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(回答先: このレス及び関連の添付論文を拝見し、唸ってしまいました。 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 8 月 20 日 09:03:30)
お時間がないなかレスをいただきありがとうございます。
【世界経済を認識する基礎】で書いた貨幣論(おこがましいですが)は、金本位制→管理通貨制→国家紙幣制という流れを含意したものであり、“政府紙幣”が議論の俎上に上がったことを大いに歓迎しています。
そうでありながら、“政府紙幣”をできるだけ避けようとしているのは、それが金融主義と産業主義、わかりやすく言うならば、お金でお金を稼ぐ考え方と有用な財をつくることでお金を稼ぐ考え方とのあいだの激しい利害衝突に至ると考えているからに他なりません。
(理念や論理としても、現状の経済的災厄を無反省的に解消させてしまう可能性が高い“政府紙幣”の導入は“時期尚早”という考えも持っています)
“政府紙幣”の導入は、それほどのインパクトを持つ「構造改革」政策であり、宣戦布告と同程度の理論武装と覚悟が求められており、それらが不十分であったり怠ったりする潰されてしまうほどの革命的政策です。
“政府紙幣”が部分的であれ導入されたら、その“重宝さ”から日銀券を駆逐していくことになり、通貨がどういう機能のものであるかも明確に意識されるようになり、通貨は“政府紙幣”で十分ということになります。
いったん踏み込めば、榊原氏的な部分導入では済まず、全面的な移行につながるということです。
(【世界経済を認識する基礎】で、そのような通貨への移行をそれとなく匂わせながらも明確にはしなかったのは、現状の「デフレ不況」を解消していくという短期目標を実現するなかで詰めていくほうがスムーズに移行できると考えたからです)
ここでは、“政府紙幣”構想と導入は、日本の独断では潰される可能性が高く、米国の経済学者や政府に先行的に進めてもらう策を採るべきだとのみ言っておきます。
米国の経済動向から、米国内部で“政府紙幣”が論議される日はそう遠くないうちにやってくると予測できます。
(榊原氏もスティグリッツ教授からヒントを得たそうですし、米国憲法では通貨発行権が連邦議会にあり、米国も過剰な公的債務に喘いでいることから、「デフレ不況」の解決手法としての“政府紙幣”にはすぐにスポットライトが当てられるはずです)
“政府紙幣”を通貨的基礎とした財政を含む「現代経済システム」のモデル化や理論化を構想はしていますが、まだ論理記述はしていません。
【世界経済を認識する基礎】で基礎的なことは説明したつもりです。
理念や論理よりも現実を重視する考え方をしていますから、理論武装と覚悟ができたら、現状の経済的災厄を無反省的に解消させることになるとしても、“政府紙幣”の導入を全面的に支持します。