http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/203.html
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社会主義マジック _ 中共が GDP 世界第二位の超大国になれた理由
計画経済では、商品・住宅価格はどうなる?
中国の株価は、2018年は、年初の3,500ポイントから2,535へと、28%も下げています(19年1月14日:上海総合の平均指数)。時価総額では250兆円という大きな損失が生じ、株の形の金融資産は250兆円縮小しています。
上海総合【0823】 株価 チャート
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0823&ashi=1
株が250兆円下がっているのに、住宅価格が下がっていないのは、新築の売り出し価格の統計だからです。売れた価格の統計は公表されていません。
共産主義の計画経済では、在庫が売れたときの価格統計ありませんでした。ソ連のGDP統計では、商品は政府の統制価格で全部売れたとされていました。流通在庫、不良在庫という概念はなかったのです。このため価格は下がらず、GDPは増え続けていました。
風船のように膨らんでいたGDPに応じて増刷されていたルーブルは、ソ連邦が解体した1991年(ゴルバチョフの時代)、暴落(1/1000)して、ハイパーインフレになったのです。紙幣は、政府の意思で、生産にかかわらず、いくらでも増刷できるからです。
中国の住宅価格も、新築価格だけを統計する限りは、下がりにくい(住宅、不動産、固定資本の建設額は、そのままGDPになります)。
https://www.mag2.com/p/money/628666
▲△▽▼
一方、資本主義国の GDP はその国の株式市場の時価総額とほぼ同額になります:
バフェット指標で見る日経平均株価の上限
2016年 12月 22日 4度目のバフェット指数1倍超え
株価は楽観的な見通しを織り込んだことで、すでにバブルの領域との見方も出ている。
著名投資家のウォーレン・バフェット氏は
その国の株式市場の時価総額が名目GDPを超えると危険サイン
ととらえ、持ち高調整を検討することで知られている。
名目GDPに対する株式市場の時価総額の倍率をバフェット指数と呼ぶが、
日本の2015年度名目GDP532兆円に対し、22日時点で東証上場の株式時価総額は580兆円強。バフェット指数は約1.1倍になっている。
日本で同指数が1倍を超えたのは、1980年代後半のバブル期、2007年リーマンショック前の米住宅バブル、2015年8月前後のアベノミクス期待のピークに続き、トランプラリーの今回は4度目になる。
変動の大きい期間利益をもとに算出されるPERと異なり、同指数は比較的ブレが少なく行き過ぎた株高を警告するサインとみられているが、今のところ市場で懸念する見方は少ない。
バブルは予測不能な面もあり、市場のコンセンサス通りなら短期の調整を交えて、少なくとも米新大統領就任後の蜜月期間が終わる来年5月頃まで株高が続くことになる。
「レーガノミクスのように大きなレジームチェンジが起きると景気拡大は長くなる」(みずほ証券投資情報部長の倉持靖彦氏)との指摘もある。
http://jp.reuters.com/article/vix-stock-idJPKBN14B0IY?sp=true
リーマンショック級の円高株安をバフェット指標でチャンスに変える 2016/07/04
https://www.ewarrant.co.jp/posts/kiwameru/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E7%B4%9A%E3%81%AE%E5%86%86%E9%AB%98%E6%A0%AA%E5%AE%89%E3%82%92%E3%83%90%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88%E6%8C%87%E6%A8%99%E3%81%A7%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AB%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B
バフェット指標で見ると、本格的な暴落は「こんなもんじゃない」
日本株は7年から10年程度の周期で大きな変動を繰り返しています。
これは企業の設備投資を原因とする10年程度の景気循環(ジュグラー循環)とほぼ一致しているようです。
図1は著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が用いているとされる手法を日本株に当てはめたものです。
これを見ると、1980年代末の日本のバブル景気の異常なほどの過熱と、その後のITバブル、サブプライムバブルと概ね7年から10年で東証一部時価総額が日本のGDPに近づくと危険信号、上回ると過熱となっていたことが分かります。
今回も2015年には GDPを15%上回り、実はサブプライムバブル時よりも相場は過熱していました。また、前回の天井となった2006年末(年ベース)から10年経過したので、景気循環的にも何らかのきっかけでいつ暴落が始まってもおかしくない状況でした。
これまでの過熱相場後の暴落では、東証時価総額がGDPを40%も下回るほどまで株価が下落してようやく底値を付けていました。
この観点では 6月24日の英EU離脱に伴う日本株の下げでも、まだGDPを 7%下回ったに過ぎません。
GDPを40%下回る水準なら(図中右端の赤斜線の矢印)、TOPIXであと 35%下落し、日経平均なら 1万円割れとなります。
つまり、今回の英EU離脱に伴う日本株の下落は、7年から10年周期の大相場の下落水準としては「こんなもんじゃない」といえるような水準だったことになります。
図表1:7-10年おきのクラッシュ並みならぜんぜん足りない!
https://www.ewarrant.co.jp/images/posts/kiwameru/20160704-1.png
また、2000年以降は世界経済のグローバル化と金融市場の一体化の影響により、世界各国の株価の長期的な周期が一致し、特に暴落時には日本経済がそれほど調子が悪くなくても、あるいは日本株が過熱気味でなかったとしても、米国株が暴落すると、そこで大相場が終わってしまうようです。この最たる例がITバブル崩壊時でした。
図2はバフェット指標で米国株を見たものです。
ITバブルは米国の株式を中心としたバブルだったので、一時 GDPを43%(1999年)も上回る状況となりました。
サブプライムバブルは不動産や不動産証券化商品中心のバブルだったので、対GDP比では株式の過熱は3%(2006年)どまりでした。
現時点では、2016年年初の下落を跳ね返し、6月24日の英EU離脱後でも、未だにGDPを14%も上回っている状態でした。
米国株の場合、暴落時にはGDPを24%(2002年)から38%(2008年)下回っているので、今回もGDP比30%程度の下方乖離はありえそうです(図中右端の赤斜線矢印)。
その場合、最大でこれから40%も下落余地がある(NYダウに換算すると10,400ドルまで下落する?)ことになります。
図表2:米国株も7-10年おきのクラッシュなら4割安も?
https://www.ewarrant.co.jp/images/posts/kiwameru/20160704-2.png
■これからの1-2年が“最後の円高”なら、外国株投資のチャンス!?
今回の英国のEU離脱に伴うショックでは、近年の暴落で何度も確認されてきたとおり、株式の国際分散投資は無力でした。暴落時に相関が急上昇するのでどこにも逃げ場ないのです。
一方、キャッシュマネジメントを重視する投資戦略をいくつか併用し、例えば
7年から10年に一度の暴落を狙う「バフェット流大底投資」や、
1年のうち下落する傾向が強い 5月から10月まではポジションを持たない「半年投資」、
長期的に順張りシグナルが出ている時だけ投資する「DOI MODEL」
といった戦略を採用していたら、3割から 9割程度のキャッシュを抱えたまま今回のEU離脱ショックを迎えたはずです。
また、金ETF、金レバレッジトラッカーや金地金などで金に投資していても円建てで資産価値の保全ができていました。
投資タイミングは拙著
に紹介したS&P VIXを使う方法、プット・コールレシオを使う方法、信用取引評価損益率を使う方法などに加えて、前述のバフェット指標を使ったざっくりとしたものでも十分効果的と考えられます。
具体的に「今からどうやって備えるか?」、「バフェット指標で十分に下落したと思ったら何に投資するか?」という点に関して、正解は一つではありません。どこまでリスクをとれるか、どこまで資金を寝かせられるか、どこまで投資に時間を使えるかといった要素で異なりますが、例示するなら以下のようなものになるでしょう。
◎今からどうやって備えるか?(例)
•円キャッシュ90%、10%は米大統領選などの大イベント直前にeワラント両建て
•予想PERで割安に見えても購入予算の1/3までに止める(インテリトラップを避ける)
•現物株を減らし、5%程度の資金で日経平均プットやハンセンH株プットを保有する
•20:80戦略を使う(資産の20%で損失限定のハイリスク投資、残りはキャッシュ)
•アノマリーで悪いイベントが起きやすい5月から10月にはキャッシュを増やす
•FXを使うならレバレッジを5倍程度まで下げる(強制ロスカットされないため)
◎バフェット指標で十分に下落したと思ったら何に投資するか?
•人口動態で有利な米国株ETF(S&P500対象)、インド株ETF、フィリピン株ETF
•「デフレ・円高勝ち組バスケット」コール1回あるいはその構成銘柄を直接数銘柄購入
•時価総額が100億円未満の小型株を過去10年の業績まで調べて3−4銘柄に集中投資
•ショックで一時的に金価格が下がったら金5倍プラストラッカーや金ETFに投資
https://www.ewarrant.co.jp/posts/kiwameru/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E7%B4%9A%E3%81%AE%E5%86%86%E9%AB%98%E6%A0%AA%E5%AE%89%E3%82%92%E3%83%90%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88%E6%8C%87%E6%A8%99%E3%81%A7%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AB%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B
【2016年11月更新】ウォーレン・バフェット指標。
米国株と日本株(東証1部)の時価総額を名目GDPと比較してみる
http://www.life-free.net/entry/2015/04/15/184506
今日は株式市場の割高割安を示す指標のひとつであるウォーレン・バフェット指標について書きたいと思います。
ウォーレン・バフェット指標とは、バフェット氏が愛用しているとされる指標で、「その国のGDPと上場株式の時価総額の総和を比べるもの」です。
過去を見る限りでは、GDPよりも株式時価総額が上回ったときは、赤信号です。
バフェット指標の意味について考察
株式時価総額と名目GDPを比べて、割高割安を判断する意味についてです。
企業の価値を、「その企業が存続する期間に生み出すキャッシュ・フローの総額を現在価値に割り引いたもの」として考えた場合、PER(時価総額を利益で割ったもの)で割高、割安は判断可能なんですよね。
ですから、日本株のForward PER(時価総額を予想利益で割ったもの)を見れば、株式市場の過熱感はわかります。
なぜわざわざ株式時価総額とGDPを比較するのでしょうか?
おそらく、結局のところその国全体の企業の利益はその国のGDPと強い相関を持つということでしょう。金は天下の回りものであり、名目GDPはお金の回り具合を表します。お金が回らないと経済は活性化しませんし、経済が活性化しないということは、企業が利益を生み出せないことを意味します。
私の100万円の支出は、だれかの100万円の収入なのです。
現在を見るに、名目GDPよりも遥かに高い増加率で、株式時価総額がどんどん増えています。ついには、割高域にすでに達しました。
そして重要なことですが、この指標は過去を見る限り正常に機能しているということです。
現状の認識と投資の選択肢
まず、現状の認識についてですが、株価は割高と判断します。それをふまえて、以下のような選択肢が考えられます。
リスクを限定してバブルに乗る
バブルは最後が一番おいしいと言われています。ですから、あえてそのバブルに乗る方法があります。もちろんリスクは限定しなければなりません。簡単な方法は、コールオプションを買うことでしょう。他に、単純にロスカットラインを決めて投資する選択肢もあると思います。
現金保有率を多くする(株式と相関値が低い資産を保有する)
現金や他の資産を保有して株価を見守るという選択肢です。
このままどんどん株価が上がれば、パフォーマンスは劣後して、惨めな気持ちになるでしょう。しかし、投資家としては受け入れるべき感情だと思います。投資から一歩身を引くという意味でも、これは精神的にラクな選択肢だと思います。
売りポジションを追加する
株価下落を見越して、利益を積極的に取りにいく選択肢です。ただし、売りはバブルで焼き尽くされる可能性はあります。特に、追加の金融緩和が発表されたら、株価はさらに上がるでしょう。ご利用は計画的に。
最後に
当たり前のことを言いますが、私はこれ以上株価が上がらないと言っているわけではありません。ただ、現在の株価は割安割高のどちらかと聞かれると、割高だと答えます。
http://www.life-free.net/entry/2015/04/15/184506
2016年12月31日
バフェット理論では日本株頭打ち 日米株バブルの行方
株式時価総額がGDPを大きく超えた時にバブル崩壊している(アメリカ)
引用:(投資の科学的思考)http://investortrader.info/wp-content/uploads/2016/09/419bb581eeba14ec33a6a866d1a49d43.png
危うい日本株
2016年の日本株は後半にかけて急上昇し、おおむね良い年だったという人が多いのではないだろうか。
だが客観的数字のいくつかは現在の日本株、日経平均約2万円が人為的に吊り上げたもので、やがて落ちてくるのを示唆している。
良くないことの一つが日銀と年金資金による大量の日本株購入で、2016年の株価上昇はすべてこの2つがもたらしていました。
日銀は2016年にETFを4兆3千億円購入、GPIFなど信託銀行も3兆5千億円を買い越し、政府系だけで約8兆円の買いがあった。
外国人投資家は、現物と先物で2兆8000億円を売り越し、国内個人投資家も2兆5000億円を売り越し、個人投資家は5兆円以上を売りこした。
政府系資金で個人投資家の売りをそっくり吸収して、民間機関投資家の買いを呼び込んで株価が上昇した。
2017年も同様に日銀とGPIFが相場を支えるには8兆円から10兆円を買わなくてはならないが、この政策を続けられるか疑問がある。
政府の資金で株価を上げるのは一時的には効果があるが、資金が有限である以上、いつかは止めなくてはならない。
良くない事の二つ目は、2016年は株価上昇したと言っても、それはほとんど最後の2ヶ月だけで、10ヶ月間は下がっていました。
1月はチャイナショックで暴落し、6月に英EU離脱で暴落し、11月9日からトランプ相場が始まり急上昇しました。
「トランプだから経済が良くなるんだ」と著名アナリストらは言っているが、こいつらは「トランプなら世界大恐慌だ」と言っていたのです。
トランプ相場には実態がないので、1月20日の就任式以降にどうなるかは見ものです。
バフェット理論では株価は高すぎ
良くない事の三つ目は、単純に日米の株価は既に上昇しすぎていて「バブル」になっている疑いがある事です。
この手の崩壊論は下らないことが多いが、そう言っているのが世界一の金持ち投資家のWバフェットなら、気に掛けるべきかも知れない。
有名なバフェット指数では「その国の株式総額は、長期的にはGDPと一致する」のを基本原理としている。
つまり株価とは実体経済の裏づけがあるもので、トヨタが生み出す価値が10兆円ならば、トヨタの時価総額も10兆円であるべきだという事です。
これがもし10兆円の価値しか生み出していないのに、時価総額だけが多かったら、ホリエモンのネット企業みたいに崩壊する可能性が高いです。
日本のGDPは計算方法が修正され532兆円(修正前は500兆円)だが、東証1部の時価総額は年末で571兆円もあった。
しかも2015年末の時点で時価総額は585兆円だったので、2016年は時価総額でマイナスに沈み、株価だけが微増になった。
アメリカのGDPは2016年中頃で約18兆ドルで、時価総額は22兆ドルなので、アメリカの方が株価が2割も上がりすぎている。
過去にはこのように時価総額がGDPを大幅に上回ったときに、2000年のITバブル崩壊や、20007年サブプライム危機が起きていました。
日本でも株価が上がりきった時にバブル崩壊、小泉景気の反動などが起きたが、いずれもGDPが増えていないのに株価だけが上がっていた。
こうして見ると確かに日米の株価はGDPという実体経済に対して高すぎ、特にアメリカはバブル経済になっている疑いがある。
日本株もやはり日本のGDPより大きいので、実体経済と比べて株価だけが上がっていると言える。
こうした数字からは日米のバブル崩壊が近いうちに起きても不思議ではない。
http://thutmose.blog.jp/archives/68367158.html
バフェット指標で見る東証の7-10年おきのバブル崩壊
https://www.ewarrant.co.jp/images/posts/kiwameru/20160704-1.png
来年は米中貿易戦争によるバブル崩壊の年?
2016-12-27
2017年はアメリカと中国の貿易戦争によって大混乱が起きる
ドナルド・トランプ次期大統領は、大統領戦で「中国から雇用を取り戻す」としばしば発言してきた。そして、その具体的な方法としてこのように述べた。
「すべての中国製品には45%の関税をかける」
「アメリカ企業が中国に建てた工場を取り戻す」
ドナルド・トランプは中国に対して敵対的な発言をしたのは、これだけではない。北朝鮮問題でも「北朝鮮問題を解決しないならば、中国を潰してしまえ」と叫んだ。
さらに中国がアメリカに対してハッキングを仕掛けていることにも触れて「アメリカ政府の情報を盗んでいる」と断言し、「これを止めさせる」とも言った。
2015年8月、オバマ大統領は中国の習近平が訪米したとき国賓として厚遇したが、ドナルド・トランプはこれにも異を唱えていて「私ならば晩餐会は開かず、ハンバーガーでも出す」と言って習近平の顔に泥を塗った。
さらに2016年12月2日には、台湾の蔡英文総統と電話で会談して台湾を国として認めていない中国を怒らせた。
ところが中国が怒ったと聞くと、ドナルド・トランプは「どうして一つの中国政策に縛られなきゃならないのか分からない」と、さらに火に油を注ぐ発言をして中国を激怒させている。
「一つの中国政策など知ったことか」と突き放す
"One-China policy"(一つの中国政策)は、「マカオも香港も台湾も中国のものだ」と中国が勝手に主張している政策である。今まで世界はその主張を黙認してきた。
なぜなら、中国をグローバル化に組み入れて、中国市場から利益を上げようとしてきたので、中国の機嫌を損ねたくなかったからである。
グローバル主義を信奉する現在の体制は、自分たちの利益のために台湾を見捨て、チベットやウイグルを見捨て、中国の暴虐を見て見ぬフリをしてきた。
日頃は人権人権と叫んでいるオバマ大統領も、チベットやウイグルの話になったら完全に耳を塞いで、中国との親密な関係に腐心してきた。
しかし、ドナルド・トランプは当初からグローバル化よりも「アメリカ第一」を掲げており、中国との関係悪化など何とも思っていない。
「中国はアメリカの雇用と富を盗んでいる」という発言を見ても分かる通り、むしろ邪魔な中国を叩き潰してでもアメリカを偉大な国に戻そうとしている。
アメリカを偉大な国にするためには、それを邪魔する中国を叩き潰すのが一番だと思っているのである。だから、「一つの中国政策など知ったことか」という話になる。
現職のオバマ大統領が取り繕うように「一つの中国政策を支持する」と言ったが、トランプ次期大統領は「オバマは気弱すぎる」とすでに見向きもしない。
こうしたドナルド・トランプの強硬発言に対して中国は「思い知らせる」ために2016年12月15日、アメリカ海軍が使っていた無人潜水艇を中国軍の艦艇が拿捕し、持ち去るという事件を起こした。
アメリカ政府は「返せ」と中国に抗議をしたが、ドナルド・トランプは「中国はアメリカ海軍の探査機を公海で盗んだ。前代未聞の行為だ」として「返さなくて結構。そのまま持たせておけ!」と中国を突き放している。
国家通商会議に反中派のピーター・ナバロ氏を起用
ドナルド・トランプは、中国と徹底的に敵対する道を「あえて」選んでいる。中国を「歴史的に世界で最も巨大な泥棒」と呼び、「中国が米国を強姦するのを放っておかない」とも言った。
アメリカ国内では、多くの識者がこれを「トランプ流のディール(取引)のやり方だろう」と考えた。ドナルド・トランプであってもさすがに大統領職に就いたら大人しくなると彼らは分析した。
ところが2016年12月21日、そうでない可能性が高まった。
トランプ次期大統領は貿易政策を担当する「国家通商会議」を新設して、そのトップにピーター・ナバロ氏を起用すると発表したからである。
ピーター・ナバロ氏は、カリフォルニア大学アーバイン校教授なのだが、アメリカきっての「反中派」として知られる人物で、実際に中国を批判する著書をいくつも書き、さらに反中のドキュメンタリー映画も製作している。
ドナルド・トランプが「中国製品に45%の関税をかける」というのを「支持する」と当初から言っていた学者のひとりでもある。
こうした「反中国」の人間を、トランプ政権で重要な役割を果たすと思われるホワイトハウス直属の「国家通商会議」のトップに据えたのだから、ドナルド・トランプのメッセージはこの上なく明確なものである。
2017年から「アメリカと中国の貿易戦争」が起きるのだ。
中国は恫喝の意味も込めて、中国国内にあるGM(ゼネラルモーターズ)に対して独占禁止法に違反したとして約34億円の罰金を科すと発表した。
これを見ても分かる通り、すでに水面下では中国とアメリカは互いに貿易戦争の序盤戦を開始している。
ドナルド・トランプ政権が本格的に立ち上がったら、いきなり激しい恫喝と報復の応酬で世界が混乱する可能性がある。
先行きを杞憂した投資家はすでに中国市場から投資を引き上げており、トランプが次期大統領に決まってから中国の株式市場はずるずると値を下げている。
今の中国共産党国家は、日本にとって必要のない国
実際に中国とアメリカの間で貿易戦争が起きたら、中国が大きなダメージを受けるのと同時に、中国の報復によってアメリカもまた無傷ではいられない。
つまり、グローバル経済は米中の対立に巻き込まれて激しく動揺する。これが意味するところは、アメリカの株式市場もまた暴落を余儀なくされる確率が高いということでもある。
ドナルド・トランプとその陣営もそれが分かっている。しかし、分かった上で乱打戦を仕掛け、最終的にアメリカが勝つ方向に賭けようとしているのである。
乱打戦というのは、互いに相手を殴り合うことだ。
ということは、グローバル経済の中で莫大な利益を得てきたアメリカの多国籍企業も、最後には生き残って勝ち上がるとしても、その間に何度も問題に巻き込まれることになる。
中国は「自分たちの製品に45%も関税をかけるというのであれば、中国でアイフォーンを売れなくしてやる」と警告している。実際にそうなればアップルの売上と利益は急落し、株価は暴落しても不思議ではない。
スターバックスやナイキなど、中国に深く浸透したアメリカの多国籍企業は軒並み影響を受ける。
実際にドナルド・トランプ政権が立ち上がった時、貿易戦争の行方がどの程度の規模で起きるのかはまだ誰も分からない。それは当事者の米中も分かっていない。
しかし、今までの大統領とはまったく違う「反中的」な考え方をする人間が大統領になり、反中派のピーター・ナバロ氏が指揮を執るのだから、2017年は平穏な年になることを期待しても無駄であるのは誰でも分かる。
アメリカと中国の貿易戦争によって大混乱が起きるのを覚悟しておかなければならないのだ。
中国は反日の国であり、日本にとっては有害な国である。そのため、貿易戦争の中では日本は常に中国を突き放す立ち位置にいなければならない。
今の中国共産党国家は、日本にとって必要のない国だ。必要のない国に関わっても仕方がない。
ドナルド・トランプ。今までの大統領とはまったく違う「反中的」な考え方をする人間が大統領になり、反中派のピーター・ナバロ氏が指揮を執るのだから、2017年は平穏な年になることを期待しても無駄であるのは誰でも分かる。
http://www.bllackz.com/?m=c&c=20161227T1509270900
2018年02月12日
米ダウ平均適正価格は2万1000ドル バフェット指数では1万8000ドル
米国のバブル崩壊は必ずバフェット指数より高い時に起きていた
引用:会社四季報オンラインhttps://toyokeizai.net/mwimgs/2/e/1140/img_2eec600b280d2423982a67380981c23f228047.jpg
ダウ平均はいくらが適正価格なのか
2018年2月に米ダウ平均や日経平均が急落し、先行きには悲観的な見かたも出ています。
下落は一時的なものですぐに上昇するという意見もあるが、そもそも今までの株価は高すぎたのでしょうか。
高すぎたのか安すぎたのかを知るには株価の適正価格を知る必要があり、その手法はいくつか知られています。
ひとつはPER(予想株価収益率)で一株あたりの株価が、やはり一株あたりの企業収益の何年分かを表しています。
PER20倍だったら、その企業の株価は20年分の利益と同じという事になります。
米ダウ平均は2018年1月26日に2万6616ドルだったが、この時のダウ平均全体のPERは18.5倍でした。
ダウ平均は現在2万4000ドル台で平均PERは16倍台、過去20年の平均PERは15倍程度でした。(WSJ)
そこでダウ平均のPERが15倍になる株価はいくらか計算すると、2万1000ドル程度という答えが出てきます。
もう一つの良く知られている理論としてバフェット指数があり、「株式市場の時価総額はその国のGDPに等しくなる」とされています。
ダウも日経も1.3倍高い?
米株式市場の時価総額は2017年12月時点で24.9兆ドル(『わたしのインデックス』)、米国GDPは2016年に18.57兆ドルでした。
2017年の米GDP成長率は2.5%なので、2017年の米GDPは19.03兆ドルになります。
株価はGDPの1.3倍なので、適正なダウ平均時価総額は19.03兆ドル、株価でいうと1万8850ドルくらいです。
PERでは2万1000ドルが適正、バフェット指数だと1万8850ドルが適正で、どちらもまだ高すぎるという結果が出ました。
ちなみに日本の実質GDPは534.1 兆円、東証時価総額は2018年1月末で710兆円でした。
日本株もバフェット指数ではGDPの1.3倍ほどあり高すぎるとなりましたが、理論どおりになるのかは分かりません。
理論が正しくてもGDPの方が上昇して、株式時価総額に近づく可能性もあるからです。
バフェット指数にしても、当てはまるのはごく一部の先進国だけで、多くの国の株式時価総額は、GDPよりずっと少ないです。
株式市場がGDPに匹敵するほど大きいのは、市場が効率化され、経済が十分に発達している国だけで、例えば中国の時価総額は非常に小さいです。
http://www.thutmosev.com/archives/74893800.html
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米国株時価総額:Wilshire 5000 Price Full Cap Index
https://ycharts.com/indicators/wilshire_5000_price_full_cap_index
米国 :名目GDP
http://ecodb.net/country/US/imf_gdp.html
日本 :東証1部時価総額
http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/02.html
日本 :名目GDP
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html
日本 : 東証1部時価総額と日本の名目 GDP の推移 (1984-2016)
https://www.ewarrant.co.jp/images/posts/kiwameru/20160704-1.png
米国 : Wilshire 5000 total market index と米国の名目 GDP の推移 (1984-2016)
https://www.ewarrant.co.jp/images/posts/kiwameru/20160704-2.png
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迫る中国の経済崩壊。5,000万戸の空き家が引き起こすリーマン級ショック=吉田繁治 2019年1月29日
https://www.mag2.com/p/money/628666
「中国の空き家が5,000万戸」との報道が出ました。銀行とノンバンクの不動産融資は不良化し、これから中国はリーマン危機のような金融危機に向かいます。
富裕層の住宅投資も大きく減少。中国不動産バブル崩壊は近い…
中国の住宅価格は(統計マジックで)下がらない
ブルームバーグが「中国の空き家が5,000万戸」と報じています。ご承知のように、住宅価格を含み、中国の経済統計は、信頼に足るものが少ない。日本の厚労省とは次元が違って、集計の基準が、激しく任意だからです。
中国の経済統計には、かつてのソ連のような計画経済のものが多くなっています。ソ連では、製造された商品の価格は政府価格であり、売れ残った不良在庫があっても、下がらなかったのです。
中国の新築住宅の価格は、日本や米国のように、自由な市場が、売買で価格を決めたものではありません。新築住宅価格、GDP統計には、作りすぎて残った住宅在庫の、値下がり統計が入っていません。
GDPは生産額を集計します。いつも4%付近とされている失業率も、都市戸籍の人だけが対象です。農村戸籍の人には失業という概念がないからです。
この中国でも、株式市場の株価は、売れた価格です。しかし資本(=マネー)を自由化してはいず、世界市場からは、保護された株価です。
通貨では、
・資本の流入になる、ドルから人民元への交換は自由
・元の国外流出になる「ドル買い、ユーロ買い、円買い/元売り」には、金額の制限がある
という状況です。
中国の株価は、2018年は、年初の3,500ポイントから2,535へと、28%も下げています(19年1月14日:上海総合の平均指数)。時価総額では250兆円という大きな損失が生じ、株の形の金融資産は250兆円縮小しています。
株が250兆円下がっているのに、住宅価格が下がっていないのは、新築の売り出し価格の統計だからです。売れた価格の統計は公表されていません。
計画経済では、商品・住宅価格はどうなる?
共産主義の計画経済では、在庫が売れたときの価格統計ありませんでした。ソ連のGDP統計では、商品は政府の統制価格で全部売れたとされていました。流通在庫、不良在庫という概念はなかったのです。このため価格は下がらず、GDPは増え続けていました。
風船のように膨らんでいたGDPに応じて増刷されていたルーブルは、ソ連邦が解体した1991年(ゴルバチョフの時代)、暴落(1/1000)して、ハイパーインフレになったのです。紙幣は、政府の意思で、生産にかかわらず、いくらでも増刷できるからです。通貨の増刷は、砂糖水を水で薄めるように、マネー1単位の価値を希薄化させます。
中国の住宅価格も、新築価格だけを統計する限りは、下がりにくい(筆者注:住宅、不動産、固定資本の建設額は、そのままGDPになります)。
政府統計をもとにした、2012年から6年間の住宅の単価は、以下のように、2014年を除いて、上がり続けています。
一級とは、周辺部を含むと3000万人クラスの人口が住む北京、上海、シンセン、広州の4都市です。二級は武漢、成都など25都市。三級・四級都市は邯鄲、金華など21の市です。
経済体制が今も違う香港は、除外されています。
リーマン級の危機に向かう中国
<中国の住宅単価の指数:2012年から2017年>
2012年 13年 14年 15年 16年 17年 平均上昇
—————–
一級都市 100 110 110 140 160 185 13%/年
二級都市 100 105 100 100 120 130 5%/年
三級都市 100 100 105 95 105 115 3%/年
—————–
(データは、三井住友銀行中国有限公司:17年9月)
一級都市の1平方メートルあたりの住宅単価は、2012年を100とすると、年平均13%上がり続け、5年で1.85倍です。今、1億円や2億円の住宅はザラです。統計から漏れている香港では、2億円から数億円。一戸の面積の増加もあるからです。
ドルペッグ制(対ドルの準固定相場)をとる香港ドルが、元の送金・受金の、仲介と中継基地になっていて、香港は、ロンドンのシティのような金融都市だからです。
二級都市では、平均年率5%の上昇。三級都市では、年率3%の上昇と穏やかです。ただし、人口では三級都市でも、大都市周辺の東莞、佛山、廊坊、中山などでは、一級都市と同じように、5年で1.8倍の上昇率。総じて、年10%の上昇を続けてきたと言っていいでしょう。
住宅と商業用不動産は、固定資本投資の新築価格として、中国のGDPを底上げしています。あとで述べる5000万戸(新築の5年分)という、膨大な売れ残り在庫が、世帯に売れるときの価格を統計したら中国のGDPは、2ポイントは低下するでしょう。
住宅価格の過大見積もりという要素で、6.5%が4.5%の成長になるということです。
それとともに、銀行とノンバンクの不動産融資は不良化し、リーマン危機のような金融危機に向かいます。不良債権は200兆円以上になるかもしれません。
一方でローン残高は、過小に集計されている
住宅ローンの残高は、2016年で20兆元(320兆円)とされていますが、これは日本とあまり変わらない額です。
米国が1000兆円ですから、中国は、その1/2の500兆円はあるでしょう。店舗やオフィスの商業用不動産のローンは含んでいません。
中国では、GDPの中に占める、住宅と不動産投資、および道路や鉄道、電力、通信などの社会インフラの投資率が異常に高く、45%です(日本では20%:米国では15%)。代わりに、個人消費の構成比が少ない。
固定資本投資額がGDPの40〜45%(※日本は約20%)
2018年の名目GDPは13兆ドル(1430兆円;日本の2.6倍、米国の2860兆円の半分)です。
固定資本投資は1年分で、日本のGDPを超える570兆円(40%)を占めています。そのための資金が、(1)企業負債、(2)政府負債、(3)個人負債の、増加の原因になっているものです。
特にリーマン危機のあと、企業負債の増加率が高い。金融危機になった米欧への輸出の減少を、中国政府は、住宅建設、商業用不動産、政府の固定資本の増加でうずめる政策をとったからです。
計画経済の中国では、政府の政策は、時間差なく、企業の投資行動になります。人民銀行が元を刷って銀行に貸して、銀行は増えたマネーを企業に貸す。これが08年のあと、企業負債の増え方が大きくなった原因です。この点も、政策の波及時間が長い先進国と違います。
人民元の増刷は世界一のスケール
人民銀行のB/S(資産=負債)の規模は、元発行の金額を示します。2017年5月で、580兆円に膨らんでいます。米国のFRBが4.14兆ドル(455兆円)、日銀が553兆円です(19年1月)。
※参考:https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2019/ac190110.htm/
5年間、世界の中央銀行の、約100年の歴史で、異例な異次元緩和を行っている日銀より、人民銀行の通貨発行が多い。住宅建設、商業用ビル建設、道路、電力、通信の固定資本投資を増加させるための元の増発を行ったからです。
ドル準備で元を発行している
日本や米国では、中央銀行が通貨を増発するときは、代替資産として国債を買います。ところが中国では、人民銀行がドル債を買って元を発行しています。人民元は、世界にはあまり知られていませんが、ドル準備制の通貨です。
理由は、元と中国国債は、資本が自由化されてないので、国際的な信用が低いからです。資本の自由化とは、企業や個人が自由に、外貨を買うことができることです。
政府は「中国人の、ドル買い/人民元売り」を恐れ、外貨への交換に制限を加えています。
資本を自由化すると、ホンネでは共産党政府と人民元の価値を信用していない富裕者の多くが「ドル買い/元売り」に殺到するからです。海外への留学と移住が多いことからも、わかるでしょう。
増えすぎた経済主体別の負債
こうした通貨シナリオを知っていれば、中国共産党は、以降で示す、リーマン危機のあとの不動産投資による負債の急増を、冷静に眺めることもできるでしょう。バブルの崩壊からの失業が引き起こす、天安門のような民主革命の恐れがなくなるからです。
政治・経済の体制の転覆であり下克上でもある民主革命は、計画経済の中で失業した、あるいは所得が減った貧者の連合の、富者への反感が起こすものです。中国では、資産バブルにより巨大な貧富の格差が生じています。
<中国の主体別負債:リーマン危機後から2年ごと(単位:10億ドル)>
2008年 2010年 2012年 2014年 2016年 2018年
——————-
政府 1,162 1,749 2,646 3,697 5,021 6,428
世帯 767 1,359 2,227 2,312 4,706 6,629
企業 3,928 6,429 9,818 14,096 18,090 22,052
——————-
合計 5,837 9,537 14,692 21,105 27,817 28,681
——————-
GDP比 145% 180% 187% 205% 255% 239%
——————-
データ:BIS(国際決済銀行)※ここでは2年ごとに示した
世界中の、部門別負債の大きなエクセルなので、分かりにくい元データが公開されています。BISの中国の負債データには、偽装はないと考えています。日本でも、順次、新聞が書くようになってきました。当方は、ほぼ4年前から、講演や書く時に使っています。
※参考:https://www.bis.org/statistics/totcredit.htm
中国では、建設会社が建物の骨組みを売り、買った人が内装と設備をします。このため、売れ残って夜間に照明がつかない骨組みだけの建物は、幽霊の屋敷に見えるので、「鬼城」と言われます。
建設する企業部門の負債は、2008年は3.9兆ドル(429兆円)と、GDPに対して97%と他国よりは大きかったものの、まぁまぁ妥当での線。
これが、2018年の3月には、22兆ドル(2420兆円)に膨らみ、GDP比184%という残高になっています。年平均の増加率は21%と、GDPの増加である10%程度の2倍です。平均増加額は、2兆ドル(220兆円)です。GDP比で1.8倍の企業部門の総負債は、日本の国債(GDP比約200%)と同じく、異常な大きさです。
企業の負債は、なぜ10年間も、年率20%という高さで膨らみ続けてきたのか。年1,000万戸の住宅建設、商業用不動産建設、インフラ投資のためです。
しかし、住宅建設では、それが売れれば、建設会社の負債は減って、世帯の負債に置き換わります。世帯の負債の増加は2008年に7670億ドル(84兆円)から6.6兆ドル(726兆円)です。
年平均で、71兆円の増加でしかない。他方で。多い建設業を含む企業の負債は、1年に220兆円という速度で増加しています。「近代化の経済」では、住宅、ビル、道路や電力の土木・建設業が多くなります。日本でも1980年代まで建設業は600万人でした。現在は500万
人。
なぜこんなに企業の負債が増えたのか。年平均1,000万戸の建設した住宅に、鬼城のままの売れ残り在庫が出ているからです。
新築の価格は、多くが売れていないので、下がっていない。毎年、新築が行われている新しい価格の統計だからです(筆者注:NYの調査会社によると、上海では、2018年の新築価格は、前年比で8%下がっているという調査が出ています。これは、まだ政府統計には入っていません)。
住宅在庫が5,000万戸
18年の12月に、ブルームバーグから、驚くべきデータが公表されました。中国の住宅在庫が5000万軒というものです。調査したのは、中国の西南大学の甘犁教授という。重慶市にある、この大学は、中国の失業率でも、本当を示すデータを出しています。
5,000万戸は、中国の全住宅の22%、1年で行う1,000万戸建設の5年分です。
※参考:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-09/PHWXGI6TTDSF01
一級都市の北京、上海、広州での、政府の在庫統計は、5か月分から10か月分でした。もっとも多いシンセンでも、20か月分です。しかしこの在庫が、全中国で5000万戸、新築の5年分という。
(筆者注:日本も、全住宅の13%・新築の8年分にあたる800万戸の空き家がありますが、中国とは、要因が違います。日本は、人口減と老朽化による空き家です。中国では、GDPを増やすための政府が音頭をとった「建て過ぎと価格高騰」が原因の空き家が多い。政府・銀行が、「貸付金」を増やしたからです。)
これで、中国の企業負債が、毎年平均2兆ドル(220兆円)増える一方で、減らない理由が分かりました。
作った物件が、約5年分も売れ残っていたのです。普通の世帯が買うことのできない価格(年収の10倍から15倍以上)の新築価格だったからです。
売れていないから、価格は最初のまま統計され、次のまた上がった新築価格になっているのでしょう。売れなければ世帯のローンには振り替わらないので、企業の建設費の負債が増えるままになります。
商業用の不動産でも、急激に伸びているアリババなどのネット販売によって、客をとられ、閑古鳥が鳴いているショッピングセンターが多いという。これも、企業部門の負債の増加になります。利益が出ず、借金を減らすことができなくて、運転資金借り入れが増えているからです。
こうした不動産が、投げ売りするしかない不良在庫にならないのは、政府の意向で動く、計画経済の銀行が企業に対して、利払いの分の追い貸しをしているからでしょう。他の国では、資金繰りのために投げ売りになります。
銀行からの追い貸しが続く間(企業負債が増える間)は、新たな借入金で利払いができるように見えるので、不良債権ではない。GDPの70%を生む国有企業の負債は、年220兆円という異常な金額で、膨らみ続けています。
価格下落の端緒は、最も住宅が高くなっている上海・香港・シンセン
最近10年で3倍に上がり(年12%上昇)、中国でもっとも高い香港の住宅価格は、2018年の8月のピークからは5%下げています(大手仲介業の中原不動産より)。※参考:WSJ2018年11月27日
戸籍人口2,418万人という上海の新築物件も、10%下げています。売れていない在庫が、もっとも多いシンセンも下げているはずです。なお中国の都市人口は、無戸籍(農村戸籍)を含むと約20%は多いでしょう。中国人には居住地の自由はないからです。
2019年は、中国住宅価格が下がる開始年でしょう。中国の総人口は、2018年から、日本の8年遅れで減り始めています。
世帯所得の増加率も年10%の期待から、商品生産の粗利益であるGDPの伸び率の低下に対応して、5%程度かそれ以下に下がってきているからです。
<期待所得の増加率は低下>
所得の、期待上昇率の低下への認識は、年収の10倍から20倍の高い住宅を買ってローンを組むことを、押しとどめます。共稼ぎを想定した男性は10年後、20年後の住宅価格と、所得の上昇を期待して(織り込んで)、住宅を買っているからです。
中国に多い共稼ぎで、無理なく買える住宅価格は、大都市部で、共稼ぎ700万円の年収の5倍から6倍までです。中国では、住宅を買うことが結婚の条件ですが、価格が上がってしまった30歳以下の世代には、これが果たせなくなっています。
<今後、住宅価格が上がる、需給面からの要素はない>
2019年に、中国の新築住宅価格が上がる要素はあるでしょうか。
(1)米中貿易戦争で、輸出が減り、所得を決めるGDPの伸びは低下する
(2)増え続けていた中国の人口が、横ばいから下落に入ったことにより、増え続けていた住宅の需要動機が下がり、少しずつ減少に向かう
ということは決定的な要素です。
国連は中国の人口は、2020年からピークになり、減少は2030年からとしていましたが、現実では、12年早まっています。1人の女性の出生率が1.28と日本の1.41よりも相当に低く、幼少人口の減少に慌てた政府が一人っ子政策を停止しても、子供の誕生が過去の想定より減ってきたからです。
※参考:https://toukeidata.com/country/china_jinkou.html
人口減は0.2%や0.3%と低いように見えても、平行する住宅価格の下落率では、年10%と高くなります。これが、シンセン、香港、上海で先駆けて起こっている下落でしょう。
住宅は「1年に10%は上がるという期待」から、賃貸しの投資用としても多く買われてきました。「10%下がるという予想」になると、中の上の所得クラスの人で二軒目三軒目、富裕者の10軒目や20軒目の新築住宅購入が、大きく減ります。
富裕層の住宅投資も大きく減少する
中国では、2014年ころまで、先進国以上に富んだ階層の投資・賃貸住宅の買いが多かった。世帯の居住のための需要より、価格が高く上がっていた理由でもあります。
需要数が減れば、売れる住宅価格は10%、15、20%、30%と価格が下がります。これが、2018年秋から2019年にかけ、新築価格ピークアウトしたあと、起こることでしょう。
政府が管理している新築住宅価格に、需要数の急減が反映されることはなくても、実際の売買市場では、下がって行きます。数年後は、新しく作られる新築価格も、大きく下げるでしょう。全住宅の5戸に1戸の割合にもなる、5000万戸の空き家が価格低下に及ぼす圧力は巨大です。
住宅価格の下落は、景気循環からでなく構造要因から
景気の減速がもたらす住宅価格の下落なら、回復もあるでしょう。2019年からの下げは構造的なものです。
日本では、200万戸/年だった新築が、1980年代末に、今の中国と同じ需要の構造変化から80万戸から100万戸に減っています。平均価格も年収の6倍から6倍で買うことができる価格(約半分)に下がりました。
同じことが、2019年からの中国で起こります。景気循環の問題ではないのです。
https://www.mag2.com/p/money/628666
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