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(回答先: 最後は国債の日銀引き受けだろ 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 30 日 22:34:22)
FP親衛隊国家保安本部殿、こんにちわ。
崩壊にしろ再生にしろ早めに決着を付けたほうがいいという考えもあると思っていますが、ご提示のアイデアは、銀行の破綻を招き、「政府債務問題」を“爆発”させるものです。
根源的には近代経済社会における貯蓄とは何か?という問題になるのですが、マクロ的に貯蓄と考えられているものは、残高の数字だけが有効のもので、中身は経済活動に使われてしまうものです。
このような視点が抜けているために、日本は「貯蓄大国」だとか、個人の金融資産が1300兆円あるとかいった脳天気な話が、政府債務や経済の先行きに対する不安払拭に利用されることになります。
本来的な貯蓄は、“タンス預金”すなわち現金を金融機関に預けずに手元に持っていることです。
金融機関に預けることによってわずかな利息を得ることはできますが、その対価として預けた現金を使われてしまうのです。
預貯金が増大していくような歴史過程では、そのような事実が露呈しないだけです。
ご提示のアイデアは、預貯金が国家の手で強制的に減少させられるものです。
銀行にとっては、預金者の手で引き下ろされようが、国家の手で引き下ろされようが同じです。10%程度の払い戻しでも、「預かった現金は使ってしまっている」という事実が白日のもとに晒され、銀行は払い戻し不能=破綻に陥ります。
「商品券」という形式は“過剰”預貯金者に消費を強いる手段としては使えても、彼らに商品を売ったりサービスを提供して「商品券」を受け取った事業者には、政府が現金を支払わなければなりません。その原資は、政府が金融機関から「商品券」発行相当分として受け取る現金です。
(「商品券」を財及びサービスに対する支払い手段に限定した第2貨幣として流通させるというアイデアもありますが、厖大な貨幣を一定期限で消費させるという趣旨には合いません。クレジットカードなどでもこの問題は同じですが、より多く“不正”が行われるでしょう)
このような預貯金の変動は、国内の預貯金・保険料をネタに維持されてきた「日本国債のサイクル」も直撃します。金融機関が余剰資金を大きく減らすことで、100兆円を超える国債を消化できなくなったり、国債以外の運用先との競合で国債利回りが急上昇したりします。
ご提示の内容でも十二分に“憲法停止”の超法規措置(法律を作るような手間をかければ、払い戻しの嵐に見舞われ金融危機をもたらすだけで構想自体が無意味になります)ですから、預貯金の“召し上げ”にまで踏み込んだらまだ救いがあります。
召し上げた預貯金を既発債の強制償還に使ってしまうのであれば、銀行や資金運用部から預貯金の流出を生じさせないので、政府債務の残高を大きく減らすことができます。
「牛肉買い上げシステム」ではありませんが、現金を動かさずに、政府が没収する預貯金と金融機関が保有する国債を相殺すれば“すっきり”します。
ドラスチックな政策を実行すれば預貯金に対する信頼性も揺らぐので、政府も、財政政策を根本から変更しなければならなくなるでしょう。
それが経済社会全体に好結果を招く可能性もあります。