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(回答先: Re: 誰か教えて: これで正式にイラク戦争参戦国になったのかな 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 4 月 19 日 13:08:50)
すみちゃん、こんにちわ。
極めて重要な問題ですが、話を簡略化するために、「イラク侵略戦争」が国際法違反の武力行使であることは脇に置きます。
(クウェート侵攻と同質の暴挙に対して安保理は、米英などになんら対抗措置を講じられなかったのですから、これまでもそうですが、戦後確立した国際秩序が明々白々として崩壊したことを意味します)
それでも現実として戦闘を含む戦争は継続しているし、これまでも今後も様々な出来事に関して、ハーグ条約やジュネーヴ条約など戦争に関する国際法の解釈が被侵略国及び侵略国の相互から提起されるはずです。
● 戦争に関してはどちらかの陣営か中立以外にはない
まず、国家間で起きた戦争に関して、国際法秩序に加わっている国家は、どちらかの陣営につくか、どちらにもつかない中立を維持するかという選択をすることになります。
中立というのもなかなか厳しいもので、部隊を派遣するしないというレベルではなく、非中立国の部隊や軍事物資の通過を武力を持ってでも拒否しなければならないというものです。一方にそのようなことを認めた国家は、中立ではなくなり、戦争当事国の反対側から敵国としての扱いを受けることになります。
日本は、米英のイラク攻撃を支持した国家ですから、その時点で、中立ではなく明確に米英侵略者の陣営についたことを意味し、イラクの敵国になったことを意味します。
空母キティーホークも横須賀を母港としてそこから出航してペルシア湾に入り、イラク攻撃に参加しています。日本が派遣した海上自衛隊のイージス艦が、イラク攻撃にどう関わったかわかりませんが、政府は、イラク攻撃を考慮して派遣したことを公言しています。
イラクが日本を攻撃できるだけの軍事力を保有していれば、イラクが日本を攻撃しても、「なんで無関係の日本を攻撃するんだ」という非難は法的にはできないのです。
● 占領支配は戦争行為の継続であり一環
米国国防総省復興人道支援庁(ORHA)がたとえ水だけを占領地域の人々に届けるだけの役割を果たすとしても、それは、イラクに対する戦争行為の一つであるということです。
戦争を殺し合いや破壊だと考えるのは、戦争の本質を無視していると言う以前に、国際法を知らないことになります。
法的な意味が問題なのですから、占領支配が戦争行為の継続であり一環であるという理解が必要です。
占領支配の法的根拠は、戦争関連国際法以外にはないのです。
一般国民であれば印象論で評価することも許されますが、国家(政府)が、国際法を知りつつ、国民をごまかす為に嘘をつくことは重大な犯罪です。
● 受け入れ主体がないイラクで米英が占領行政を行なう法源はハーグ条約
占領支配には二つのかたちがあります。
ひとつは、先の大戦の日本のように、政府が条件付き降伏に同意して占領支配を受け入れるというものです。
被占領国の政府が受け入れた占領支配であっても、それが戦争行為の継続であることは変わりません。戦争の形態が変わっただけの話です。
それまで戦闘に参加しないどころか中立を維持していたとしても、占領支配に参加した時点で、その国家は、被占領国に対する戦争に参加したことになります。
もう一つが、今回の「イラク侵略戦争」のように、政府が“敵前逃亡”したため降伏もないまま、戦争に勝ったと勝手に宣言して占領支配をしようとしているものです。
今回の「イラク侵略戦争」は、米英政権が戦争は終わったかのように喧伝しているだけで、一方が戦闘行為を放棄して占領支配を受け入れた日本の場合と違って、戦闘行為も継続しています。
このような状況で占領支配を行なう法的根拠は、ハーグ条約(陸戦規定)に求められます。
他国領土のある地域を軍事的に支配した国家は、その地域の秩序や生活条件を維持する義務を負います。(そのために徴税したり動産を活用することが認められています)
このような戦闘行為さえ継続している状況で相手国が占領支配を受け入れていない状況の戦争当事国の一方に民生だけを担当するとはいえ人員を派遣することは、戦争への参加(参戦)以外のなにものでもありません。
日本政府の米国国防総省復興人道支援庁(ORHA)への人員派遣は、明白な参戦行為なのです。
>次は内閣法制局の判断について。
>前回1980年くらいに占領行政期間への職員派遣が国内で問題になったことがあり
>ました。
>このとき、内閣法制局は、占領行政期間への職員派遣は参戦と判断したそうです
>(東京新聞の受け売りです)。
国際法の解釈としてそれ以外には考えられません。
>今回は、内閣法制局は(すいません、東京新聞が手元にないのでうろ覚えですが)、
>以下のように言っていたそうです。
>日本は交戦国ではない上、民生にかかわるものであり、この民生行政が軍事行使から
>の一体性がないので、参戦行為とはいえないという趣旨だったと思います。
ハーグ条約を読めば、民生も、戦争を通じた占領地に関わる戦争行為の構成要素であることがわかります。
交戦国という概念を直接的な殺し合いに参加したかどうかという問題に矮小化するのは、国際法を無視した嘘の説明です。
>内閣法制局は,あの、頭は大丈夫なんでしょうか?
頭は大丈夫でしょうが、心が腐っていることは間違いありません。
開戦前に、今回の戦争は「大決戦」なのだから、対米追随(日米同盟)が至上命題だと言うのなら、国際法違反のイラク攻撃を支持するだけではなく、憲法にも違反して自衛隊も送ったらどうだと挑発しました。
そのようなことを書いたのは、「中東「近代化」戦争」が今後の世界史を決定付けるものだということを示したかったことと、自分が属する国家である日本が、国際法的にどのようなことを行なっているかを国民がわからないままイラク攻撃に参加する危険性を問いたかったからです。
米英のように国際法違反の愚劣な虐殺戦争に堂々と踏み切るか、フランス・ドイツ・ロシア・中国などのように正論で反対するかが、まともな国家の採るべき道です。
(たとえ、反対する諸国が利権絡みでそのような対応をしているにしてもです)
デタラメ・嘘・姑息な説明を駆使して、国際法違反の愚劣な虐殺戦争を行なっている米英を支援し、さらには占領支配を通じて参戦までしようとしながら、国民には日本はイラク戦争とは無関係だと言い張っている日本政府は、最低の連中に支配されていると断言します。