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(回答先: Re: 「信仰告白」に堕するなかれ。反対側の事実と直面せよ。 投稿者 行司 日時 2002 年 10 月 08 日 02:30:56)
書記長氏と私への両面作戦で大変でしょうが(笑)、お付き合いください。
>近代の政経のロジックを支配しているのは今日にいたるまでアダムスミスの言説です。彼は社会の構成員が「利他心」をすて、「利己心」持つことで経済活動をすることが,社会に富をもたらし,富を循環させることができる,と主張し,それまでキリスト教世界で否定されていた「利己心」を歴史的に価値的に大逆転させた人物です。資本主義のエトスは利己>心の大肯定にあります.それをエンジンとした経済制度なのです。米英の支配層は,これをアダムスミスを錦の御旗としています。従って,彼ら支配層が打出す政策や判断は,常に「利己心」=「利益を最大化する動機」によって形成される可能性が最も高い事実に着目が必要です。アメリカが戦争をしたとき,誰がいつも儲けていたのか.産軍複合体と銀行の株主である,という一貫した相関性は米英特有な者です.中東世界でイラクは民主主義体制をサウジアラビアその他の王権が支配する国々より誇っています。アメリカがサウジ王朝を軍事ないしクーデターで転覆して民主主義を持ち込まない理由は、もうおわかりですよね?カレラさんは米英のよってたつ価値基盤がアダムスミスにあること(現代経済学は過去200年完全にアダムスミスに支配されています)、「利己心」こそ社会構成員の動機として必要である,というテーゼの拘束による政策形成の論理となっている点についての,知識の補充をされることが肝要かと思われます(失礼ながら)。
>ご両者ともアメリカ信仰、大日本帝国政府信仰の域をでていらっしゃらない恨みがあり、それは、知識や情報収集の上で偏りがあることから生まれている可能性を感じます
失礼ながら私の論理構成を正確に把握しておられないようなので、箇条書きで再述します。
1. フセイン政権が米国にとっての脅威として映っているのは事実である(大量破壊兵器の開発、米国へ向けた憎悪)。
2.この脅威を排除せんとしてイラク攻撃を決意する米国の大義名分は成立する(他国は支持決議のための証拠提出などを求めることはできるが、米国の行動を阻止することはできない。逆に国際社会の理解を求める米国の行動はある面当然のことだが、最終的理解が得られなければ単独行動は主権国家として認められる
3.フセイン政権の転覆と武装解除は、イラク人民にとってフセイン政権の存続よりも良いことである。
4.米国の権益層の利害がイラク政策に影響しているであろうことは否定しない。だが、その事を理由に米国のイラク攻撃を否定するのは上記3点から考え、誤っている。
つまり、私への批判のポイントはアダム・スミスへの理解が足りない事でも、アメリカ経済支配層の腹黒さが分かっていない点でも、アメリカ万歳の教条主義に陥っている点でもなく、上気4点のいずれか又は複数を突き崩せるかどうかにかかっているのです。例えば、先進諸国間の溝を埋め難いものにしてでも、イラク攻撃絶対反対の主張を日本は提示すべきだ、中国・ロシア・ドイツ・フランスと米英に対して共同戦線を張るべくあらゆる外交努力をすべきだ、最悪の場合、日米関係がこじれてでも信念を曲げるべきではない、とまで言い切れるか、というギリギリのところが問われます。
結局のところ、行事さんは、フセイン政権打倒、イラク武装解除に賛成なのですか反対なのですか。また、条件付賛成(反対)だとしたらその条件とは何ですか。そこをはっきりお示し下さい。