http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/399.html
Tweet |
逃げ馬たち
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=WDRhe4yKBlw&feature=related
1. 伝説のツインターボ
ゼッケン11番ツインターボ。
中山競馬場がどよめいた、あの軌跡。
実況が聞こえない歓声・・・
私は忘れない。ツインターボを・・・
6歳の夏、福島競馬場での七夕賞でツインターボは突如蘇った。
笹倉武久調教師に「思い切った逃げの打てる人物」と見込まれた中舘英二騎手は、師の思惑どおりにスタートからどんどんとツインターボを加速させると、前半1000b通過57秒4という凄まじいペースで後続を突き放し、4馬身差の圧勝劇を飾ったのであった。このコンビの快進撃はなおも続き、産經賞オールカマーではGI馬ライスシャワーなど
一線級を向こうに回して果敢に逃走、まんまと勝利を奪う。そのあまりに強烈な勝ち方にファンは熱狂した。
http://www.jra.go.jp/topics/bn/mc_tm/tm05_0702.html
彼が一たび走ればスタンドからは笑いが沸き起こり、向こう正面に達する頃には地鳴りのような歓声に変わる。
ツインターボは、ゲートが開くと同時にロケット花火のように飛び出し、ペースなどという単語を微塵も感じさせない破滅的な大逃げを打った末に逆噴射を起こし、ともすれば故障発生にしか見えないようなムーンウォークを見せ、最後は歩いてゴール板の前を通過する。
彼の古馬時代はそのような競馬ばかりであり、勝ったレース以外では掲示板にすら載っていない。古馬になってからは25戦してたったの3勝である。
そんな競馬しかできなかった馬が、惨敗続きの古馬時代に人気を呼んだ。
ツインターボの魅力とは何なのか。
「何故こんな馬が好きなのか?」
とファンに訊けば、彼らは、
「だって、見ていてゾクゾクするじゃないか」
「それでこそツインターボでしょう?」
と口を揃えて言うだろう。
そう、ツインターボとは、「様式美」なのである。
美しくも儚い大逃げとその直後の急激な逆噴射、それがツインターボの競馬であり、勝ち負けを争うレースとは別世界の物語なのである。
近年の日本競馬界が侵されている重病、「スローペース症候群」。
スタートからテレテレと走り、最後の直線に向いたらヨーイドン! そのような競馬ばかりが目立つようになって久しくなった。
だがスローペースや差し・追込みが悪いわけではない。
みんながみんな同じ事をしてしまったら、特徴も何もなくなってしまう。毎度毎度レースを見れば同じような展開ばかり……
そんな時代に現れた逃げる救世主 ツインターボ。
後方で牽制しあう有力差し馬達を尻目に何処吹く風とばかりに破滅的なペースでガンガン加速していく。
「ターボについていったらお終いだ。どうせ最後はバテて歩くんだから」
と考えて有力馬が揃って控えたら、もうそこはツインターボの桧舞台。
ネタ馬扱いされていた馬が、良血の強豪馬に泡を吹かせる――
そんなマンガのような胸のすくレースを夢見て、今日もターボの逆噴射を眺める。その夢がいつか現実のものとなる日が来ると信じて。
そして彼は、七夕賞とオールカマーで、その夢を2度も現実にした。
ツインターボが伝説となった瞬間だった。
ターボの死から11年が経とうとしている今も、競馬ファンは未だにターボを愛し、熱烈なファンが次々と生まれている。
http://74.125.153.132/search?q=cache:zvkaegjZc-4J:210.135.99.86/k/a/%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9C+%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9C+%E9%A6%AC&cd=35&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
畠山直毅という競馬ライタがいる。
畠山直毅は、常に狂おうとしている。狂気を生まれ持てなかったから、たどり着こうとしているのだ。狂気へ。
だから、まさしく狂気そのものであるツインターボに自分を重ね、
「ツインターボを種牡馬にする会」まで結成する。
それは同時にギャンブルでしか狂えない自分の想像かつ依存で、家族に見捨てられ、借金を抱え込み、ホームレスになって・・・それでもまだ競馬ライタをやっている。
アタシは彼の生き様に嫉妬し、彼がツインターボを書けば涙する。
彼が自分をツインターボに重ねたとき、彼は狂気を具現化する。
彼がツインターボを書くとき、彼は狂気となる。
彼の文章はツインターボを書くとき、月のように光り輝く。
ツインターボの逃げは狂気だった。
見る者を取り殺す凶器。
狂うことすらできず「抜かれるのはイヤだから」と、後ろから追走するだけの人間。
狂うことすらできず「本気を出せば、こんなもんじゃない」と、嘯くだけの人間。
狂うことすらできず「あいつらには俺の実力が見抜けないんだよ」と、否定することしかできない人間。
そんなアタシには強く、まぶしく、そして魅力的すぎて手の届かない狂気。
だからアタシは、ツインターボに、逃げ馬に強く憧れる。
http://gennari.net/meta/twinturbo.htm
___________
本当に人気がある馬でした…
『ターボエンジン全開』とか『永遠の逃亡者』とか、いろいろなキャッチフレーズがありましたが…
パドックの垂れ幕の『俺にかわまず逃げてくれ』は最高でしたね…
結局オールカマー以降は勝利を挙げられなかった。中舘は
「オールカマーで燃え尽きちゃったような気がする」
と語ったが、不振の最中にあっても、その潔い「負けぶり」からファンの支持を集め続けた。
「玉砕また玉砕。しかし、99回玉砕しても百回目には逃げ切るんじゃないか、と期待された」
「観客の頬はどれも『いつ止まる?』と緩んでいた。
そして失速後退の瞬間、彼の馬券を握っていた者も握っていない者も大声で笑った。
悲壮感なき玉砕。
こんな馬、他に誰がいるか。いない。ツインターボだけだ」
「あの大逃げが決まったときは本当に気持ちよかったし、逆につかまるときも良かったよね」
「大きいところは勝ってないけど、こういう馬がいないと競馬は楽しくないよね。大好きな馬でした」
なお、ツインターボが競走生活を通して逃げなかったのは、スタートで出遅れて最下位となった帝王賞(公営・大井)のみだった。
このとき騎乗した武豊に対してライターの加藤栄は、大逃げを見たいという主催者とファンの期待に背いたとして
「武はまったくもってつまらない競馬をした」
「生涯逃げ馬じゃなくなっちゃった。ツインターボの経歴に傷を付けた」と非難。
「Dream Horses 2000」の誌上講評会においては、作家の吉川良はツインターボの選出に絡めて
「今の競馬をつまらなくしているのは、みんな同じような乗り方をする騎手にも責任があると思うんだ」
本当に小さな馬体ながらも、とにかく逃げて逃げて逃げまくって、という馬でした。
ツインターボは、小さかったからなのか、とにかく怖がりで、馬群の中に入れたらひるんでしまって全く競馬にならない気性の馬でした。
逃げるしか勝つ道はないといった感じで、それも抑えてスローペースで逃げても、後ろから追われている気がすると走るのをやめてしまうようなところがあり、ハイペースでの大逃げ。後ろの馬がついてこれないようなペースで逃げて、後はどこまで逃げ粘れるか、といった馬でした。
福島、中山と右回りの小回りの競馬場に強く、斤量が56kg以下で上手く逃げたら、簡単には止まらない。
逆に言うと、左回りはダメ、57kg以上背負うとダメ、上手く逃げれないとダメということで、いつも今日は逃げ切れるかなぁ・・・とか楽しみながら見ていたのが懐かしいです。
物凄いスピードで逃げるから、短距離向きの馬かと思いきや、元来はバリバリのステイヤー血統。なので、スタミナ型の馬だったんですね。だから、物凄いペースで逃げながらもしぶとく粘って粘りきってしまう馬だった。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/1089/keiba/meiba/27.html
ツインターボは、いつも大逃げで人気者になった馬…
でも3歳までは結構正統派だったんですよ…
あ、この馬も3部構成にすると分かりやすいな…
それでは3歳終わりまでの、ツインターボ第1部から成績を振り返ってみましょう…
基本的に始めから逃げ馬だったツインターボ…
デビューから逃げて快勝の2連勝!
続いて出走した青葉賞・駒草賞は、9着・5着に沈みますが…
ラジオたんぱ杯をキッチリ逃げ切って早くも重賞制覇!
そして秋になってもセントライト記念・福島記念と連続して2着に粘り、完全に重賞の常連になる…
そして暮れには有馬記念にも出走…
ハイペースで逃げ惨敗しますが、最低人気ダイユウサクのレコード勝ちを演出するきっかけを作る…
と、ここまでがまあまあ正統派なツインターボの第1部なんですが…
あの有馬記念で何か感じるものがあったんですかね?
それとも、『ツインターボ』なんて言う名前なだけに、元来『暴走願望』があったんですかね?
とにかく、ツインターボ第2部は大逃げを繰り返すようになります…
相手とか、スタートの良し悪しは関係なく、とにかくスタートしたらがむしゃらに先頭に立ちにいく…
そしてペースとかは無視して他馬を離してぶっ飛ばす!
いつからこういうレースするようになったんですかね?
とりあえず、古馬初戦は10ヶ月の休み明けの福島民友C…
ここは一番人気に推されるもシンガリ負け…
で、5歳になって…
金杯…
中山記念…
新潟大賞典…
と、たぶん普通に逃げて6着・6着・8着…
で、次からなんですかね?
ツインターボが大逃げをするようになったのは?
名コンビ逃げの名手・中館と初コンビを組んだ七夕賞…
ここをハイペースで逃げて圧勝するんですよね…
1993年七夕賞
http://www.youtube.com/watch?v=mrLpghUUxXE&feature=related
で、続く伝説のオールカマー…
ここでもハイペースでぶっ飛ばし、4コーナーでも他馬は遥か後方…
マックイーンを敗ったばかりのライスシャワーなども出てたんですが…
2着ハシルショウグン以下に5馬身差をつけ圧勝してしまうのです…
ここからはもう生ける伝説ですよね…
1993年オールカマー
http://www.youtube.com/watch?v=uNYveNvRm4M
続く秋の天皇賞では前売り一番人気で出走しますが…
ここぐらいまでが第2部なんですかね?
その後は、約一年間で重賞に四回出走しますが…
三番〜四番人気に推されるも逃げて惨敗…
しかし、その人気は衰えることなくファン投票で有馬記念に出走します!
年齢的に最高のパフォーマンスを最高の舞台で発揮できる最後のチャンス!
ツインターボは田中勝春とのコンビでファンの期待に応える最高のパフォーマンスを披露する!
このレースには三冠馬ナリタブライアンが出走していましたが、ツインターボにとってそんなことは関係ない!
実況
『ゲート開いた!スタートを切りました!
シャドーロール・ブライアン!
早くも先頭に立つ勢いでありますが、やはりここはツインターボにいかせました…
やはり大逃げを打つ気か田中勝春とツインターボ!
(中略)
さぁツインターボが一気に後続との差を7馬身から8馬身9馬身と差をつけていきました!
さぁ一周目正面スタンド前に入ってまいります…
田中勝春とツインターボ、30mから40mのリード!』
いきなりその他の馬とは別次元の競馬で、大差をつけて逃げを打つツインターボ…
二番手との差がどれ程あるのかすら分からない大逃げに場内は大歓声!
そして他馬がゆっくり1コーナーを回ってる間に、ツインターボだけはエンジン全開で向う正面に突入していく!
実況
『さぁ早くもツインターボは向う正面!
2コーナーを回って向う正面に入っています!
田中勝春とツインターボ、30mから40mのリード!』
さぁ、もう十分自身の役目を全うしたツインターボ…
残る使命は華々しく散る姿をファンの記憶に焼き付ける事!
3コーナー目前!
おあつらえ向きに二番には、抑えきれない手応えでナリタブライアンが上がってきている!
ここしかない!
ツインターボはギアをバックに入れ…
ターボエンジンを逆噴射させる!
実況
『さぁツインターボのリードが、しかしまだ20mから25mある!
しかし!
一気に後続が差を詰めてきた!
一気に後続が差を詰めてきた!
ちょっと脚が止まりそうだ!
一気にツインターボが捕まりそうだ!
さぁ!
シャドーロールが見えている!
シャドーロールが見えている!』
1994年 有馬記念
http://www.youtube.com/watch?v=tOQsDmQIpLE&feature=related
http://blog.livedoor.jp/runfor4/archives/50993394.html
年が明けると、もう満足にスタートダッシュを決める事も出来なくなったツインターボ…
そしてツインターボは上山に移籍した
移籍緒戦こそ勝利で飾ったもののやはりその後も怪我の影響か成績が伴わず、ついに引退に追い込まれた。
競馬場の視線を一心に集め、それを楽しむかのように逃げ続け、ファンを沸かせたツインターボ。
無名の父ライラリッジ。自身の成績は、ラジオたんぱ賞・七夕賞・オールカマーと重賞3勝。
種牡馬いりには微妙な背景。
いや正直いって乗馬になるのかとさえ思った。
だが熱心なファンの声に応えてくれたのが宮城県の斉藤牧場の斉藤米造さんだった
めでたくツインターボは種牡馬として迎えられた。
http://ststst.fc2web.com/horse/love/l-tar1.htm
彼を預かった牧場ではターボに期待を賭けていたらしい、自分の所の繁殖牝馬(しかも3頭中3頭)の全てにターボを付けたと言うから、驚きである。特に血統がいいわけでもなく、活躍をしたわけでもない、そんなターボに財産の全てを賭けたようなものだ。
http://members.at.infoseek.co.jp/raisha/twintarbo.htm
だが翌年の平成10年1月15日
ツインターボは倒れた。 心臓麻痺だった
ツインターボはレース同様全速力でその生涯を駆け抜けていってしまった。
400`そこそこしかなかった小さな体で常に先頭をひた走った逃亡者は今、繋養先だった宮城県の斉藤牧場で静かに眠っている。
______________________________
20世紀の名馬100 (91/100)ツインターボ
http://www.youtube.com/watch?v=gNDdsckzpKY
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
- メジロマックイーンとトウカイテイオー 世紀の対決 中川隆 2020/12/20 17:24:38
(0)
- サイレンススズカ スピードの向こう側へ _ 速さは自由か孤独か 中川隆 2011/6/25 21:09:07
(0)
- 競争馬は引退したら乗馬になる 中川隆 2010/9/25 21:28:23
(0)
- ディープが飛んだ _ 前代未聞、空前絶後の名馬 ディープインパクト_その強さの秘密 中川隆 2010/9/19 18:20:38
(0)
- 史上最強馬 テイエムオペラオーが走りたくなくなった理由 中川隆 2010/9/11 18:07:06
(0)
- その時、馬に神が宿った2 _ ステイゴールド 中川隆 2010/9/02 23:12:46
(4)
- その時、馬に神が宿った3 _ ダイユウサク 中川隆 2010/9/02 23:36:39
(3)
- その時、馬に神が宿った4 _ カンパニー 中川隆 2010/9/03 23:13:44
(2)
- その時、馬に神が宿った5 _ ライスシャワー 中川隆 2010/9/04 18:03:14
(1)
- その時、馬に神が宿った6 _ レッツゴーターキン 中川隆 2011/4/23 14:50:50
(0)
- その時、馬に神が宿った6 _ レッツゴーターキン 中川隆 2011/4/23 14:50:50
(0)
- その時、馬に神が宿った5 _ ライスシャワー 中川隆 2010/9/04 18:03:14
(1)
- その時、馬に神が宿った4 _ カンパニー 中川隆 2010/9/03 23:13:44
(2)
- その時、馬に神が宿った3 _ ダイユウサク 中川隆 2010/9/02 23:36:39
(3)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。