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(回答先: ありがとうございました、さっそく探してみます。(ヒトラーについての結論はもう少し延ばさせて、、) 投稿者 オニオン 日時 2004 年 3 月 12 日 01:18:55)
オニオンさん、どうもです。
ヒトラー=国際金融家説は、とくにこだわっているわけではなく、通説や思い込みをいっぺん捨て去るという思考営為にとって格好のネタだと思っているので繰り返しています。
賠償金問題や資源封鎖(ラインラント地方の仏占領)などで二進も三進もいかない経済状況に置かれていたドイツは、ケインズ的政策を採ったからといっても、あのような経済回復と戦争遂行態勢が実現できる条件にはありませんでした。
インフレは収束できたとしてもハードカレンシーではないマルクは、石油をはじめとした原材料やエネルギー資源の輸入や、減額されたとはいえ賠償金(正貨で支払う義務)の支払いには使えないものでした。
さらに、1930年代の世界経済はまさに「大不況」のドツボにあり、ドイツが産業力で高い競争力を持っていたとしても潤沢に金(正貨)を稼げるという世界経済状況ではありませんでした。
ナチス・ドイツは、国際金融家から融資を受けられなかったり、石油メジャーから原油を調達できなければ、ポーランド侵攻から始まる戦争の準備さえままならない国家だったのです。
ナチス=ヒトラーが掲げる理念や政策はすでに世界に知れ渡っていたのですから、それらを“本気”のものだと判断していれば、国際金融家はお金を貸してやるようなことはなかったはずです。
国際金融家は特有の貪欲さのためにヒトラーに金を貸したという見方もできないわけではないでしょうが、ヒトラー政権は失業者をなくし好況をもたらしたことを支えにしていたのですから、国際金融家が蛇口を閉めれば政権が持たなかったはずです。そして、その後を引き継ぐ社民的な政権に貸し出しをして利益を貪ることも十分にできたのです。
>シャハトを追い出したくらいなら後世へのアピールと言えなくもないと思うのですが、
>中央銀行の国有化政策は戦後ドイツはもちろんイギリスや日本にまで波及しました。
>目くらましにしてはやはりやりすぎだと思うのです。
シャハトは十分過ぎるほどの貢献をしたのでお役御免になったと思っています。(シャハトなくして、第三帝国の興隆はなかったと言えます。彼は、本来なら第一級の戦犯であるはずなのにそれで戦犯にもならずに済みました)
国際金融家は、自分たちが拠点としていない中央銀行や銀行が国有化されてもいっこうに構わないのです。
極端に言えば、最上位の中央銀行(発券銀行)だけを自分たちが握っていれば、各国の中央銀行は国有でもかまわない(好都合かも)のです。
イメージとして、私的銀行である米国のFRB構成銀行が世界で唯一の通貨発行権を持ち、日本など各国の中央銀行はそこから世界及び各国で通用する唯一の通貨を借り入れをして、それが商業銀行に貸し出されるようになるという構図を思い浮かべてみてください。
(ただ紙幣を印刷し貸し出すだけで、寝てても膨大な利息がきちんと入ってくるのです。米国の連邦準備銀行もそうですが、ぼろ儲けをしても法人税などは課せられないはずです)
もちろん、各国の中央銀行や有力商業銀行も自分の支配下に収めたほうが利益が大きいことは確かですが、最上位の発券銀行を握っているかどうかが決め手です。
第二次世界大戦は、産業競争力で米英を脅かす力を持っていたドイツや日本を叩きのめし支配下に収め、国家主義的思想を“狂気じみた危険思想”に貶めることができたことが、国際金融家にとって何よりも収穫でした。
これを戦争なしで実現することは、絶対に無理だとは言いませんが、まず無理だったと思います。
(社民的ワイマール共和国に経済支援をしてやったからと言って、19世紀以来の伝統であった“ドイツ精神”が消え去ることはなかったでしょう。そのようなドイツに経済支援を行って、強固な国家になってしまわれれば、それこそ本当に押さえ込むことができない相手になってしまう危険性があります。日本も、敗戦がなければ、民主的制度や自由度は現在とそれほど違わなくとも、根底の価値観は大きく違うものであった可能性があります)
ヒトラーは、ドイツ国民受けする“理念”を口先だけ声高にかつ巧妙に叫び、ドイツ国民を敗北する戦争に駆り立てる役目を負った国際金融家のエージェントだったと思っています。