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(回答先: フリードマン氏への質問状 投稿者 理佳子 日時 2003 年 3 月 08 日 13:13:11)
理佳子さん、レスありがとうございます。
「経済学」理論が設定モデルを前提とした傾向的説明体系であることやあなたが使っている概念がデタラメだということだけを指摘すれば済むと思っていますが、それを含みつつ、レスの内容について対応します。
>>マネタリズムが、経済事象説明理論や経済政策として、
>>限定的国民経済条件でそれなりの適合性を持っている理論であることを認めています。
>世の中の人が全員善人になって不正をしなくなっても、
>アクシデントに対応出来ないから、やっぱり使えないと思う。
経済理論は、それほどの頻度ではない不正やアクシデントを捨象して成り立っているものです。
経済理論は、現実の経済活動をモデル化し、活動主体がどういう要因で動き、ある活動主体がある動きをしたときに他の経済主体や全体(国民経済)にどういう影響を与えるかを説明するものです。
それも、必然としての説明ではなく、蓋然性を説明するにすぎません。
端的に言えば、ある経済的変化が、経済主体にどのような傾向的変化をもたらし、国民経済としてどのような傾向的変化をもたらすことになるかを考察するためのものです、
「やっぱり使えないと思う」のは構いませんが、なにも手掛かりがないよりはましなので、こういうことをすれば、こういうことになれば、経済は傾向(蓋然性)としてこうなる可能性が高いという見通しをするためにあるものです。
>>マネタリズムは、“第一次石油ショック”を契機に発生した「スタグフレーショ
>>ン」状況で脚光を浴びた理論です。
>>脚光を浴びたわけは、それにより、需要増大=インフレを通じて完全雇用を実現す
>>るとしたケインズ理論に大きな疑問符が投げかけられ、それに代わる理論として急
>>浮上したからです。
>不正や横領や帳簿操作に着目しない経済論は、どっちもどっちで、
>話半分に聞き流しとけばいいんじゃないの?
>だって、その理論が正しいから聞いてるわけじゃなくて、
>後日騙されている人と会話する時、予備知識として知っといた方がいい程度だから。
>それに、それを生業とした場合でも同じ。
>『帳簿操作』を実践していると言ったら仕事にならないけでど、
>『マネタリズム』を実践していると言えば聞えがいいでしょ?
「スタグフレーション」状況でマネタリズム理論が受け入れられたのは、「大恐慌」から1970年代までの経済事象変化をうまく説明していることが認められたからです。
マネタリストがどういう思いでマネタリズムを学んだり信奉しているかはわかりませんが、マネタリストの思いとマネタリズムの現実適合性(もちろん歴史限定的)は別の問題です。
>↑これって。単純に『彼が挫折した。』という意味では正しいが、
>彼が問題の核心(=世の中には帳簿操作や不正や横領が存在する事)に気がついたか?
>と言う話になると別だよね?
>フリードマン氏が、『帳簿操作や不正や横領』という
>フリードマン氏は日本の接待という制度を目の当たりにしたら気が狂うと思うよ?
あなたが冷静に考え確認すべきことは、「帳簿操作や不正や横領が存在する」のは日本だけではないという現実です。
どちらがひどいかという量的問題は別として、「帳簿操作や不正や横領」は、米国・英国・フランス・ドイツなどどこの国にも存在するのです。
あなたはそれが日本固有の問題であるかのように考えていると推測していますが、その問題は世界共通の問題です。
ですから、その問題をもって、日銀の予測値と現実のマネーサプライ増加率が一致するという根拠には使えないということです。
「
『どうして、君達は利益について話を煮詰めない!!!!』
『どうして、君達は取引の時、話し合いをしないんだっ!』
『どうして、君達は商品を見ないんだ!』
『どうして、君達はそんなメチャクチャな見積もりを出すんだ!』
『どうして、君達は酒ばかり飲んで商品の話をしないんだ?』
『どうして、君達のガールフレンドの世話を取引先がしてるんだ?』
『どうして、そのデート代をさらに別会社が持ってるだ?』
『どうして、銀座での飲み食いが経費で落とせるんだ?』
『どうして、こんな不確定要素天子盛な国なのに、この国だけ俺の理論が成功してるんだ!』
『誰か、答えてくれええぇぇぇぇぇ!』
」
こんなことは、前述した経済理論の現実適合性を脅かすものではありません。
きちんと分析しきちんと思考して論理を組み立てれば、指摘されている現実を反映した予測関数や説明体系ができあがるのです。
>日本はマネタリズムが登場する前から、
>帳簿操作で経済の舵取りと経済の指標となる統計数値発表をして来たから、
>マネタリズムが成功したようにみせかけるのは造作もなかった。
具体的にどういう「帳簿操作」を行っているのか指摘してください。
マネタリズムが登場する前から、中央銀行がマネタリズム的手法で金融政策を行っていたのは事実です。
なぜなら、マネタリズムは、基本的に、中央銀行や商業銀行のマネタリズム的活動で起きる経済社会の変化を認識することを通じて出来上がったものだからです。
>>● 日銀のマネーサプライ目標値と現実のマネーサプライ増加率の一致性
>>日銀だけがマネーサプライ目標値と現実のマネーサプライ増加率の一致性実現に大
>>成功を収めたのは、別に「不思議な話」ではありません。
>>結論的に言えば、かつての日本経済は、ベースマネー増加率とマネーサプライ増加
>>率の相関度が高かったからです。
>そういう素材(=状況)が活かせる料理法(=計算式)を選んだんでしょうね。
同じ素材(=状況)が活かせる料理法(=計算式)を継続的利用して、予測現実一致性を長期に達成したら、見事と言える優秀な中央銀行です。
>その資金を餌に、あるいは窓口指導による融資引き上げの脅しをネタに、
>ドンブリ勘定の辻褄合わせを各界に強制出来た。
>つまり、マネタリズムそれ自体が成功した事なんか一度も無いのだよ。
> @ドンブリ勘定で護送船団が経済の指揮を取る。
> Aその辻褄合わせの帳簿操作
> B『信用創造』と『融資引上』を使い、各界に、統計数値の数合わせを強制。
> Cで、それら帳簿操作にマネタリズム・テイストをフレーバーし、発表。
「Aその辻褄合わせの帳簿操作」を除いてほぼ同意します。
ここまでわかっているのなら、90年代中期からそれができなくなったのかを考えてください。
そうすれば、かつての日銀が予測現実一致性を誇ってきたわけがわかると思いますよ。
「ドンブリ勘定」・「辻褄合わせ」といった、言葉そのものに価値判断(色)が付いている形容句をあまり使われないほうがいいですよ。
「ドンブリ勘定」とは具体的にどういう勘定の仕方なのか、「辻褄合わせ」とはどういう齟齬をどのような方法で始末をつけることなのかと説明することをお勧めします。
>>ベースマネー増加率とマネーサプライ増加率の相関度が高く、
>>紙幣発行残高(ベースマネー)を自由に調整できるのなら、
>>紙幣発行残高を決めるのは日銀ですから、マネーサプライ目標値と
>>現実のマネーサプライ増加率が一致性が高くなります。
>>(なぜ、ベースマネー増加率とマネーサプライ増加率の相関度が高かったのかは、
>>現在の「デフレ不況」を考える上でも重要ですから、じっくり考えてみてください)
>『紙幣発行残高』←日銀が実際に調整した数字と発表された数字に全く違いが無いという
> 性善節的前提であなたは話を進めているから騙されちゃうのだよ。
疑うことは重要ですし、すべてを正しく公表しているとも考えていませんが、「日銀が実際に調整した数字と発表された数字」にいつどういう違いがあったかを示してください。
また、マネーサプライのデータに関しては、日銀だけではなく商業銀行の報告も影響を与えますから、日銀だけの“操作”では食い違いが生じますよ。
>>「円の支配者」という本の著者は @日銀は「信用の区分」がおかしいとか
>>A日銀は「信用の定義」が不正確だと言っているそうですが、
>>そうであっても、ころころ変えるわけではなく、
>>同じ区分や定義が継続的に使われているのなら、
>>マネーサプライ目標値と現実のマネーサプライ増加率の一致性には影響を与えません。
>↑何コレ?
>言い換えれば、同じ区分や定義が継続的に使われているのなら、
>定義や区分をコロコロ変えても構わないという話になる。
日本語の読解力に難があるようです。
「同じ区分や定義が継続的に使われているのなら、定義や区分をコロコロ変えても構わない」というあなたが書いた文章をもう一度じっくり見直してみてください。
>>日銀が『信用創造』の機能を独占しているわけではありません。
>>商業銀行も、『信用創造』の機能を持っています。
>>これは日本に限らず、近代経済システムを採用している国はどこでも同じです。
>↑これは誤っています。
>日銀は『信用創造』の機能を独占しています。
>窓口指導という形態で一般銀行に指示を出しています。
>で、逆らう銀行に、日銀は問答無用で貸し剥がしが出来る。
>これを独裁とか独占と呼ばずしてどう呼ぶ?
>日銀職員が一般銀行に行く時なんか大名のおなりみたいだよ?
>30才前後の青二才に白髪混じりの一般銀行幹部がへーこらする図なんか珍しくない。
日銀が大局的に『信用創造』を制御できることやしていること、そして、あなたのような価値判断的評価がそれなりの妥当性を持っていることは認めますが、日銀が商業銀行の個別貸し出しを管理していると考えているのですが?
そして、あなたが言う意味での「『信用創造』機能独占」や「独裁とか独占」は、日銀に限らず、世界の中央銀行が共通して持っている力です。
>>「日銀が景気を操作する事」というのは金融政策そのものですから、
>>それで、「実際のマネーサプライの伸び率が数合わせをされている」としたら、
>>極めて優秀な中央銀行ということになります。
>↑そりゃ、独裁政権の不正帳簿操作発表は素晴らしい!
>と言ってるのと同義だって。
繰り返しになりますが、日銀という「独裁政権の不正帳簿操作発表」の実態を具体的に説明してください。
それを基に、それが現実のマネーサプライ増加率を歪めるほどのものか判断します。