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(回答先: 人民は弱し 官吏は強し 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 9 月 29 日 14:03:48)
すみちゃん、こんにちわ。
星新一氏の「人民は弱し 官吏は強し」の話が出ているので少しレスします。
後藤新平氏と結びついていた阿片栽培篤農家の子息の本のなかに、星新一氏の「人民は弱し 官吏は強し」に対する批判が書かれています。
星新一氏に対する直接的な批判というわけではなく、星一氏が、阿片栽培までを自分の手柄のように触れまわったことを軸に批判しており、星製薬のモルヒネ製造や業績低迷の経緯についても書かれています。
まず、ドイツの塩酸モルヒネ製造装置を入手した星製薬は、台湾総督府や内務省からそれほどの抵抗を受けることなく台湾にモルヒネ製造工場を開設できています。
(塩酸モルヒネの国産は正貨流出を減らしたい国策に適っていますから、誰が利権を手にするかを除けば問題になりません)
星製薬がモルヒネ製造から排除されるに至った背後には、高利潤を得られるモルヒネ製造の利権を手に入れることやモルヒネ製造で得た利益を原資に大衆薬の販売拡大に成功した星製薬の追い落としをねらう他の製薬会社の策動があったことは間違いないと思っています。
(星製薬は阿片を日本に“密輸”したカドで裁判に付されますが保税倉庫にあったものという理由で密輸については無罪になります。しかし、その過程で、自社株を台湾総督府の高官夫人たちに持たせていることも発覚し、モルヒネ製造権益から排除され、他の医薬品販売も低迷するに至ります)
星一氏も、官の力を巧く使って権益を拡大し、より大きな官と結びついた民の力で放逐されたと考えたほうが素直だと思われます。
阿片の品種改良と栽培地拡大に半生を傾けた大阪の二反??さん(本が手元にないので正式の氏名は不明)の話は、日本軍と阿片の関係を含むなかなか面白いものなので機会があれば紹介したいと思っています。