物資を手に入れなければならない状況に置かれます。
そうでありながら、失業問題でわかるように、自分の活動力が他者に売れ続けるという保証はありません。
このような基礎的条件から、国内で不満や憎悪が沸き起こることは容易に推測できます。
不満や憎悪が生まれれば、なぜ我々はこのような状況に置かれてしまうのかという論理的な追求も起き、共産主義がなかったとしてもそれは行われます。
その結果、悪の根源は、中央銀行を牛耳り銀行を動かし産業や国家から利息を得ている国際金融家であるという認識を持たれる可能性もあります。
共産主義は、そのような認識への道を遮断したことで国際金融家に大きな利益をもたらしたと言えます。
(金融資本論で金融家の存在を浮かび上がらせたヒルファディングやカウツキーに代表されるドイツ左翼が、レーニンらによって背教者扱いを受けるようになったのも象徴的な歴史の流れだと思っています)
国際金融家の支配原理である「分断と対立」は、国内だけではなく国際レベルでも適用されます。
国際金融家が十全に支配している国家を使いながら、そうでない国家を支配するために、国際的な「分断と対立」を持ち込みます。
ロシア革命以後の世界史を省みれば、“共産主義国家”がその「分断と対立」にどれほど貢献したかがわかるはずです。
(戦後世界政治史は、45年にわたって「冷戦」を基軸に動いたという現実もあります)
● 経済:元利回収の確実度は私人よりも国家の方が圧倒的に高いことが利益
国際金融家と共産主義は“水と油”の関係のように考えられがちですが、それは勝手な思い込みです。
共産主義というか「産業の国有化」は、国際金融家にとって損どころか利がある政策です。
なぜなら、産業家(企業)に貸し出ししても彼らが破綻すれば元利が回収できないこともありますが、国家に貸し出ししたものはほぼ確実に回収できるからです。
私人(個人や企業)は死んでしまったり倒産したらその時点の債権債務で精算して終わりですが、国家はそのようなことがなく半永久的に存続します。
また、私人の場合は、生きていても無い袖は振れないという言い訳で借金の返済を中断されたら、損失を覚悟で精算を迫るかしばらく様子を見るしかありませんが、国家であれば、徴税権を活用して返済原資を集めさせることができます。
さらに、私人1000箇所に1兆円貸し出しするより、国家1個所に1兆円を貸し出しするほうが営業・管理コストの面で効率的です。
金融家の利益源泉である産業は、金融家にとって、それが私有なのか国有なのかは無関係なのです。
それならば、より確実で効率的な国家に貸し出ししたほうがいいと判断するのは自然です。
現在の国際金融家の源流の一つと考えているヴェネチアは、造船所と船舶が国有という社会主義的政策が採っていました。(造船所はずっと国有でしたが、船舶はのちに私有になりました)
海洋商人国家であるヴェネチアでさえ、活動の重要手段である船舶やそれを造るための造船所は国有だったのです。(商人はお金を払って船舶を国家から借りて商売していた)
これは、船舶や造船所を個人が所有する負担やリスクを国家に負わせるという考えから行われた政策だと思っています。
国際金融家は、銀行の国有化には反対しても、産業の国有化に反対するいわれはないどころかかえって利益になると考える存在です。