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Ddog&たこさん:「下問」制度によって事実上骨抜きにされた「いわゆる」「明治近代立憲君主制」。実質は封建的「親政」。
http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/823.html
投稿者 磐梯山の見える町 日時 2003 年 7 月 05 日 08:19:28:

Ddogさんたこさん私はこんな具合に考えてみたよ、どうかなあ。

「下問」という制度だがこれは要するにわれわれ政府はこう考えておりますが陛下はそれについてどうお考えですか、これでよろしいものなのでしょうか、というお伺いの制度ではないのか。

「立憲君主制度」は、「下問」という制度によって事実上「天皇親政」とjなっていたのではないか。少なくとも立憲君主制度と天皇親政のハイブリッド(混合)だったのではないか。明治憲法体制はこのハイブリッド型の鵺(ぬえ)のような政策決定メカニズムとなっていたのではないか。政府側と天皇側の知恵を結集するある意味で柔軟なメカニズムだが、逆にいえば、責任の所在がはっきりしないメカニズムだったのではないか。憲法制度的なものを憲法非制度的(憲法外制度:「下問」)レベルで操御していたのではないか。形式的には西洋型立憲君主、実質上は非近代的・封建的親政。日本人メンタリティー特有のファジーさが映し出された統治形態ともいえるが、天皇の権威を最大限活用する支配勢力による悪賢い仕組みであり、かつ天皇側にとっても責任を回避しやすい狡猾な支配体制。

天皇崇拝者が「天皇の英明」「慈愛あふれるリーダー」であることを訴えたい場合は「天皇親政」の引き出しを、天皇の政治責任を免責したいときは「立憲君主」の引き出しをひいているご都合主義ではないのか。


どうやら「下問」というメカニズムが曲者、トリックになっているようなのである。たこさんとDdogさんのやり取りはここが核心になっているのではないか。

天皇が「下問」という憲法に定めのない制度次元で質問をする。質問を受けた政府責任者は、当然天皇の質問の趣旨、いわゆる「御心」を斟酌する。その際の天皇語調、語気の強弱、声の大小、顔の表情(穏やかな顔か、厳しい顔か、怪訝な顔かなど)、雰囲気などから総合的に判断・推測し、自分たちの政策メニューが天皇の所望するところと一致しているかを、懸命に読むのだ。そして解読をもとに彼ら閣僚や軍部トップが、政策内容を調整していく。そして天皇の側も自分がどういう表現をすれば、彼らにどういう意影響を与えることができるか、十分計算できている。指導制を発揮する要諦・ツボ・力学を押さえている。両者阿吽の呼吸だ。「下問」の質問を通じ天皇は政府の政策内容についてイニシエイト(initiate)、フイードバック(feedback)を巧みに組み立て、実質的な指導、大枠での指導をしていたのではないか。

仮の例だが、沖縄特命の文脈で、天皇が下問で、「船はないのか。」といったとする。その際、いかにも苛立った顔つき、厳しい顔つき、切迫した強い語気だったとする。それを軍トップが、陛下はこのときにこそ大和をなぜ出さない、早く出せという意味だな、と斟酌する。陛下にこういわれては仕方がない、その方向で軍務命令を構築しよう。こんな具合で、決定が進行したのではないか。

そして責任問題が発生すると、天皇はいやそんなことは言っていない、閣僚軍部が勝手に斟酌して決めたもので私には責任はない。一方政府構成員は、いや、これは天皇陛下・天子様の御心を反映したものであって、われわれはご意向に従ったまでだ。あるいは、陛下がお決めになった勇断・英断・聖断である、そのすばらしさは陛下側の栄誉にするのでありわれわれの栄誉ではない、というレトリックを使うわけだ

天皇の憲法超越的行為の実態的な基礎はこの「下問」という非憲法的制度だったのではないか。

Ddogさん、たこさん、これでどうだろう?物事は制度的側面と非制度的側面のインターアクション(相互の条件付け。斥力・引力関係)から起きていることを常に念頭に置く必要があるのではないか。harmonious beauty of cosmic balanceさんに最近触発されたが、これなど陰と陽のダイナミクスではないか。Ddogさんは「陽」の部分だけ「表」の部分だけみているのではないか。たこさんは陰陽両方、表裏を比較的バランスよくみているのではないか。

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