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(回答先: Re: アメリカは参考にならない むしろ反面教師 投稿者 memento mori 日時 2004 年 6 月 20 日 21:33:50)
http://members.shaw.ca/canadakonogoro/column081.htm
●そういえば、ABCでカナダは医療政策が整っているが「医療の技術低下と隠蔽が問題」
「アメリカでは医療政策はないに等しく、貧しい人には不利な点が多すぎる」といっていました。
低コスト医療と高コスト医療の差別化と、病気の早期発見と個人の健康管理とをもっと引き出せるアイデアが必要だとおもいますが。
小生には、よくわからない課題です。
米国人とカナダの薬局
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カナダとアメリカの町を結ぶバスでは、お年寄りの姿をよく見かけます。カナダの親戚訪問? いえいえ、行き先はカナダの薬局です。それも、アメリカ製の薬を買いに。
ここにも、カナダとアメリカの医療事情の違いがみられます。
アメリカのお年寄りによると、「カナダでは、同じ薬が、アメリカの何分の一で買える。バスに乗って、一日がかりで出かけても、その差額は随分大きい」と言うのです。「たとえばコレステロールの薬は、倍近く値段が違うし、抗がん剤なんか、7倍もする。沢山薬を服用する人などは、月に2000ドル近く違うらしい」と言います。
病気に欠かせない薬は、普通カナダでも医者の処方箋がないと、薬局でも売ってくれません。それではどうするのかというと、まずカナダの診療所へ行って、アメリカの医者が用意してくれた病歴や手紙をみせ、医者に診てもらいます。そして、カナダ人の医者が、処方箋を書いてくれるというわけです。
カナダの薬が低価格なのは、カナダ政府の医療政策によるものです。つまり、金持であろうと貧しい人であろうと、病人は、すべて同じ水準の医療を受けられる、万人平等の方針が打ちたてられているからです。
製薬会社も、カナダ国内で販売する分については、高い価格をつけることは許されず、薄い利潤に甘んじなければなりません。もっとも、この制約も、商標登録で保護されていない一般的な売薬については、適用されていません。
カナダで販売される薬には、アメリカの製薬会社の製品が沢山あります。そして、カナダで販売する限り、アメリカの製薬会社も、低価格で卸さなければなりません。アメリカの製薬会社は、もちろんこの価格統制に反対しています。「市場の実情にあった価格こそ、新薬の開発とテストに必要なのだ」と強調します。
カナダには、1987年から価格審査委員会という政府機関があって、薬の価格を審査し、インフレーションを超えて値上げすることのないよう、監視しています。この価格審査委員会が設けられる前は、カナダの薬価は、先進諸国の中でも、2番目に高かったそうです。現在では、逆に、3番目に低い国となっています。
アメリカの製薬業界は、「カナダが新薬の開発に遅れをとっているのは、価格を統制しているからだ。政府が価格を決めるのではなくて、メーカーと顧客の市場関係で価格を決めてこそ、新薬の開発と革新につながるのだ」と論じます。そして、「アメリカの顧客がカナダの低価格を補助してやっているようなものだ」と指摘してい
ます。
しかし、アメリカの下院議員の中には、老人の経済的苦境に目をとめ、自ら老人たちと一緒にバスに乗り、カナダを訪れてみて、カナダ方式に関心をいだき始めた向きもあります。そして、「アメリカの病人が、カナダ人よりも3倍も高い値段を払わされるというのは、道義的に許されないことだ。カナダから、安いアメリカ製の薬を卸しで再輸入できるようにしよう」と、議会で働きかけています。
私も、若い頃からの不養生がたたって、高年になった今、医者から、いろいろな薬をのむように言われています。そこでよく薬局に行くのですが、処方された薬を受けとって、高と思ったことはありません。「よくこんなに僅かな料金ですむものだなぁ」と感心するのです。 65才以上になるとさらに安くなりますし、もし本当に貧しければ、政府の補助で、ただ同然になります。
アメリカの、寝たきりの老人や、関節炎でバスの乗り降りも難儀という人のことをきくと、「貧しくともカナダに住んでいる限り助かるなぁ」と考えます。たしかにアメリカほど豊かではないにしても、弱者を守ろうとする社会の仕組みが出来あがっているので、安心です。隣のアメリカの繁栄は羨ましいけれども、医療制度だけは、アメリカ式にならないでほしいと願うのです。 (終) 00/10/26