(回答先: 仏大統領選、極右ルペン氏が決選進出〔日本経済新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 22 日 11:42:29)
フランス大統領選は21日、第1回投票があった。即日開票で、右派「共和国連合」(RPR)のシラク現大統領(69)、極右政党「国民戦線」(FN)のルペン党首(73)がそれぞれ1、2位となり、5月5日の第2回投票は両氏の対決となることが決まった。極右勢力の決選投票進出は58年の第5共和制発足後初。3位の社会党のジョスパン首相(64)は引退を表明した。
海外県などを除く仏本土での仏内務省の最終集計では、シラク氏が19.7%、ルペン氏が17%。国内すべての世論調査で2位と予想されていたジョスパン氏は16.1%。
選挙人登録した有権者の投票棄権率は69年の22.4%を上回り、第5共和制発足以来最高の約28%となった。都市部での投票率の低さが、若者や知識層に支持の高いジョスパン氏に不利に働き、年配者が多い支持層を手堅くまとめたルペン氏が相対的に浮上したと推測される。
ジョスパン氏は21日夜、「右派の扇動と左派の分裂が今回の事態を招いたが、責任は私にある」と敗北を認め、大統領選後の政界引退を表明した。社会党など左派の指導者のほとんどは決選投票でルペン政権の誕生阻止に回るよう呼びかけている。
ルペン氏は「この結果は2人(シラク、ジョスパン両氏)の体制派の失敗を意味している。決選投票の行方は、わが国を覆う退廃をうち払おうとする国民の意思にかかっている」と話すとともに、欧州統合への反対姿勢を改めて強調した。
ルペン氏はインドシナ戦争、アルジェリア戦争に従軍した後、72年に国民戦線を創設。84年欧州議会議員に当選した。大統領選は今回が4度目の挑戦。95年に15%余りを獲得したが、98年に党が分裂。党勢回復に苦しみ、今回も当初、届け出に必要な500人の地方議員らの推薦署名集めが順調に進まず、立候補断念も取りざたされたほどだったが、終盤になって支持を回復した。
シラク氏は決選投票進出について「人権や国民の結束を守るために結集してほしい」と訴え、左翼支持層にも合流を呼びかけた。
21日夜に実施された緊急の世論調査によると、シラク氏支持が78%で、ルペン氏は22%にとどまっている。
欧州統合に反対し、移民排斥を訴える候補の躍進は国内外に衝撃を与え、フランスの外交的地位にも影響するとみられる。
ルペン氏の躍進を受けて、21日夜には早くも抗議デモがパリ市内で組織された。ユダヤ人やイスラム教徒の団体、人権組織も反対行動を呼びかけ始めた。
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<フランス大統領選>
国民の直接選挙によって選ばれる。有効投票数の過半数に達した候補が当選。どの候補も過半数に達しなければ、上位2候補による決選投票が実施される。任期はこれまで7年だったが、憲法改正によって今回選出される大統領から5年になる。(11:10)