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(回答先: Re: 米国最大の病院チェーンHCA社は,テキサス州エルパソ市の2病院を買収することでその産声を 投稿者 hou 日時 2004 年 6 月 21 日 22:54:38)
houさん 資料提供ありがとうございました。
たくさん論点を挙げられてので、全部は一度にコメントし切れません。ポツリポツリですが、よろしければお付き合いください。
1.サービスが悪い例として、「待ち時間が長すぎる」。企業化で改善可能か?
>ただ、いえることは、病院に行った時に「なんで、こんなに待たなくてはいけないんだー」と思っていることです。
>大学病院にいくとそれが顕著になります。
>理由はいろいろあるのでしょうが、これが理由かなという私が思っていることと近いレポートを見つけたので参考までにあげときます。
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2001dir/n2446dir/n2446_02.htm
MGI(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート)職員の分析ですね。この資料の一応の結論(最後のパラグラフ)を引用します。
「誰でもどこでも診察を受けられる」――この点は,日本の医療制度の優れた点として評価できる。今回の分析を通して,この優れた点を変えることなく,しかも医療利用者の負担を増やすことなく,医療サービスのレベルを上げることが可能であることが明らかになった。さらに、(以下、さらなる雇用創出も可能 要約 めめんと)
MGIの分析では(ですら)、日本の現状が「変えることなく維持すべき点」として挙げられています。
みずーみさんのコメントのもありましたように、この点については米国の環境はひどいですよ。私自身、ある大手の病院グループの職員として米国で2年半暮らし、医療保険はトックプラスのものに加入させてもらっておりましたが、よっぽどの重病でない限り、「なんで、こんなに待たなくてはいけないんだー」。重大なことなら!予約!!!が必要。
企業化で改善するとは期待できません。
2.アメリカでもスイスでもイギリスでも成功 だから日本でも?
>HCAは、アメリカで成功しているという面でも考えてみてください。
>HCAは、スイスやイギリスでも病院経営をしています。
>そういった面からみると、日本もそのような分野の開発は必要では?と考えます。
>まったく、頭からHCA(持ち株経営としての病院グループの経営)を否定することできないとおもいます。
危険だと思います。持ち株会社の至上の行動指針は、「利潤を上げられることを金融市場に明示し株価をつり上げる」ことだと理解しております。これが「株式」の本質であり、HCAはそれなりに成功していると思います。このために患者に対するサービスが劣化するかどうかは問題ではありませんし、現にHCAは問題にしてこなかったと理解しております。HCAは、たとえば、地域の医療を独占し、住民が系列病院にしか行けない状況を作り出し、稼働効率を上げて「生産性」を向上させたと理解しております。
日本でこれまで病院経営を許されているのが「医療法人」のみだったことの、利害得失の吟味が不十分であると考えます。私は、ビビリなので(生活保守?)TAROさんのように米国資本の殴り込みが怖いです。
http://www.asyura2.com/0403/hasan35/msg/559.html
3.高額医療の負担をどうするか? 高額(≒先端)医療の開発経費をどう捻出するか?
命を助けることに関することを投資の対象にすると、激しいルサンチマンの温床になるのでやめたほうがいい、と思っています。既存の高額医療のコストを如何に下げるか考えることが世のため人のため。アドベンチャーさん、どんどんやってください。保険でカバーできないことは、さしあたり保険診療からはずす。募金活動して手術が受けられれば、それはそれで結構なこと。でも、シンデレラにならなければ受けられない医療を「ありがたがる」のはやめたほうがいいと思う。
自分の命を救いたい大富豪が、資産をつぎ込んで新しい技術を開発させたとします。それは結構なことです。しかし、それに利潤追求の目的で特許の網をかけることは「不公正」だと思います。たとえば、公開された手術法は、たとえ特許の縛りがあっても医師が患者に適用することを禁止できないはずです(私の希望ではなく、現行法でそうなっていたと思う。)。 これは、医療行為そのものはNon-profitであるという了解の上に成り立つことであって、株式会社の営利活動にしてしまってはその論拠もなくなるのではないでしょうか。