投稿者 ちょっと考えること 日時 2000 年 9 月 27 日 19:19:14:
回答先: Re: 一部補足します 投稿者 転載 日時 2000 年 9 月 26 日 22:24:14:
>不可能だと宣言したらなんでも不可能になります。全てを取り締まる事は難しくても、減らす事ぐらい幾らでも出来たでしょう。被害者が諦めて行政の不備を弁護していてはしょうがありません。
不可能というのは言い過ぎでも、極めて困難なのは事実です。
再びザックリ考えると、1チームあたり500m四方を担当するのが限度でしょう。
となると、30×5kmには最低600チーム必要ということになります。
で、警備となると最低2人1組で24時間3交代制ですから3600人が最前線に
必要になるわけで、通信連絡要員も加えれば4000人は軽く越えるでしょう。
これだけの要員をまかなうだけの余裕があったかどうかは疑問です。
余裕というのは、食料や寝床、ウンコの処理だけではありません。
住民感情としても受け入れられたかが、わからないです。
「警備なんかより崩れた家を処分してよ」という感情はあると思います。
>警察はともかく、自衛隊はインフラのないところで活動する為の訓練を受けており設備もあります。国内の夜盗にすら太刀打ちできない自衛隊であったのならどうやって本物の有事に対処できるのでしょう?従ってインフラがないから夜盗対策は無理だと言えない筈です。
インフラのないところでの活動と犯人逮捕や検問は別ものと思います。
これらは自衛隊の設立目的から逸脱してます。
やってやれないことはないですが、そこまで求めるのはムチャなのでは?
ま、だからこそ行政がしっかりしないといけないわけですが・・・。
なお、自衛隊の最大の失敗は「土地勘がなかった」ことです。
どこにどんな人が住んでいるか分からなかったので、生き埋めになった人に
気付かなかったケースもいくつかあるようです。
対して、警察は土地勘はあるものの交通整理等に追われ、十分な救助活動が
出来ませんでした。
警官が「何丁目にアパートに寝たきりのオバアちゃんがいる」と言って自衛官と
一緒に確認する、なんてことが出来たら良かったのですが・・・。
ということで、たとえ自衛隊が訓練を受けていても、それは面と向かっての場合で
あって、一体どこまで期待してよいものか?
ところで、自衛隊と警官ってどのくらい仲が良いのでしょう?
それから、自衛隊なんとか法はどんなときに発令されるんでしたっけ?
発令されたら自衛官が交通整理をして、警官がもっと救助活動に専念できたのに。
ついでに自衛官も犯人逮捕が出来たのに。(←この点は非常に問題ですが)
>警備と言うものは24時間態勢の備えるのが当たり前ですのでいいわけにすらなりません。自衛隊にしろ警察にしろ幾らでも他の地域からフレッシュな人材を空輸する事は可能でした。しかも出没時間帯まで大体わかっているのならその周辺を重点的に守れば良いのですし、被災地周辺で交通整理を兼ねた検問をする事も出来た筈です。警備要員の宿舎などは当然テントか寝袋で野宿です。そんな宿舎があったのなら被災者を入れるべきでしょうから。神戸の気候なら冬でも十分野営できます。あるいは海上の船に拠点をおいて、小船を現場との輸送に使う事も出来たでしょう。
また否定的な意見で申し訳ありませんが、
・フレッシュな人材が即役に立つとは思えません。
プロではありませんが、ボランティアの方で余りの惨状に鬱状態になった方が
意外と多かったそうです。
・空輸したくても、運動場は被災者のテントで一杯でした。
西宮市民グランドが輸送ヘリの拠点になりましたが、これは非常に稀なケースです。
・出没時間がわかっていても、隠れるところだらけです。何十人もかけて追跡する
余裕はありません。そんな体力は明日の処理作業に温存させたいのが本音だと思い
ます。(1人で追跡しても逃げられるだけです。)
・宿舎が足りなくて、野宿していた被災者はたくさんいました。
自衛隊やボランティアの宿舎って意外と難しかったようです。
・芦屋のあたりでしたら、大型船舶が直接岸付けできました。だから、被災者用の
宿舎として客船がチャーターされましたが利用者は皆無に等しかったです。
理由は、自分の家から遠いから。
上記と矛盾しますが、海と被災地って意外と離れてます。
被災者の感情としては、自分の家のなるべく近くにいたいのです。
物資輸送に船舶は極めて有効と思いますが、人材の柔軟な活動拠点にするには
難があります。
>では、ちょっと考えることさんはどうやって夜盗が徘徊していたと分かったのでしょう?あなたにわかるなら警備の人にでもわかるでしょう。
被災者の依頼で来たという人間に対しては、車のナンバーや本人の免許証など身元を確認して記録を取っておけばよいでしょう。
それは、ズバリそこで24時間のほとんどを生活していたから。
近所の人ならすぐわかります。
不審者に声をかけて追い払ったこともあります。
もちろん昼間はナンバーチェックとかしました。
が、それは自分に生活者としての自信があるから。
声を掛けて、逆に相手の感情を逆撫ですることがありました。
それは、すぐ近所同士の間でも起こりました。
はっきり言って、あの環境ではすべての人の心が荒んでいます。
ポッとでの警備の人に、殺気立った人の相手が出来るのでしょうか?
(本当の生活者もいるのですからね。間違い続けたら慣れる前に自信喪失ですよ。)
そして、生活している以上は、夜盗の反撃も意識しないといけなかったです。
なにせ夜盗は神出鬼没ですが、こちらはその場から離れられないのですから。
夜は、近所の人の大半はちょっと離れた避難所に戻ります。
だから寝るときは、電気つけっぱなしで金属バット片手に寝てました。
専属の警官なんて、あの状況ではとんでもない贅沢かつ、そんな発想もあり
ませんでした。
>当時の被災者の方には夜盗やその他の事を十分に考える余裕はなかったかもしれません。それだからこそ被災地のてんてこ舞いしている自治体だけではなく国や県が積極的に防護策を講じる必要があるのです。病人に自分で自分の手術をさせますか?当時の被災地の人の落ち度ではありません。
これもズバリ考える余裕はなかったです。
さらに、被災者の中にも、すべてを失った人と残った人の間で感情のしこりが
生まれました。この感情はなかなかタチが悪いですよ。
盗まれたからといって、皆が同情してくれるとは限りませんでした。
行政がうんぬんという発想は完全に
麻痺してました。
ま、こういう心理状況に追い込まれたことを、行政が悪いと言ってしまえば、そう
なんですが・・・。
ただ、落ち度といえば、当時のマスコミはどのような報道をしていたのでしょう?
まさかボランティアの美談ばかり流していたのではないでしょうか?
石原都知事も現地視察で、やっと三宅島の惨状が分かったようなコメントを出して
います。
「なんだ、ボランティアだけで十分じゃん」といった間違った印象を与えることは
ありませんでしたか?
>本当に無力だと諦めて悟りの境地に入っているのなら、それは個人の心境ですからなんとも言えません。ただし本当に夜盗がいたのならそれはあなただけの問題ではないのですから見てみない振りをしていてはいけません。犯罪はきちんと届けるのが市民の最低限の義務でしょう。だれも届けなければ行政も気付かない場合だってあります。届け出をしないで後で夜盗がいたんだと文句を言ってもそれこそ行政が可哀相です。
ここで言うだけでも少しは違いがでるでしょうから、どのような事を目撃したり体験したのか詳しく書いてみてはいかがですか?
だから、少なくとも私は行政に文句を言うつもりはありません。
目撃したり体験したこと、考えたことについては、以前まとめたものがありますが、
どこで発表すべきか考えたままです。
>今の首相と都知事、それに都議会を許さないと思っている人も増えてるでしょうね。次の選挙でマシな人を選ぶのも一つの選択ですが、不満を伝えないと彼らだって神様ではないのですからわかりません。被災者自身がもっと行政に要求をすべきです。患者が苦しいところを正直に言わなければ医者だって何がわるいのか普通はわかりません。患者の顔を見ただけ、声を聞いただけでどこが悪いのかわかってしまう名医もいるかもしれませんが、それでも色々検査をして裏付けを取る筈です。現在の都行政はヤブ医者に相当するのですから、言い過ぎるぐらい言ってちょうど良いのだと思います。被災地の人は「甘えてる」などと言われると悔しいので我慢し過ぎてしまう傾向があります。被災地の人がほんの少し不満を漏らすようだったら、その何倍もの問題が存在する可能性があるのです。
目の前に広がる倒壊したアパート群のそれぞれに花束が添えられていました。
被災者の大半は、あの惨状を早く忘れてしまいたいと思っています。
今だPTSDに悩んでおられる方もいます。
それは「悔しいので我慢」するといったレベルではありません。
私のように、気楽に震災体験に答えられる人は多くないです。
心の傷は想像以上に深いということをお忘れなく。