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(回答先: 他国が持っている優位事項を日本人は享受できなくてもよい。>残念ながら現状はその状態ですよね? 投稿者 最大多数の最大幸福 日時 2009 年 7 月 11 日 16:24:03)
>実際に現状は、他国の地下資源は、他国のものであり、利益は資源国しか得られません。
>産まれた国・地域によって、「差別的利権構造」は、厳然と存在しています。
>そのような現実の中にあって、日本だけが「優位事項」を放棄するのは間違いだと思っています。
>優位事項を生かして、他国と貿易して、売るべきものは売って、カネに変え、そのカネで国内にないものを
>買ってくるしかありません。
これは多国間貿易のことを言っているのでしょうか。そうであれば「他国の地下資源は、他国のものであり、利益は資源国しか得られません。」
ということは一面の真実ではありますが、一面的だと思います。資源国から貿易で手に入れた資源を使って付加価値の高い製品を作り、
それを輸出して利益を得る。「利益は資源国しか得られません」ではなく、資源を輸入して製品を作り、輸出して外貨を稼ぐ。
当たり前のことですが、資源輸入国も利益を得ることができます。ですから「利益は資源国しか得られません」は間違いです。
中国は、まもなく米国を抜いて国内総生産で世界一になります。中国は莫大な資源需要を満たすため、今、必死になって世界各国、
特にアフリカの資源国にアプローチしています。石油を輸入するために、国際的非難を浴びても内戦状態にあるスーダンの政府に経済的に
てこ入れをして石油を輸入している、など。日本とはくらべものにならないほど、なりふりかまわず必要な資源を確保するのに必死です。
日本はといえば、石油のほとんどを不安定な中東に依存している状態です。中東以外の油田開発も行なっていますが、いまのところ
ものになったものはないという惨憺たる結果です。
このような状態の中にあって、日本の国際的な技術力の優位性は失われつつあります。すでに半導体開発では過去の勢いをまったく失っています。
高度な技術力が必要とされる液晶テレビの中核部品である液晶パネルの開発では、韓国との開発競争に破れ、韓国製の液晶パネルを輸入して
日本メーカは液晶テレビを生産しています。自動車ではトヨタが世界一の地位にありますが、これも将来的には韓国のヒュンダイ、中国メーカ、
インドメーカなどにその地位を明け渡すことになるでしょう。それもこれも、日本の技術開発力が低下しているからです。技術系の大学を
志望する者の割合は以前と比べて低下しています。教育制度が優れた技術者を生み出すようにはなっていないからです。
今の日本は、技術開発力の向上について長期的な将来にわたる戦略的な構想を持っているとは思えません。またアジアの新興国諸国との貿易の
進め方に明確なビジョンを持っているとも思えません。このまま国際競争に破れ、没落していく可能性が高いと見ています。