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財務省は30日午後、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングスの民間格付け機関3社に対し、「日本国債の格付けについて日本経済の強固なファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠く」として、日本の国債評価の基準を問う意見書を送付したと発表した。
黒田東彦財務官名で送付された意見書では、3社の格付けについて「客観的な基準を書き、格付けの信頼性にもかかわる大きな問題」と指摘。「日本政府は、財政構造改革をはじめとする各般の構造改革を真摯に遂行している。同時に格付けについて、市場はより客観性・透明性の高い方法論や基準を必要としている」としている。
日本国債の現在の格付けは、ムーディーズがAa3、S&PがAA−と、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)メンバー国で最低。いずれも、格下げ方向での見直しを示唆しており、さらに1ランク下がればシングルA格に転落する。一方、フィッチはAAで、イタリアより1ランク上だ。
塩川正十郎財務相は、これらの格付けの評価について、日本のファンダメンタルズを十分に反映していないと反論。記者会見で、「明確にどういう数値をもとに、格付けがされているのか。数値をもって説明してもらいたい。日本の財務責任者としてはっきりと意思表示したい」として、意見書を送付する意向を示していた。
意見書の質問項目は以下の通り。
1)日米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとしていかなる事態を想定しているのか。
2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべき。以下の要素をどう評価するか。
−日本は世界最大の貯蓄超過国で国債はほどんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている。
−日本の世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備高も世界最高。
3)各国間の格付けの整合性に疑問。次のような例はどのように説明されるのか。
−1人当たりのGDPが日本の3分の1でかつ大きな経常赤字国でも日本より格付けが高い国がある。
−1976年のポンド危機とIMF(国際通貨基金)借り入れのわずか2年後に 発行された英国の外債や、双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ば の米国債はAAA格を維持した。
−日本国際がシングルAに格下げされれば、日本より経済のファンダメンタルズではるかに格差のある新興市場国と同格付けとなる。