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■辻元事件――土井氏は名を惜しめ
辻元清美前衆院議員の逮捕で社民党党首として責任が問われている土井たか子氏が、党の会議で改めて続投宣言した。
この事件については、なぜ、いま逮捕なのかという捜査手法への疑問がぬぐい切れない。議員辞職から1年4カ月が過ぎ、解散風が吹くなかでの逮捕劇だ。社民党への狙い撃ちではないかとの思いが、ひときわ土井氏には強いのかもしれない。
政治家の刑事事件の捜査に、当局が公平を期すべきなのは当然だ。だが、そのことと、土井氏が党首としての責任を明確にすることは別である。
土井氏は辻元前議員逮捕後の記者会見で、「驚きと疑問を禁じ得ない」とし、「党の信頼回復に力を尽くすのが天命」と辞任を真っ向から否定した。
辻元前議員は不正があったことを認めたうえで、議員を辞職した。まして土井氏の腹心として秘書を長く務めた人が共犯として逮捕されたのである。土井氏が「知らなかった」といって済む話ではない。
社民党は、旧社会党以来、自民党の政治家に疑惑が持ち上がれば厳しく追及してきた政党だ。「秘書がやったことなので知らない」という態度が許されないことを、土井氏はよく承知しているはずである。
しかし、辻元前議員の問題では、社民党はひたすら弁明に終始し、党としての調査もおざなりな内容だった。
政治と金の問題に限らず、このままでは社民党が何を主張したところで説得力を欠く。小泉政権に迫ろうとする野党全体の力をそぐことにもなる。
さすがに、ほかの野党からも「説明責任を果たしたとはいえない」と、土井氏に苦言を呈する声が出た。
与党からの土井氏批判は激しい。だが、とくに自民党にとって、秘書の問題は対岸の火事ではない。社民党の不祥事の陰に隠れて自らに甘いのでは困る。
土井氏が政治の世界で果たしてきた役割は大きい。86年に女性としては初の社会党委員長になり、3年後の参院選では与野党逆転を成し遂げた。「山が動いた」と語った土井氏は輝いていた。女性の政治参加を促す強力な牽引車(けんいんしゃ)でもあった。
さっそうとして舌鋒(ぜっぽう)鋭い指導者は、細川非自民政権の下で女性初の衆院議長にも就いた。
これだけの実績を重ねた人だからこそ、ここで身の処し方を誤るべきではない。
社民党の顔である土井氏が党首を辞めることになれば、ただでさえじり貧の党が崩壊しかねないという危機感もあるだろう。だが、ここは潔く責任をとって、党の運営を後進に託すべきである。
有権者の政治不信をこれ以上助長することは、土井氏の本意ではあるまい。社民党がこれからも、政治のゆがみや不正をただすことで存在意義を示そうとするなら、まず自分を厳しく律してほしい。