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金・ドル兌換回復の衝撃 アカシックレコード 投稿者 Ddog 日時 2002 年 9 月 10 日 07:55:52:

■新ドル枢軸〜特集「米イラク攻撃と日本」(5)■
【前回の「生け贄のヨルダン」から続く。】
http://plaza12.mbn.or.jp/~SatoshiSasaki/y2002/iraq.html#05

【前回「小泉訪朝決定」のニュースに撹乱されていた筆者は「イラクがヨルダンに侵攻する」理由を1つ(米軍関係者がヨルダン国内で「対イラク出撃基地」に使える滑走路の有無を調べていること)しか挙げず、より重要な「王家の問題」を忘れていました。詳しくはこちらを参照。】

●住基ネットで財産税!?●
先日、住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)の(2002年8月5日からの、慌しい?)稼働は「財産税導入のため」という評論家・森永卓郎の説を目にした(日刊ゲンダイ2002年8月20日付=19日発売号)。

たとえば2004年4月、紙幣の新札(樋口一葉、野口英世と、福沢諭吉の改訂版)への切替えと同時に、全預(貯)金に税率が一律3%の財産税を施行。政府は1日だけモラトリアム(国内のすべての金融機関の支払停止)を宣言して、預貯金の出し入れを禁止し、さらに旧札(夏目漱石、新渡戸稲造、と福沢諭吉の従来型)の使用はこれ以後原則として(一定期間経過後は)認めないと宣言。

タンス預金を持つ国民はモラトリアムの翌日「自分のカネが使えなくなっちゃ困る」とあわてて銀行や郵便局に殺到し、旧札を両替するが、そのとき財産税を徴収され、1万円は9700円になって戻って来る。高額預金者(金持ち)が「財産税逃れ」のために預金をおろしてタンス預金に切り替えても、この新札への両替問題からは逃れられない。結局、全預(貯)金者が1人残らず「平等に」新税を徴収されることになる。

日本は個人金融資産が約1400兆円(うち預貯金・保険・年金だけで約1100兆円)(毎日新聞2001年5月30日)もある資産大国だ……と言われても、本誌読者の大部分の人は実感がないだろう(例の「女優さんあてクイズ」の応募メールの「およその年齢」は、30代がもっとも多かった)。なぜなら、この個人資産の大半は、50歳以上の方々が(老後の蓄えなどとして)持っているからだ。

上記の財産税を導入すると税率3%でも約30兆円の税収になるので、国の財政赤字(小泉内閣の決めた赤字国債発行枠は毎年30兆円)はこれでみごとに解消されるが、財政構造改革をあまり進めずに「庶民のなけなしの蓄えをむしりとる」ような新税などケシカランと思われる方も多いだろう。

が、この税の本質は資産家の隠し財産をあぶり出すことにある。「庶民でない」金持ちは、銀行や郵便局に仮名口座、借名口座をいくつも持って税務署を欺いて不正蓄財をしているが、上記の方法で課税すれば、それがすべて表に出てくるので、名義上だれから徴収するかはともかく課税は全預金者に対して「公正に」できるようになる。

加えて住基ネットの番号を使えば、個々の預金口座の本人確認(名寄せによる個々人の真の預金総額の合算)も容易になり、将来的には、預貯金など個人金融資産の総額が500万円以上なら税率4%、それ以下は2%、100万円以下は0%といった具合に(貧しい庶民に配慮した)「累進課税」も可能で、必ずしも「なけなしの預貯金」をむしりとるとは限らない。

もちろん資産家たちも、課税されてはならじ、と預貯金を引き出し、「非課税」の株や債券に乗り換え、あるいは不動産等の購入に走る……かくして株価、地価は上昇に転じ、インフレ期待(将来値上がりしそうな物は安いうちに買っておこうという心理)から個人消費や民間企業の設備投資も伸びて景気は回復。その景気回復のおもな「原資」は「あくどい金持ちの隠し資産」だから、この財産税は必ずしも悪くない。これは、小泉内閣の「デフレ無策」を批判する自民党の舛添要一、塩崎恭久らの言う「インフレターゲット」(目標率を定めて軽い物価上昇を起こして経済を回転させること)とほぼ同じ効果を持つ。十分検討に値しよう。

●日米の新札、不気味な符合●
この2002年夏に、新札への切替え決定と住基ネットの稼動が相次いだので、この説には説得力がある……と思っているうちに、筆者はふと気付いた。似たようなことは、米ドルにもあるのではないか。つまり、新札への切替えに合わせて重要な政策転換を行い、経済を一気に活性化させる……もしそんな「荒技」を米国がねらっているとしたら、それと、米国政府が(2002)年内にも開始すると公言する「イラク攻撃」とは重大な関係があるのではないか。

そう思って調べてみると、米国にも新ドル札への切替え計画があるとわかった。おもに「偽札防止」という理由で2003年後半にデザインを一新するというのだ(毎日新聞2002年3月19日)。

これで、米国も(日本の財産税と同様のドラスティックな経済回復策を取るための)最低限の条件が満たされたことになるので、可能性として近い将来の「米国の重大な政策転換」を疑うことは、そう簡単には「荒唐無稽」と切り捨てられまい。

では、その「政策転換」とはなんだろう。

●金・ドル兌換回復の衝撃●
第二次大戦では米国以外のすべての主要工業国が国土を戦場としインフラを破壊されたため、戦後の世界貿易は米国の「1人勝ち」となった。工業のみならず農業でも巨大な生産力を誇る米国は全世界から巨額の貿易黒字を稼ぎ、この「力」を背景に米国は、米ドル札を世界で唯一の金(きん)と交換できる紙幣(兌換紙幣)とし、また米ドルを基軸通貨として世界の覇権を決定的に握った。

が、やがて日欧が戦後の荒廃から立ち直り経済力を回復すると、米国相手に貿易黒字を稼ぐようになった。各国は「いつか金(きん)と交換してもらえる」と信じて貿易黒字を米ドルで貯め込んでいった。

こうした各国の貿易黒字、すなわち米国の貿易赤字の増加は1960年代に米国が泥沼のベトナム戦争に突入する頃には顕著になり、その額は、米国の保有する金の量ではまかないがたい水準に近づいていった。

1971年、当時の米大統領ニクソン(共和党)は「ある日突然」金とドルの交換を停止すると発表した。ニクソンは各国、国際機関ともなんの事前協議もせず、いきなり宣言したため、これを「ニクソン・ショック」という。いままで「いつかは金と交換」と信じて各国が貯め込んできた米ドルは「ただの紙切れ」となり、米ドルの価値は低下。金の保有量という「制限枠」のなくなった米ドルは以後(無制限に)大量に発行されるようになり、ドル・インフレは進み、以後はドルと各国通貨の交換レートが一定でない(「一定にすべく各国通貨当局が介入する」という約束のない)変動相場制に、世界の通貨体制は移行した。

とくに困ったのはアラブなどの産油国で、彼らは米ドルで石油輸出代金を世界から稼いで貯めてきたのに、その価値が急減したのだ。そこで、彼らは1973年(パレスチナ問題を単なる口実として)米保守本流グループ(中核は米共和党と、石油高騰で儲かる立場にある国際石油資本のロックフェラー財閥)と結託して「パレスチナを不当に支配するイスラエルを支持する」西側先進諸国への石油供給削減をほのめかして石油の値段を一気に4倍につり上げ、ドル・インフレで目減りした分の補填をはかった。これを「第一次石油危機」という。

米国とはなんと勝手な国だろう、と世界、とくに欧州は呆れた。こんな横暴な国に振り回されるのは御免だ、と思った欧州諸国は国家、通貨の統合を進め、EU(欧州連合)を作り、99年にはついに欧州統一通貨ユーロの導入にこぎつける(但し、英国など一部のEU加盟国は不参加)。

このユーロが、ドルに負けない世界通貨に育っていけば、もう71年のニクソンショックのときのように米国に振り回されずに済む。EU(のなかの英国を除く、独仏などの大陸諸国)はそう思って、EUを東欧にまで拡大し、ユーロと欧州経済の発展を、今日もめざしている。

もしあなたが米国の覇権国家としての繁栄を願う大統領ないしその側近なら、この欧州の態度には、当然穏やかではいられまい。現在はともかく、数十年後は米国の覇権は、EUとユーロに脅かされるかもしれないのだから。

しかし現時点では、まだ米国と米ドルのほうが強い。それならば、いまのうちに米国の強みを生かしてEUとユーロをたたいて弱くしておこうと考えるのは米国政府のペルソナ(この言葉の意味は拙著『龍の仮面(ペルソナ)』を参照)としては当然だ。外国からの借金に依存した米国経済の「借金バブル」がまだ完全にはじけていない、いまこの瞬間をとらえて、米国の覇権を決定付ける政策転換をやってしまったほうが、米国にとってはトクだ。米国には世界一の軍事力と金保有量という、欧州にはない、武器があるのだから。

71年に「勝手に」兌換を停止したため、米国は依然として世界一の金保有国だ。もし、71年と同様「ある日突然」米国が「兌換紙幣として新ドルを発行する」と発表したら、どうなるか?

たとえば、2003年9月11日、米国政府は1日だけ金融機関のモラトリアム(支払停止)を宣言して、新ドルと旧ドルの交換比率を「1:2」とするデノミネーション(通貨額面表示の切替え)をする(わかりやすくするために、その直前の円相場を1ドル=100円、1円=0.010ドルとする)。

米国民は、9月10日まで「2 旧ドル」で買っていた品物を12日から1新ドルで買えるようになるが、給与も預金も 2 旧ドルが1新ドルに読み替えられる(無料で紙幣が交換される)ので得も損もしない。

が、「旧ドル」で貿易黒字を稼ぎ米国債を購入してきた各国のドル資産の価値は1/2になる。
1新ドル=2旧ドル=200円となり、2003年9月12日以降は「1ドル=200円」(1円=0.005ドル)の超円安になる。日本は多額の米国債を購入するなどして世界にカネを貸してきた世界一の債権国だが、逆に米国の90年代、クリントン民主党政権時代の繁栄は日本をはじめ世界からの借金を原資とした「バブルな」もので、実は世界一の債務国だ。もしも上記の交換比率でデノミと新ドル導入が実施されると、日本の債権は半分になって大損し、米国の債務は半分になって米国は大助かりだ。米国経済の借金バブル体質は解決される。

もちろん、新ドルは唯一の兌換紙幣なので、その基軸通貨としての地位は磐石となり、ユーロは兌換紙幣ではないので、新ドルより劣る「二流通貨」となり、EUが米国の覇権に挑戦することは経済面ではほぼ絶望的となる。

多額の米国債を買ってきた日本はなどは、ニクソンの「兌換停止」で大損した1971年の産油国と同じ立場になるが、当時の産油国と同様、米国保守本流グループと「裏で結託」できれば、石油危機のような陰謀に乗せてもらって「目減り分の補填」をすることもできよう。もちろん、米国(共和党政権)が(日本を)陰謀に乗せるか否かを判断する基準は、米国の正義を正義とするか、つまり、イラク攻撃に賛成、参加するか、である。71年と2002年の米大統領はともに共和党員で、とくに後者の父親(父ブッシュ)は石油業界人で元CIA長官であることを忘れてはいけない。

●ドルとユーロの戦争●
2002年8月18日、米国防総省の諮問機関、国防政策委員会のリチャード・パール委員長は、米国のイラク攻撃には英国以外の(独仏などの)欧州の同盟諸国の参加を必要としない、と明言した(ロイター2002年8月19日)。

筆者はこの記事を読んだとき「(独仏の)参加を必要としない」のではなく「参加してもらっては困る」のではないか、と直感した。なぜなら、これを経済的側面から読み替えると「2002年現在『ユーロ圏』に加盟している独仏などはイラク攻撃に参加するな、参加するのはユーロ圏外の英国(とカナダ、日本?)だけでよい」となるからだ。

筆者の「新ドル導入」仮説が正しい場合、パールの言うとおりにイラク攻撃を実行すれば……テロと大量破壊兵器を広める「悪の枢軸」の一角イラクを懲らしめる「正義の戦争」に貢献した善良な国(善の枢軸?)だけが「新米ドル経済圏」への加盟を許され、その恩恵に浴し、不換紙幣であるユーロは二流通貨に転落し、ユーロ圏経済は弱体化する、という筋書きが実現する。

他方、独仏(などのユーロ圏諸国)が下手にイラク攻撃に参加して貢献してしまうと、戦後の「論功行賞」で、米国は戦勝国である独仏を冷遇するわけにはいかず、新ドル導入もやりにくい。結局ユーロの台頭は抑えられないかもしれない。

それなら独仏抜きでイラク攻撃をしよう。「新ドル経済圏」から独仏など欧州大陸を除くと市場(経済ブロック)が小さくなって困るが、英、加、日、露、イスラエル、台湾などを味方(市場)として囲い込んでおけばなんとかなる。これらの国々には米国の覇権を脅かす経済力も軍事力もないから、これらの「子分」を従えて、ユーロ圏や中国の台頭を押しつぶそう。場合によっては伊、西などの欧州親米国を抱き込んでユーロ圏を分断してもいい……J・ウルジー元米CIA長官も「フランスが反対なら反対させておけばいい(協力無用)」と明言しており(NHK-BS1『テロはアメリカをどう変えたか』2002年9月8日)、筆者には、パールの意見にはそういう背景があるように思えてならない。

●だれに「ババ抜きのババ」を引かせるか●
人類史上「すべての人の幸福」を公約(安請け合い)した思想や体制は多々あれど、社会主義を含めてすべて失敗。保守政治とは、この現実を踏まえて自分の国や仲間が「ババ抜きのババ」を引かないようにすること(できもしない理想論で一時的に人をだます「一服の清涼剤」が革新政治)。
イラクや中国や独仏にババを引かせないなら、たぶん日本が引くだろう。生き残るには、たとえ不道徳な国(米国)と同盟してでも勝ち馬に乗るべきで、正義を唱えて「負け馬」に乗るのは背任罪。

上記の「新ドル仮説」が正しければ、米国は間違いなく圧倒的な勝ち馬だ。

2002年8月現在英国民の世論の大半がイラク攻撃への自国の参加を支持しないと言っている中で、9月5日ブレア英首相は「攻撃参加」を明言した。が、この、民主主義国家の首相にあるまじき非民主的な言動は、ブレアがブッシュ米大統領からひそかに「もうすぐ新ドル圏を作るから参加しろ」と耳打ちされているから、と考えれば不自然ではない。

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