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(回答先: 議論欄が調子悪いのでこっちへ、と。 投稿者 朝日新聞は何を考えているのか。 日時 2002 年 11 月 07 日 09:29:43)
「朝日新聞は何を考えているのか。」さん、こんばんわ。
西尾幹二氏の論調は「朝生」などを通じて少しは見聞きしていますが、バブル崩壊間際に論議が沸騰した「単純労働者の受け入れ」に強く反対していたことには敬意を表していましたが、その他についてはある層が考えている内容を知る灯台のような役割だと考えながら意見を拝聴しています。
朝日新聞は、論理性を欠如したまま薄っぺらい近代理念に基づいて書いた記事に反吐が出る思いを感じています。
今日の昼に放送されていたテレビ朝日の「ワイドスクランブル」で経済評論家の波頭氏が、「(一時帰国した)5人は外交の道具になっている」、「曽我ひとみさんは、あっちではなく日本が抑え込んでいるようなものだ」、家族会の増元氏の曽我さんの心が揺れ動いたら家族会が説得するという内容のビデオを受けて、「政府は国益のために動くものだから、家族会は拉致被害者のために動きべきだ。曽我さんを説得するなどというのは、それこそ洗脳だ」と語っていました。
波頭氏の雄弁な主張に、回りにいた人たちは声もなく黙っていましたが、私は波頭氏の主張の多くに共感します。
西尾氏の主張に沿って少し意見を述べます。
● 西尾氏は「朝日新聞」ではなく小泉政権を非難すべき
西尾氏は非難の的を外しています。
小泉政権は、日朝交渉を継続し、ピョンヤン宣言の内容を履行することを内外に表明しています。
西尾氏は、「今日本がとるべき政策は、金正日体制に経済協力をせず、拉致問題と核問題を解決することで、国交正常化をすることそれ自体ではない。経済協力はポスト金正日体制へ向けてなされる戦略を立てる必要がある。そのためには起こり得る対イラク戦争後の米国の意向がすべての鍵をなす」と主張しているのですから、朝日新聞ではなく、金正日体制の北朝鮮への経済協力を表明している小泉政権を激しく非難すべきです。
西尾氏は「北朝鮮が他の自由な国と同じ法意識や外交常識をもつという前提で、この国と仲良くしようという無警戒を示すことは、日本側の結束をこわし、北の作戦を助けることだが、一つの意図をもってそれをやっているマスコミがある。朝日新聞投稿欄「声」である。」と主張していますが、それは、朝日新聞投稿欄「声」だけではなく、ピョンヤン宣言に署名した小泉首相そのものにも適用できるものです。
たかだか一介のメディアである「朝日新聞」と国家権力の頂点に立っている小泉首相のそれぞれの罪を比較したとき、どちらがより重罪であるかは自明です。
● 西尾氏は拉致被害者やその家族に犠牲を訴えるべき
西尾氏の主張に従えば、拉致被害者の家族が離散する可能性もありますから、そうなっても国益のためだから耐えるべきだと主張すべきです。
「政府関係者は「北朝鮮が五人を返せ、と言っているのはメンツの問題ではない。自由になった五人の口から北朝鮮の秘密が明かされることを恐れているためだ。戻ったら、二度と日本に帰ってこられないだろう」と指摘する。「本人の意思を固めてもらい、政府と被害者、そして国民が一つになって北朝鮮に当たる。安倍官房副長官の今回の“行脚”には、そんな狙いもある」」という読売新聞の記事に対して、西尾氏は、「まさにその通りだと思う。『読売』の記事は正確である。」と同意しつつ、それをさらに補強するかたちで、「となると、北朝鮮は、子供を帰したら何もかも喋られると恐れ、子供を人質にとりつづけるだろう。また、万が一親が北へ戻ったとしたら、北朝鮮は彼らを北の一般人と接触できる生活へ戻さないだろう。北の核開発、ASEAN会議での北への警告、中国政府の譴責措置などすべてが、北の国内では秘密であるが、彼ら五人は知ってしまったからだ。」とまで述べています。
そうであるならば、「五人の口から北朝鮮の秘密が明かされることを恐れている」北朝鮮が、そうなってしまう5人の家族を日本に渡航させるということはないと言っているのと同じです。
子供達や曽我さんの夫が日本に来ることはないのですから、そうなっても国家のために我慢してくれというしかありません。
西尾氏は、そのような家族離散状況を打開する手だてには言及していません。推察するに、「そのためには起こり得る対イラク戦争後の米国の意向がすべての鍵をなす。」というところにポイントがあるのでしょう。
イラクの次は北朝鮮が攻撃され、金正日体制が崩壊する可能性があるのだからそれまで待てということかもしれません。
そのとき、北朝鮮に残っている5人の家族の安全が保証されるとでも思っているのでしょうか。
米軍が5人を避けて攻撃するとでも思っているのでしょうか?
西尾氏は、直接言及してはいませんが、拉致被害者に向かって、北朝鮮に残っている家族が死ぬことになってもそれは国家のために仕方がないことだと言っているのに等しいのです。
小泉政権による日朝交渉は壊れてもいいと思っていますが、拉致被害者問題はそれとは切り離してでも解決すべきだと思っています。
拉致被害者問題を“外交の道具”にする小泉政権は無能無策だと断じます。
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※ 直接的な参考書き込み
『“無能”政府と“思考停止”メディアが織りなす「日朝交渉」 − この国が崩壊していくのも不思議ではない −』
( http://www.asyura.com/2002/dispute3/msg/1205.html )
[日朝交渉関連書き込みリスト]
『あまりにも“雑”であまりにも“政治的”合意』
( http://www.asyura.com/2002/war16/msg/204.html )
『素朴な推測です』
( http://www.asyura.com/2002/war16/msg/273.html )
『いくつかの質問への回答』
( http://www.asyura.com/2002/war16/msg/323.html )
『「田中外相“解任”」→「八尾恵さん“拉致告白”」→「9・4“不審船騒動”」→「9・17日朝合意」』
( http://www.asyura.com/2002/bd20/msg/245.html )
『早見さん、小泉首相は米国政権の指示で訪朝したのですよ』
( http://www.asyura.com/2002/bd20/msg/199.html )
『「日朝国交正常化交渉」の今後を占う − 既合意内容がリプレイされる“茶番劇” −』
( http://www.asyura.com/2002/bd20/msg/597.html )
『「北朝鮮の核開発継続発言」の流布は米国政権のシナリオ通り!! − 日朝国交正常化交渉は加速化する −』
( http://www.asyura.com/2002/war17/msg/397.html )
『日本に負担を押し付ける“食い逃げ”ブッシュ政権 − 重油とKEDO分担金を支払うべし −』
( http://www.asyura.com/2002/war17/msg/514.html )
『北朝鮮が「核査察」を拒否していたら小泉首相のピョンヤン宣言署名はなかった』
( http://www.asyura.com/2002/bd20/msg/612.html )