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(回答先: Re: 100616 菊池英博氏(岩上チャンネル) その7 (書き起こし) 投稿者 読書中。 日時 2010 年 6 月 29 日 01:01:27)
続きです。
(「Re:100616 菊池英博氏(岩上チャンネル)その7」はその8の誤りです)
100616 菊池英博氏17.flv
http://www.youtube.com/watch?v=x8Jzvd5otbU&feature=related
菊池:
いずれにせよ今の民主党の現在の政権から出てくる意見、典型的なのは「消費税を上げて法人税を上げる」という意見が、民主党の全体だとは思わない。選挙でも消費税を上げると言ったらどうなのか。みんなの党が絶対消費税を上げないと言っている。自民党が10%上げると言っている、後追いして民主党もドッキングした、これはおかしい。
岩上:
この間の国会でも菅氏はみんなの党には厳しかったが、自民党には秋波を送っているような、ひょっとすると参議院でうまくいかなかったら大連立なのか、と。
みんなの党がみんなの党で信用できないのは、小さな政府と言っておきながら、目の前では消費税を上げないと言っている。基本的には法人税を下げる、優遇する。市場原理主義。みんなの党に中道左派的な思考は全くない。今明らかに右派に行ってしまって、富が偏在し、大多数の国民が窮乏化している、そこにお金が戻ってくる。それが消費、家計、子どもを作って、結婚して、という人々の営みがなされていく、国内経済が循環していくようなしくみをつくらなければしょうがないのに、それが全然行われない。
そこに向かっていかなければならないのに、日本の富を吸い上げ海外に持っていこうという力が日本の国内でも働き、海外からも要請される。
お聞きしたいのは、米国債がもう一段クラッシュして暴落する、そういう話がある。そうすると中国は売るだろう、すると日本だけがババを掴まされかねない。これに関しては?
菊池:
アメリカ国債が暴落すると言うことは円高になる。国債は暴落すると言うことは、みんなが競って他の通貨を買うということ。円高になると思う。
方向として円高だと思っている、実は。それと日本は円高に対してそんなに危機意識を持つ必要はない。円高になったところで、輸出は伸びる。どうしてかと言うと原料は安くなり、交易条件は有利になる。安く原料が帰るから、円高と言うのは結果的にマイナスではない。
円高が大変だと言うのは、輸出企業が大変になるからだと言うが、バブルの最盛期、1989〜90年、円はどんどん高くなった。1991年には1ドル80円を割ったこともある。それでも国内が活況だったから税収は落ちていない。国内が活況だったから。円高が怖いのは輸出に頼ろう、頼ろうとするから。
野口悠紀雄氏がよく言っているが、円高を怖がることはない、円高メリットの方が多い、ということ。円高メリットが多いというのは、円高になると輸出収入が減るのは確か。その代わり国内の需要を喚起する政策を取ればいい。そこに移行しようとしないから、結局円安誘導をする。個人的意見だが。
指摘のアメリカ国債が暴落すると言うことは、超円高になる。
岩上:
怖いシナリオとしては、日本は属国なので頼まないが、中国に対しては米国債の棒引きを頼んだと。その代わり安全保障上の問題として、アメリカは後退し、極東を中国の勢力圏にするという説があると聞いた。
菊池:
誰が言ったかはっきり記憶がないが、アメリカはあれだけ債務があって、どうにかこれを解決しなければいけないときには、日本に対しては平気で棒引きする。日本は育ててやって防衛もしてやったじゃないかと。ただ中国に対しては何かバーターが必要なんじゃないか。その時に2年前にこういうことがあった。どこかの国際会議で中国の軍人が「ハワイから西はアメリカ、東は中国が安全保障を担うのはどうか」と言った。これは衝撃的。アメリカの勢力をハワイから西、つまり東アジアから駆逐しようという。
岩上:
第一列島線と言われる、米中の勢力線は日本列島の西側を通ったところにあると言われている。しかしこのラインを超えて中国は海軍が、原子力潜水艦などが太平洋に出てきている。第二列島線というのは日本列島の東側、ここまで中国が制海権を持つ、つまり制海権を持つとなると、アメリカはグアムあるいはハワイまでじりじり下がるということになるかもしれない。それを目指して中国海軍は増強を続けていると言われている。平松氏などはずっと前からそういっている。
軍事の人は国債の話をしない。国債を論じるのはエコノミストで軍事のことをあまり考えなかったりするが、本当はきちんと重ね合わせなければいけない。
バーターと言うのはいろんなところで耳にすると思うが、本当だとしたら恐ろしい話。
菊池:
どこから来ているかと言うと、アメリカが債務をどういう風に処理していくかと言うことから来ている。これはアメリカの景気が回復して物価が上がっていく、端的に言うとインフレ基調になると債務はだんだんと吹き飛ぶ。クリントンのときはインフレにはならなかったが経済成長と物価が5%くらい上がった。両方の面で理想的だった。オバマでその可能性はあると思う。ただ、国際情勢の関係で、アメリカ経済は外から足を引っ張られている。アメリカは特に輸出したい。輸出したいから円高になる。輸出したくてしょうがない、つまりドル安にしたい。
100616 菊池英博氏18.flv
http://www.youtube.com/watch?v=olnnwzOWcGE&feature=related
菊池:
アメリカは輸出したくてしょうがない。ドル安にしたい。機を見てドル安を狙っているはず。オバマが完全にドル安を狙っているのは施政方針などで明らか。どうしてかというと就任早々言っているのは、国民はもう余り金を使うな、消費じゃなくて貯蓄しろ。その代わり政府がデフレ対策、景気振興で使うから、とこう言っている。すると作っている人たちは国内の消費が落ちるから輸出するしかない。だから一生懸命輸出している、そして中国の輸入を抑えようとしている。
ユーロもそうでしょう。ユーロが安くなって大変だ大変だと言うけど、ドイツなどは喜んでいる。輸出できるから。日本は悲観的なことばかり言うが、両面ある。個人的にはもっと円高になったほうがいい。
岩上:
前の民主党政権、政権交代して藤井氏は円高容認と言ってずいぶん叩かれた。
菊池:
あの人は言い方が悪い。自然体に任せると言ったが、別の言い方にすればよかった。菅氏は財務大臣に就任したときに円安がいいといって、一時上がった。その流れで、就任して今はドル高になっている。しかしドル安になると思う。
個人の意見として、円高の方がいいと思う。それでも輸出は伸びる。消費税0だから、5%の補助金が出ているということ。国内企業にはない。日本の企業は放っておいてもどんどん輸出する。逆に言うとこれは日本にとっていい。外貨を稼ぐ。ギリシャと一番違う。
ギリシャの問題が出ないから、ギリシャと日本が全く違うところを言っておくと、まずギリシャがどうしてあのようになったかと言うと、まず財政赤字、貿易赤字、経常収支赤字、債務の方が資産よりも多い膨大な重債務国。
一方日本はまず貿易収支が黒字、所得収支、260兆を海外に出しているから収入だけで10兆くらいあって黒字、経常収支は黒字、財政は赤字だが対外的に海外に債権がある。フローも黒字、ストックも黒字。だからギリシャとは全然違う。
重債務で見たとき、債務がGDPの200%あるというが、実は日本は半分。そういうところで日本と全然違う。
ただ日本が考えなければいけないところは成長戦略だが、その成長は国内経済を成長させないとダメ。円高になると輸出は大変だが、国内はみんな何かしようとする。その方がいい。資源も安く買える。と言うのが私の意見。
岩上:
近いうちにお客を入れて皆さんの意見を聞く機会を。
菊池:
見てくださっている方の意見を聞いて議論するのは面白いと思う。
最後に一言。今の民主党の政策が、アメリカの共和党のような政策だったら、完全に行き詰ってしまう。手元にある資産が海外に出て行くだけになって、国内が一段と疲弊するのではないか。内需拡大をどうしていくか。内需拡大の一番は社会的インフラの充実。例えば、亀井静香氏の言われる電線の地中化。通勤にしても日本はとろとろ進むが、ニューヨークなどは50キロくらいで進む、そういうことを5年10年計画で。大恐慌のアメリカが一番やったのは社会インフラの充実だった。高速道路、NYのエンパイヤステイトビルは1931年の大恐慌の最中に作って未だに残っている。そういうものをこの際やり直して社会的インフラを充実する。農業の自立とか。
岩上:
農家の個別所得保障も散々批判されてたが、世界中どこでもしていること。
菊池:
あれでいい。アメリカでもフランスでも。個別所得保障というのは何かと言うと、社会保障で農業政策じゃない。だからWTOで認められている。
岩上:
ベーシックインカムのようなもの。
菊池:
そう、アメリカがWTOか何かで叩かれたとき、あれは社会保障だといった。
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- 100616 菊池英博氏(岩上チャンネル) その10:最後 (書き起こし) 読書中。 2010/6/29 01:08:29
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