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(回答先: 「匿名希望」氏へのレス:ケインズ的延命策の陥穽 《ケインズ主義は「近代経済システム」の“死期”を早めた》 投稿者 あっしら 日時 2002 年 8 月 19 日 16:16:58)
率直に申し上げて、関連添付論文に記載されたような怜悧な官僚批判がもっとも堪えます。
そろそろ登庁の支度せねばなりませんので、レスを戴いた感謝を申し上げると共に、手短にコメントいたします。
マルクスばりの資本主義社会の恐慌へ至る必然性の議論が必ずしも全て正しいとは思いませんが、資本主義社会固有の好不況のサイクルの存在を認め、有効需要の原理に基づくこの宿命への果敢な挑戦とも言えるケインズ主義の「発見」がなされ、大衆民主主義プロセスを通じてこれが無自覚に拡張されてきた経緯は、認識を共有するところです。見方によっては、貴殿のおっしゃるように(延命ではなく)死期を早めたということなのかも知れません。
また、同時にご指摘されているようにマネタリズムも他ならぬこの日本においてその有効性を完全に失いました。ケインズが死に、マネタリズムも息の根を止められたわけです。ここで新たな経済理論の登場を待つより他ないわけですが、実務担当者としては、拱手傍観はできません。改革路線を引き続き堅持することは何度も申し上げた通りです。
実は、「政府紙幣の活用」はケインズ政策もマネタリズムも通用しなくなった経済に対する特効薬として理論化できる可能性を秘めていると考えています。しかも、榊原氏の論文のように禁じ手と知りつつ一回だけ、などと継子扱いの政策として発動するのではなく、正当かつ正統な理論に基づきその使用がオーソライズできるのではないかと、(直感的に)考えています。これをモデル化し、理論化できれば、大変な功績だと思います。