(回答先: イスラエル首相、アラファト議長を「敵」と宣言〔朝日新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 29 日 22:09:01)
イスラエル軍は29日朝、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラに侵攻し、アラファト自治政府議長が滞在中の議長府施設に戦車などで全面攻撃を加え、施設内に突入した。
イスラエル放送によると、激しい戦闘でパレスチナ側は6人が死亡、20人以上が負傷。軍も将校1人が死亡し、4人が負傷した。議長本人は無事。
27日夜のイスラエル中部ネタニヤでの自爆テロへの報復作戦。イスラエルのシャロン首相は29日、記者会見し、アラファト議長を「敵」とみなし「孤立化させる」ことを閣議決定したと発表した。さらにパレスチナ側のテロに対する大規模な軍事作戦の開始を宣言した。
イスラエルが全面攻撃に踏み切ったことで、ジニ米中東特使が今月中旬以来続けてきた停戦調停は完全崩壊の瀬戸際に追い込まれた。議長は絶体絶命の窮地に陥った。28日のアラブ首脳会議で包括和平案が採択されたばかりの中東和平は、一転して極めて重大な危機に見舞われている。
イスラエル軍の攻撃に先立つ28日夜、アラファト議長はイスラエルとの即時停戦に応じる用意を表明。ジニ特使にこの意向を伝えたという。だがイスラエル側は「声明には飽き飽きだ。言葉ではなく行動で判断する」(ギシン首相報道官)と議長を批判した。
全面攻撃を受け、アラファト議長はカタールの衛星テレビ、アルジャジーラとの電話インタビューで、「パレスチナ人は誰一人としてこの侵略には屈しない」と徹底抗戦を強調。米国に緊急介入を要請していることを明らかにした。
シャロン首相は会見で、予備役兵2万人を招集すると発表。「議長孤立化」の説明は避けたが、外部との接触を完全に絶つ方針とみられる。「孤立化」は「現時点での措置」としており、今後事態の展開次第では、イスラエルが議長の追放を図る可能性もある。首相は自治区再占領の決定はないと語った。
軍は同日午前、ラマラに外出禁止令を敷いた。議長府施設周辺には数十台の戦車などが展開。ブルドーザーで周囲の壁を破壊し、戦車の砲撃で施設の一部が炎上した。軍部隊は施設内の建物2棟を占拠した。(共同)