是非多くの方にお知らせください。
消費税について、財政政策について、政治家について、そして菅内閣の危険性について。
動画も是非ご覧ください。

100616 菊池英博氏01.flv
http://www.youtube.com/watch?v=HsvKqGwVJEo&feature=channel

岩上：
菊池氏はどう見ているか。

菊池：
今言った通り、連立政権だから紆余曲折があっただろう。
まず最初に動いたのが補正予算編成。
自公政権が組んだ補正予算からムダを回収しようとした。本当は自公政権が組んだ予算は11兆あったが、みんな積み立てなど役人がどんどん埋蔵することになって、最初は5兆くらい回収しようとしたのが、結果的には2.7兆しか回収できなかった。これは大きな誤算でもあった。慣れてなかったから、民主党も突っ込みが足りなかった。
それを国民新党が7.2に積み増しをさせた。これははっきり言って鳩山政権を大きく支えた。これで株価が1万円に戻った、完全にそう。
その後モラトリアムと言われているが、中小企業の貸し渋り貸しはがしを阻止しようという法案。
もう一つ大きいのが、サラリーマンの住宅ローンの繰り延べ。リスケジュール、返済計画の見直し。これ、サラリーマンにはすごく良かった。「サラリーマン泣いて喜ぶモラトリアム」と言う川柳がある。これで救われているという声はすごく多い。特に中小企業はどんどん収入が少なくなってボーナスが出なくなって来ていて、ボーナス返済ができないない。それを解消しようとした。
もう一つモラトリアム法案が良かったのは、大企業が地方から回収しなくなった。金融庁の首脳から直接聞いた「あの法案は実は非常に効果がある。」
どういうことかというと、小泉構造改革になってから、銀行、特にメガバンクは地方、国内から50兆、60兆回収して海外に投資している。国内はリスクが高い、利回りが低い、危ないと言う理由で海外に。これは金融庁自身も問題だと思っていた。
ところがモラトリアム法案でこれが止まった。半年毎に国会に報告しなければいけないということでこれは大変だと。
いろんな意味で大きな底支えになった。
言葉を変えれば、亀井大臣が言うように、金融機関、特に大手銀行は社会的責任が欠けている。元銀行員だから分かるのだが、もちろん銀行は客観情勢に左右される。デフレだとなかなかリスクがとれないというのはある程度分かるが、過度に締め付けてきたのは事実。特にメガバンク。大きい銀行ほど激しい。横綱と序二段の相撲くらいどうしようもない。それを抑えた。
底支えで底辺が固まって、自殺しないですんでいる、生き延びられているというのが現状。

岩上：
貸し渋り貸しはがし、特に貸しはがし、資金を回収して海外に持っていくと言うような流れを止めたということで、国内に本当は国にも民間にも金はある、金はあるが金融は貸して回らなければ意味がないが、回ってなかった。それがまだ十分ではないが回り始めた。リーマンショック以降危機に陥っていた金融の根詰まりが流れるようになって、体が温まってきたそういう状態だと思う。
そこにいきなり財政が危険だから消費税を上げる、10％だと言う数字も出ている。これが財務省の強力な主導、個々の議員を口説いていく。洗脳とは言わないが強い働きかけ。そして出来上がった政権、菅政権の古川官房副長官、財務省ＯＢ、は財政再建に大変熱心な動きを見せていた。
菅政権の布陣や所信表明演説を見ていると、どうやら菅氏は財政を中心に持ってくるんじゃないか、これが景気の腰折れを招きかねないという懸念がある。家計、零細事業者は非常に弱い。資金を奪われて、圧倒的に大企業、あるいは株主の方、つまり資本家に回ってしまっている。こういう金の流れを、もう一度また負担を個人あるいは零細事業者にかけるようになってしまうのではないか、そして結果として消費を冷え込ませ、景気を腰折れさせ、税収が減る、上がらなくなる。こういう懸念を素人ながら持つ。

菊池：
まず鳩山政権と菅政権の大きな違いは、鳩山政権は消費税を4年間上げないといって選挙に勝った。それは何かと言うともっと財政支出をカットする。天下りに流れている金を回収する。更には特別会計を見直して、そこにある金を徹底的に回収する。
現在でも特別会計は5、60兆の埋蔵金がある。それは今残っていてすぐ使える金。
それ以外で更に踏み込めば無駄な金はどんどんある。例えば一番思うのは、サラリーマンは定年になるとどこかいに行く。役人だと天下り。企業だと子会社を作ったりしても給与はがばっと半分に減る、退職金はまず出さない、ゼロ。ところが役人は天下ると現役よりも給与が増える、その上退職金が出る。役員ともなれば、秘書や車がつく、これだけで年間1千万かかると言われている。そういうものすごい条件がある。
先日事業仕分けでパフォーマンスがあったが、それなりで、こんなムダがあるのかという一端は見えた。しかし一番要の天下りの退職金や手当てを下げると言うものは全くなかった。
鳩山氏も小沢氏もこれをやる気だった。役人は小沢氏を怖がる。そこに突っ込まれるから。

100616 菊池英博氏02.flv
http://www.youtube.com/watch?v=Lv6FzYnEUIc&feature=related

菊池：
役人は小沢氏を怖がる。そこに突っ込まれるから。
ところが今回ガラッと変わって思うことは、消費税始め税体系を表に出してきた。と言うことは、特別会計の中にある無駄な金、埋蔵金を全部使おうと言う努力を放棄したのでは。あるいは放棄させられたのかもしれない。それで結局財政を表に出してきた。ギリシャ危機をうまく使ったのだが。
一番大きな印象の違いは、今まで鳩山政権の時にはまだまだ埋蔵金をきちっと使って増税はそれからの話といっていた。が、今回は増税も社会保障や経済と同列に並べて考えるということだから、相当な違い。

岩上：
枝野幸男氏が主導した事業仕分け、非常に評判が良かったと思うが、最終的に仕分けできた金額はほんの何千億。特別会計にも手をつけなかった。天下りも、天下ってもいいが給与を下げるとか退職金を過大に払わないとか。

菊池：
（退職金は）ゼロになるべき。天下ったら要らない。現役時代もらっているし、彼らがもらう退職金は民間よりずっと高い。渡りで何重にも貰う。

岩上：
こういう利権に対してメスを入れる期待感があった。そして消費税を4年間上げない間に経済を立て直し、強化し、自然税収で財政再建を達成されていくんじゃないかという、期待感もあった。
ところが官僚の抵抗、我々の眼に見えないところだが、別の形である。私ははっきり疑っているが、東京地検特捜部が鳩山、小沢に対しほぼ言いがかりといっていいような「政治と金」のキャンペーンを張る材料を提供した。執拗な走査。例えば小沢氏は西松事件から1年数ヶ月操作し続けられている。

菊池：
あれは無罪。

岩上：
結局起訴が全然できなくて、検察審査会で出たのも期ズレ。つまり不動産購入と登記が2ヶ月違うというただそれだけ。それだけで強制捜査を2度も繰り返し、なおかつ側近を3人も逮捕した。
ここに来て、石川氏の件に関しては5千万をやるといっている。これは水谷の件では全く同じ手口で佐藤栄作・福島県前知事がやられたが、二審で賄賂性なし。しかも水谷会長は「検察の方から言われて、やってもいない賄賂を払ったと言わされた」とまで言っている。つまりでっち上げ、捏造。権力犯罪。ところがなぜか記者クラブメディアも足並みを揃えて、ひたすら小沢悪、鳩山悪といい続けた。
支持率が下がり、理不尽で筋が通らないことだが、辞めなければ参院選が通らないと言うことで、党のことを考え、自分たちの大義のことを考え、辞めざるを得なくなったのが真相であろう。
この官僚の抵抗と、このマスコミの足並みの揃え方という背景に、オール霞ヶ関およびそのＯＢたちの意思がある。
更に普天間の問題を見ていくと、霞ヶ関は、日本の国民が選んだ政府ではなく、アメリカに忠誠を誓っているように見える。普天間は軍事のことだが、他の経済的な要求でも、アメリカはかなり身勝手なと言うか、例えば年次改革要望書、あるいは郵政改革に関してもいろんな圧力がかかっている。それを外務省がアメリカに言い寄って、金融庁などにやってきて、亀井氏はかなり怒っていた。「外務省はアメリカの手先か。条約違反になるとかなんとか」と。こういう8、9ヶ月間の攻防を見ていると、国民と政府を分断させて、間にいる自分たちの利益を徹底的に守ろうとしている。結局官僚、司法、マスコミ、そしてアメリカが一体になった圧力がかかっている。非常に大雑把で乱暴なくくりだが、そのような気がしてならない。経済学の立場から見るとどうか？

菊池：
全体の流れ、動きはその通りだと思う。経済、財政に絞って話すと、新政権になって「強い経済、強い財政、強い社会保障」と言ったことは理念としてはいいと思う。これは神野直彦氏と言う財政学者が提案した。

コメント
01. 2010年7月01日 02:13:40: qRJNRIZ4NU これはすばらしい。アメリカの考え方がわかってきた。
02. 2010年7月01日 11:03:45: ZM0S5y33Mg やっと昨日で、１年契約の新聞購読が終了しました。（今朝も入っていたけど） ＜菊池氏 あれは無罪＞ 本当に　この検察でっち上げの小沢潰しがなければ 参議院選挙もこんな事にはならなかった。 いや　去年の８月に小沢政権が出来ていた筈だ。 今のマスコミは国民を＜あき・・・＞にさせるために有るのでしょう。 新聞が真実を書く日がきたら　又新聞を取ることにしよう。 きっと来ないね。
03. 2010年7月01日 23:49:55: yZ9xgOlnRg 日本が再生するには新聞・テレビ・官僚などがくたばらないとダメなんですね。
04. 2010年7月02日 13:10:27: JkIvW1jKh6 何故日本人の世論は冷静にものを見ないのでしょうか。国民さえ考える力があったら、もっと早くに本当の民主政権ができていたでしょう。いまだに小沢氏をちゃんと評価できない世論に腹立ちます。

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