(回答先: 極左反グローバリストと殆ど 投稿者 ヒヒヤング 日時 2002 年 4 月 22 日 12:50:10)
【パリ22日坂井政美】
フランス大統領選挙で、極右政党のルペン党首が左派のジョスパン首相を破り、保守のシラク大統領と決選投票に残ったことは、昨年から続く欧州政界の右派優勢の流れに乗ったものとも言える。
右派勢力は、各国の左派・中道勢力が推し進めてきた欧州統合・拡大路線に対する反動として、経済グローバル化や移民受け入れに反対する「自国民優先」主義を掲げ、台頭してきた。一九九九年のオーストリア総選挙で極右・自由党が連立政権入りしたのをはじめ、イタリアでは欧州統合に距離をおくベルルスコーニ政権が誕生。昨年のデンマーク、今年三月のポルトガルの総選挙でも左派は政権を失った。
国境をなくし、人や物の流通を自由化する経済統合は当然、痛みも伴う。特に、安い労働力の流入は失業の拡大につながる。フランスではここ数年、都市近郊の治安悪化や凶悪犯罪の急増で国民の不安が増大。さらに昨年の米中枢同時テロ以降、イスラム系住民に対する偏見も強まっている。「移民や外国人の増加が諸悪の根源」とするルペン氏の論理は単純で分かりやすい。治安や雇用対策で、国民が納得できる対策を示さなかったジョスパン政権はしっぺ返しをくった格好だ。
東方拡大を目指す欧州連合(EU)加盟各国では、推進派の中道左派と、自国民重視の右派勢力とのせめぎ合いがさらに強まることが予想され、六月のフランス、九月のドイツの総選挙が今後の欧州の針路を見定める試金石となりそうだ。