(回答先: イスラエル軍、議長府包囲(読売新聞) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 29 日 13:30:47)
【エルサレム29日=当間敏雄】
ヨルダン川西岸パレスチナ自治区の中心都市ラマッラに侵攻したイスラエル軍は29日、アラファト自治政府議長の執務する議長府を包囲、戦車などを敷地内に突入させ一部施設を占拠した。戦車の砲撃で施設の一部が炎上したという。
シャロン・イスラエル首相は同日朝の記者会見で議長を、イスラエルに対するテロ連合を組織した「敵」と呼び、「議長を隔離する」閣議決定を下した、と明らかにするとともに「テロ組織を末端まで破壊するため行動する」と大規模軍事作戦の発動を宣言した。
イスラエル放送などによると、侵攻部隊は、パレスチナ治安部隊と銃撃戦となり、少なくともパレスチナ人5人が死亡、20人以上が負傷した。イスラエル兵1人も死亡した。議長本人は無傷と伝えられる。
作戦は、単なる過激派掃討の域を超え、アラファト議長個人や自治政府を徹底的に追い詰める様相を強めている。議長は「パレスチナを勝利へと導く」と宣言し、パレスチナ住民に徹底抗戦を呼びかけた。自治政府のエレカト地方行政相は「イスラエルは全面戦争を宣言した」と非難した。
イスラエルは、今月中旬にジニ米特使がパレスチナ側との停戦調停を開始して以来、軍事作戦を自制してきたが、27日、イスラエル中部でイスラム原理主義組織による自爆テロが発生、イスラエル人21人の死者を出す事態となり、これを受けて軍事作戦を再始動させたものだ。ジニ特使の停戦調停は頓挫した。28日には、ベイルートで開かれていたアラブ首脳会議がアブドラ・サウジアラビア皇太子の包括和平案をアラブの統一案として採択したばかりだった。
シャロン首相は会見で予備役2万人の緊急招集を発表、今回の作戦が長期にわたることを示唆。会見に同席したベンエリエザー国防相は、「議長に危害は加えない」と言明した。
エルサレム市内のスーパーマーケットでは同日午後、自爆テロが発生、犯人を含め少なくとも2人が死亡。パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ系の「アルアクサ殉教者旅団」が犯行声明を出した。また、エルサレム旧市街の聖地「神殿の丘」(イスラム呼称=ハラムアッシャリフ)では、金曜礼拝後のイスラム教徒がユダヤ教聖地「嘆きの壁」に投石したため、警官隊が突入し一時、騒乱となった。
(3月29日21:56)