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(回答先: 中曽根大勲位の首切りに戦慄と悪寒とを覚える 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 10 月 27 日 16:05:33)
すみちゃん、こんにちわ。
いつもながらのすみちゃんのすばらしい直観力にいろいろと考えをめぐらせましたが、私の直観はそこに至りませんでした。
すみちゃんの解析は重要な警鐘になっていますから、ご指摘の観点でみんながいろいろと考えることは大きな意味があると思っています。
すみちゃんの投稿からだいぶ時間が経っていますので、くだらない私見を書き込んでチャチャを入れても許されるだろうという判断からレスを書いています。
中曽根氏首切りを受けて働いた自分の直観をバカバカしいかたちで再確認したのは、午前に放送された比例区の自民党の政見放送を見たときです。
小泉総裁と安部幹事長が掛け合いのかたちで自民党への投票を呼びかけるものですが、政治を家業としている二人の楽屋話や誉め合いに終始しています。
しかし、この政見放送は、小泉氏を総裁にし自民党主体の政権を維持するためのプロパガンダ手法が滲み出ていてとても参考になりました。
切り出しが、当選三回でありながら“有能な”若手である安部氏を幹事長に選んだ小泉氏の自画自賛で、それが青年層と手を携えて日本の改革を進める自民党の象徴だと説明しています。それをまたうれしそうに受け入れ、小泉氏を持ち上げる安部氏という掛け合いですから、小泉ファンや安部ファンには心揺さぶられるショーなんでしょうが、私には恥ずかしさしか感じられませんでした。
このような世代論は政見放送でけっこうな比重を占めてていました。
このとき、中曽根氏&宮沢氏の首切りは、ご多分にもれない“わかりやすい”「小泉改革」の一環だと考えました。
藤井総裁も、能力や経営方針を問題にしたわけではなく、「小泉改革」の象徴の一つになっている道路公団総裁の首を取ることで、総選挙の出陣に大輪の花を添えようとしたに過ぎません。
影が薄い宮沢氏は正当化をはかるためのついでなんでしょうが、“老害”が一つのアキレス腱だと自己分析している政権死守グループ(=自民党)が、自民党の“改革能力”を強く印象付けるために断行したのが中曽根氏首切りだと思っています。
中曽根氏が属する亀井派は価値観や政策が異なる寄り合い所帯ですが、元々肌合いが違う亀井氏は、大勲位を楯に政治的影響力を行使しようと中曽根氏を建前では立てても、いなくなければすっきりすると考えているはずです。
南関東ブロックで中曽根氏に代わり亀井氏直属の人間が上位に置かれれば、それのほうがいいわけです。
(ついでに言えば、竹中氏を経済財政担当大臣にしているのも、彼が唱えていることを改革志向の証として利用しながら、それが実現はできないようにするためです。自民党議員であれば、大臣にはなれないような一部を除き、あのようなたわけたことを言わないので宣伝塔にはなりませんし、やるといったことをやらなければ政治的責任が問われます。竹中氏が大臣である限り、改革志向派には夢を与え、抵抗派には竹中叩きを通じた政策遅延機会が与えられます。自民党は、権力を維持するためであれば、これくらいの仕掛けはできる政治勢力です)
中曽根氏は、これまでも書いてきたように、戦後型日本を壊す路線を敷いた人物であり、利権まみれでもあったことから畳の上では死んでもらいたくない人だと思っていますが、その価値観や定見そして政策判断力ではまったくといいほど評価していません。
彼がエリート意識を基礎とした国士気取りの政治家であることは認めても、国家主義者だというのは国家主義者に申し訳ないと思っています。
彼が風見鶏と呼ばれたのは、たんなる誹謗中傷ではなく、時代的気分に寄り添ったり、自分の地位向上のためであれば無定見に言動を変えるという実態によるものです。
故田中角栄氏最大の罪は、中曽根であればいいように操れると錯誤して中曽根氏を総理総裁に据えたことだと思っています。
田中角栄氏は官僚を動かす力を持っていましたが、中曽根氏は、官僚のシナリオを演じるしか能がない人物です。
「持ち前の利口さで米国支配層に取り入」ったのではなく、官僚が用意した米国支配層お気に入りの政策を受け入れ、それをカッコよく演じただけの大勲位です。
昭和天皇はそのような中曽根氏を嫌っていたということですが、その点ではなかなかの慧眼だと思っています。
米国支配層にとって、中曽根氏は、使いやすい便利な存在ではあってもお仲間でもない使い捨ての存在です。
小泉氏も、江藤・亀井派対策で中曽根氏の顔を立てることはやっても、政治的影響力を受けているわけではありません。
中曽根氏自身が、それなりに国民の支持を受けた長期政権の主であったこと、ロン・ヤス関係と言われた米国からの覚えめでたさ、現在の国策の基礎を築いたという実績、そして、大勲位受勲者ということで、虚構の力をリアルな力と錯誤していると思っています。