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共産「独習指定文献」廃止 サヨナラ古典思想
「宮本時代」を清算 ソフト路線定着へ
共産党指導部は十九日までに、『日本共産党綱領』やマルクスの『資本論』などの「独習指定文献」を廃止した。同文献は、マルクス・レーニン主義の代表的古典や、党が目指す革命路線について、党員に独学を義務づけた“教科書”。今年一月の党大会で「宮本(顕治・現名誉役員)綱領」とされた党綱領を四十三年ぶりに改定したのに続く、不破哲三議長主導のソフト戦略の延長線上にあり、「党の思想教育体制の歴史的転換となった」(共産党関係者)。
これで昭和三十七年に宮本書記長(当時)の独裁体制下に始まった同文献の指定制度は四十二年間の幕を閉じ、「宮本時代の清算」(共産党関係者)ともいえそうだ。
同文献の制定以来、「初級」「中・上級」の両コースで約二十種類の文献、書籍を定め、時代の流れとともに一部の差し替えを随時行ってきた。党内の中央委員会、都道府県委員会、地区委員会が各単位で開催する党学校での講師資格を与える「講師資格試験」の出題範囲にされ、党員の必読書となっていた。
最後の指定文献となっていたのは、初級コースは『党綱領』『党規約』、マルクスの『賃金、価格および利潤』、宮本氏の『党建設の基本方向』など十一種。中・上級にはレーニンの『カール・マルクス』、マルクスの『ゴーダ綱領批判』『資本論』、宮本氏の『党史論』、不破氏の『スターリンと大国主義』『ソ連・中国・北朝鮮−三つの覇権主義』など十二種。廃止に伴って同党は今後、文献を固定させることなく、随時全党に紹介していく方針。
志位和夫委員長は八月の第二回党中央委員会総会(二中総)で「情勢と理論が不断に発展するもとで、固定した『指定文献』という方式は実情に合わなくなってきた」と指摘。同党関係者は「不破指導部にはレーニンやマルクス、宮本氏の書籍、文献を指定文献から外すことで宮本色を一掃する狙いがある。党綱領や規約、不破氏の文献は今後も事実上の指定文献として残されていく」と話している。
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共産党指導部が指定文献の廃止に踏み切った背景には、旧ソ連崩壊後、「共産主義神話」の衰退が加速するなど国際社会の急激な変化により、マルクス・レーニン主義に基づく革命路線を公然かつ強制的に党員に押し付けることができなくなってきた事情がある。事実、不破氏は冷戦終結後から、レーニンの定説の「誤り」をたびたび指摘してきた。
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今年1月の第23回党大会で「宮本綱領」を全面改定し、象徴天皇制や自衛隊を当面容認する姿勢などを打ち出した「不破綱領」制定の流れに連動しており、「革命政党」のカラーを薄めることでソフト路線を定着させる思惑がある。7月の参院選で惨敗したことで、革命政党の本質を糊塗(こと)しつつ、無党派層にアピールする戦略を一層鮮明にする可能性がある。現在の革命路線は、資本主義の枠内であらゆる勢力を結集して民主連合政権を樹立、究極的に共産主義革命の実現を目指すとしている。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/20iti003.htm