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(回答先: アメリカーフセイン陰謀説について 投稿者 HINO 日時 2003 年 4 月 21 日 17:27:32)
HINOさん、レスありがとうございます。
HINOさんの「世界」には、陰謀や悪魔崇拝がほとんど渦巻いていないとお見受けしています。
それを踏まえてあまりえぐくない説明にとどめております。
>提示された陰謀を検討することは有意義ですが、証拠を示せない上での状況を読んで
>の主観的な判断は、政府側の発表を信じるより危険であると思います。
「政府側の発表を信じるより」、どう危険なのか説明してください。
(なお、科学理論も含めて、主観以外に判断はありませんので、主観だから云々というのではなく、説明(論証)内容で危険性を判断してください)
そして、大まかでけっこうですから、HINOさん自身が考える「イラク侵略戦争」の構図を示していただければ幸いです。
個々の問題も大事ですが、俯瞰的に見た総体的な評価がより重要だと思っています。
(添付している合作説の内容に対する批判でもけっこうですが、主要メディアの報道ないし米国政権の発表通りというのはご容赦ください。仮にそう思われていても、ご自身の言葉でまとめてください)
そのときに、現在なおフセイン一派の中核メンバーが拘束されていない理由も推測していただければ幸いです。(NYT紙の調査報道でも、フセインが4・9時点ではバグダッド市内にいたことは確かなようです)
フセイン一派の中核メンバーが拘束されたら、合作説は揺らぐと思っています。
※ 合作説に関する書き込み参照リスト
『「イラク侵略戦争」(中東「近代化」戦争の端緒)関係の書き込みリスト』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/1000.html )
『米国歴代政権とフセイン政権の“長期同盟関係”を読む − 「イラン−イスラム戦争」から現在の「イラク侵略戦争」まで −』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/1033.html )
『フセイン一派最後の棲家だったバグダッド北にある地上民家の映像を公開 [アルジャジーラ/CNN] − 米軍の「首狩り」作戦は創作劇画=虚構 −』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/1055.html )
『フセインが4・9にバグダッドの街中に現れたときの映像を公開 [アブダブTV−BBCニュース] − 米軍が空から24時間監視していると豪語していた状況で堂々と出現 −』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/1083.html )
>>フセイン政権中枢は、湾岸戦争以後の経済制裁のなかで、原油代金の配分が従来通
>>りにはできないという言い訳を手に入れました。
>>しかし、原油の密輸(しかも、なぜか開戦直前に報道されたように米国絡みも)や
>>国連の「石油と食糧の交換プログラム」を通じて、フセイン一派は、従来以上の経
>>済権益を手に入れてきました。
>前述の通り、フセイン一派が経済権益を手に入れたのはフセイン政権が確立している
>からこそできたことであり、政権崩壊後、国連のプログラムを通じて同様の取り引き
>の主導権を担うのは無理だと思います。
経済制裁というイラク国民の多くが生活困窮に追い込められる条件だからこそ、フセイン一派は、通常では得られない“過剰な”貨幣的富の蓄積ができたのです。
それは、フセイン一族が利息だけで贅沢三昧できる金額のはずです。
パナマやスイスの金融機関にあったとされるフセインの金融資産がきちんと追跡されて没収されたら、合作説が少しだけ揺らぐと思っています。
>フセイン政権崩壊後も国連のプログラムを通じてフセインが原油配分の決定権を持ち
>続けることは無理かと思います。
おっしゃられる通りです。
フセイン一派は、おこぼれをもらう立場になります。
>>北部地域全体が、大勢として、米英の侵略を受け入れるような態度をとったことか
>>ら、フセイン一派の姿を見かけても、手を振る人がいるくらいではないかと推察し
>>ます。
>>そのために、南部シーア派地域は困窮状況に追い込んでも、地盤地域には経済権益
>>を配分し続け、部族長など支配層にはより厚く配分し続けたはずです。
>>むろん、地盤地域にも、反フセインの人がいたはずですし、今回の裏切りで新たに
>>反フセインになった人がけっこういるはずですから、その人たちに存在を知られる
>>と密告されたり攻撃を受けることになります。
>おっしゃるとおりです。 フセインは戦争を初め、政権を崩壊させることによって、
>より不安定な生活を強いられることになるでしょう。人知れず暗殺という可能性もあ
>りえますし、軍隊を使って攻撃を防ぐこともできません。
フセイン一派が軍隊(武装勢力)を持っていないとどうして即断できるのでしょう。
イラクは部族社会が武装している国家です。ある部族社会を支配していれば、軍隊を持っていることに相当します。
また、米英政権と「合作」であれば、米英の駐留部隊や「新イラク国軍」・「新治安部隊」もフセインを庇護する軍隊ということになります。
チィクリート陥落前の不自然な戦闘や空爆をどう解釈されているのか、ご提示ください。
政権時代のいきさつや今回の戦況の推移に照らせば、フセイン一派が、ティクリートでけっこう幅広い支持基盤に支えられて生き残っていると見るほうが妥当性が高いと思っています。
南部地域に潜んでいるのなら、言われるように、「人知れず暗殺という可能性」もあるでしょう。
>>米国政権とフセイン政権が同盟関係であれば、密告されても痛くも痒くもありません。
>>地元警察から中央政府までがフセイン一派擁護者なのですから、「いないじゃない
>>か。つまらん嘘をついたから逮捕する」といって密告者を拘束することもあり得る
>>でしょう。
>>フセイン一派がティクリートで長期にわたって安全に生活できるためには、そのよ
>>うな反フセイン派をその地域から放逐する必要があります。
>>その意味では、密告者や攻撃者はそのような目的を達成するありがたい動きだとも
>>言えます。
>あっしらさんが考えるこのシナリオには同意できません。米国政権とフセイン政権が
>仮に同盟関係であったとして、フセイン政権崩壊後もアメリカがフセインを支持する
>理由はなんでしょうか?
まず、米国政権(世界支配層)は契約を重視する人たちだということを軽く見てはならないと思っています。
仮に契約を軽んじる人たちだとしても、裏切ったわけではない同盟者を裏切ったら、米国政権(世界支配層)の今後の世界戦略を現実化させていくことはできません。
他の隠れた同盟者は、フセイン一派がどうなるかを注意深く見ています。
もしも米国政権が同盟者であるフセイン一派をぞんざいに扱えば、明日は我が身だと悟ることになります。
南ベトナム政府幹部を米国に受け入れ、マルコスを米国に受け入れたように、米国政権は、それなりの信義を示しています。そのような構えがなければ、覇権を維持することもできません。
(同盟者ではなく、ただ利用しただけの個人や勢力には過酷な末路が用意されています)
>また、フセインは自分の政権を崩壊させて任せるほどアメリカを信頼しているので
>しょうか? ご存知の通り、米政権は長くても8年で新政権に変わります。ブッシュ
>政権は今期はあと2年、二期目に当選したとしてもあと6年です。前政権の政策を新
>政権が守るという保証はどこにもありません。
フセインは、米国政権というよりもっと強大な力を持つ勢力を信頼しているはずです。
米国の政権が変わっても問題がないことは、1979年から現在に至る20数年の歴史でわかっているはずです。
>>米国主導の占領支配が始まっても、フセイン一派及びそれを支える勢力には、経済
>>権益が厚く配分されることは変わらないと見ています。
>繰り返しますが、フセインが政権崩壊後も国連のプログラムを通じて原油配分の決定
>権を持ち続けることは無理だと思います。よって、仮にフセイン一派が何らかの利益
>を得たとしても、政権崩壊前と崩壊後では大きな落差があるはずです。
落差があることは間違いありません。
だからこそ、経済制裁中に過大な余禄を手に入れることを許されたのだと思っています。
制裁中のイラク原油の主要輸入国が米国であったことも「合作」を示唆していると思っています。
(経済制裁期間中のイラク原油の販売代金とそれを使った支出はこれからでも調査ができますから、それでどれくらいの金額を蓄財できたかわかるはずです)
>>■ 価値観的利益
>ここの部分の説明は失礼ながら、あっしらさんの主観的部分が多く見られるため陰謀
>説を裏付ける根拠にはなっていないと思われます。たとえば『フセイン一派は、たん
>なる強欲者ではなく、世界経済支配層の別働隊として強欲を実現しようとし、世界経
>済支配層の価値観(グローバリズム)を世界化する最後の障壁であるイスラム諸国の
>「近代化」を善なるものだとして信仰していた可能性が強いと判断しています。』と
>ありますが、なぜあっしらさんはそう思われるのか、根拠は何でしょうか?
フセイン一派がムスリムを自称しながら、自分の銅像や肖像画を至るところに飾るという偶像崇拝を平気でやっていたことが、彼らが悪魔崇拝者であると判断する一つの根拠です。(悪魔崇拝者は、神や神を信仰している人々を愚弄することに大きな喜びを感じます)
たんなる強欲者であれば、敬虔なムスリムを装って富だけ貪るほうが安全だと判断するはずです。
また、今回の「イラク侵略戦争」でも、神を語って徹底抗戦や殉教を呼びかけましたが、最後には何も語ることなく「敵前逃亡」しました。
これを命惜しさの所業だと見る人もいますが、革命と権力闘争に身を置き続けてきたフセインが、命惜しさでそのような悪魔崇拝的なことをしたとは思えません。
※ 参照書き込み
『“異様な”「悪魔崇拝」という言葉を使うわけ』
( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/156.html )
イスラム世界の「近代化」がなぜ緊要なテーマになっているかは、この「論議9」ボードにも書いていますので参照してください。
前出の『「イラク侵略戦争」(中東「近代化」戦争の端緒)関係の書き込みリスト』( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/1000.html )にもあります。
※ なお、動機に強欲がなく、価値観や理念のために国家や国民を裏切る悪魔崇拝者もいます。このような人たちのほうが、見破りにくく評価も難しくなると思っています。
『Re:貴重なご指摘ありがとうございます』(山本五十六問題)
( http://www.asyura.com/sora/bd16/msg/625.html )