(回答先: イスラエル軍、自治区近郊に戦車集結 大規模攻勢の構え(朝日新聞) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 29 日 10:59:48)
【エルサレム29日=当間敏雄】
イスラエル軍は29日未明、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマッラに侵攻、戦車部隊がアラファト自治政府議長が執務する議長府を包囲した。イスラエル軍による議長府包囲は初めて。同国中部ネタニヤで27日発生したパレスチナ過激派ハマスによる自爆テロへの報復として本格的軍事作戦に着手したものとみられる。
ロイター通信などによると、ラマッラにはイスラエル軍戦車約30両が侵攻、またブルドーザーが議長府の周囲の外壁を破壊し始めたという。パレスチナ側との銃撃戦で、パレスチナ人警官10人が負傷した。自治政府のアベド・ラボ情報相は同通信に対し、「作戦は議長個人とパレスチナ指導部全体を標的にしたものだ」と語り、イスラエルを激しく非難した。
アラファト議長はこれに先立ち28日夜、ラマッラで記者会見し、イスラエルとの即時停戦に応じる用意を表明したが、同国のシャロン政権は議長発言を無視、同深夜の緊急閣議で報復実施を決定した。イスラエル放送によると、「作戦は長期で大規模なものになる」見通しで、シャロン首相は閣議で議長の追放を主張したとの情報もある。
イスラエル軍の報復開始で、米国の停戦調停は絶望的状況となり、パレスチナ情勢は再び緊張局面に突入した。
議長は会見で、「テネット(米中央情報局長官の)停戦案の即時無条件での履行の用意をジニ米特使に伝えた」と明らかにした。議長の発言はイスラエルの軍事作戦けん制を狙ったものとみられるが、イスラエルのギシン首相顧問は同夜、米CNNテレビに対し「この種のアラファトの声明にはうんざりしている。まず自分で作り出したテロ組織の解体が先だ」と批判。イスラエルは今月中旬からのジニ調停にあわせ、テロに対する報復作戦を自制していた。
(3月29日13:31)