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(回答先: 仏大統領選：シラク大統領と極右のルペン党首による決選投票に［毎日新聞４月２２日］ ( 2002-04-22-11:10 ) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 22 日 11:34:59)
【パリ福島良典】
２１日の仏大統領選挙第１回投票で極右政党「国民戦線」のルペン党首（７３）が、本命だった社会党のジョスパン首相（６４）を破り決選投票に進出、仏政界に「激震」（オブリ前雇用相）が走った。極右の突出は仏指導部に対する一部国民からの「異議申し立て」だ。背景には、移民流入や欧州統合進展に伴う仏社会の変容がある。
フランスのイスラム教徒は１９１３年にはわずか約５０００人にすぎなかったが、現在では約５００万人に急膨張。カトリック（約４３００万人）に次ぐ第２の宗教勢力に成長している。人口増に伴い、イスラム系移民は独自の文化・宗教空間を形成、政教分離や平等など仏社会の原則との間で摩擦が生じるケースが出始めている。
他の欧州諸国と比べれば仏社会は移民の受け入れに寛容だ。しかし、少年犯罪を含めた近年の治安悪化を受け、国民の一部には、犯罪増加の原因をイスラム系移民の拡大と結びつけて考える風潮が生まれている。移民流入の弊害を説くルペン氏の主張はこうした国民の危機感を捕らえた。
一方、今年１月の欧州単一通貨ユーロ流通など欧州統合の進展でフランスの国家主権は一段と制限されている。指導者は欧州連合（ＥＵ）の政策に手を縛られ、裁量権を狭められているのが実情だ。シラク大統領、ジョスパン首相は３月中旬のＥＵ首脳会議で電力自由化を渋々受け入れ、反グローバル運動家から「弱腰」との批判を受けた。
パリ在住の１８歳と２０歳の女性２人組は２１日、「シラク大統領でもジョスパン首相でもない候補に投票した。これまでの２人の行動に満足していないからだ」と話した。出版社勤務の男性（２９）は「既存の大政党の候補には私の考えに合う人物がいない。異議申し立ての意思を込めて投票した」と語る。
ルペン氏は２１日夜、「欧州グローバリズムに破産させられた産業の労働者、治安悪化の犠牲者」に結集を呼びかけた。欧州統合と移民流入の被害者に照準を絞った選挙手法であり、６月の仏国民議会（下院）選挙などに波及効果を及ぼしそうだ。
移民排斥などを掲げる政党「国民戦線」
【パリ福島良典】
仏大統領選決選投票に進出を決めたルペン氏は１９７２年、「民族右派勢力を結集する」狙いで、移民排斥などを掲げる極右政党「国民戦線」を創設した。
当初は得票率１％に満たない弱小政党だったが、８４年の欧州議会選挙で１１％を獲得、共産党と同数の１０議席を得た。８６年の国民議会（下院）選挙では比例代表制の利点を生かして３５議席を獲得するなど党勢の拡大に成功した。
９９年には国民戦線のナンバー２だったメグレ氏がルペン氏に造反し離党、新党「共和国民運動」を旗揚げした。その後、党勢衰退が指摘されたが、ルペン氏は党幹部の入れ替えなどで立て直しに着手。大統領選挙運動の本格開始と共に支持を伸ばしてきた。
ルペン氏は１９２８年６月２０日、ブルターニュ地方モルビアン県生まれ。当初は軍人を志し、５０年代にインドシナ、アルジェリアに駐屯した。
５６年、下院議員に初当選。８０年代には欧州議会議員、下院議員などを歴任した。だが、９７年の総選挙での社会党候補に対する暴力事件が原因で欧州議会議員などの資格を失った。
大統領選挙には７４年、８８年、９５年に出馬。９５年には第１回投票で得票率１５・１％を獲得した。４回目の挑戦となる今回は（１）ユーロ脱退についての国民投票の実施（２）すべての不法移民の即時国外追放――などを公約に掲げて戦っている。
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