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貧困の女性化:長時間で無報酬の労働が大半の女性←性差を埋めるとプラスの変化が表れる【JICA】
http://www.asyura2.com/0502/social1/msg/354.html
投稿者 エイドリアン 日時 2005 年 5 月 22 日 23:31:38: SoCnfA7pPD5s2

(回答先: 『有権者の半分が“物事を子宮で考える”女性』と言う表現の撤回を求めます。 投稿者 エイドリアン 日時 2005 年 5 月 22 日 23:19:48)

■ ジェンダー

20世紀後半、開発途上国における健康や教育などの状態に進展が見られた。
しかし、男女不平等はあらゆる地域に残っている。


 ▼ 男女不平等はあらゆる地域に根強く残る

   ジェンダー開発指数(GDI)の世界ランクと男女格差


( )内はGDI順位
出典:世界銀行「男女平等と経済発展」、UNDP“Human Development Report 2003 ”

上の図は、政治的・法律的権利、社会・経済的権利、婚姻・離婚手続き上の権利という3つの基本的権利に関して、男女がどのくらい平等であるかを示している。指数4に近づくにつれ、男女均等度が高くなるが、先進国の集まりであるOECD(経済協力開発機構)諸国でさえ、完全な男女平等には至っていない。

全世界で貧困状態にある13億人のうち、70%が女性といわれ、途上国の9億人に上る非識字者のうち3分の2が女性だ。この現実から、「貧困の女性化」、「貧困には女性の顔がある」などといわれている。

グラフにあるジェンダー開発指数(GDI)とは、人間開発指数(HDI)同様、人間の基本的な能力の達成度を測定するものだが、男女間の達成度の不平等を反映している。保健衛生や教育、1人当たり国内総生産などを基にした人間開発指数では9位の日本も、GDIでは13位。

援助供与国である日本での男女平等の実現なくしては、途上国に対する真の男女平等支援はできないだろう。


 ▼ 政治、経済活動への参加が低い女性たち


出典:UNDP“Human Development Report 2003 ”

女性の健康や教育に関する状況が向上し、この分野における男女差が縮まっているのは確かだが、上のグラフに見られるように、途上国ではまだまだ改善の余地がある。

それでは、政治や経済活動への女性のかかわり方はどうだろうか。国連開発計画(UNDP)は、1995年より、ジェンダー・エンパワーメント測定(GEM)という指標を用いて、政治や経済への女性の関与状況を示している。GDIでは世界13位だった日本も、GEMとなると44位。GEMは比較可能なデータを持つ70カ国でランク付けしているので、日本は上位半分にも入っていないことになる。

男女平等を進めるには、法的整備が助けとなるが、どこの国でも議会に占める女性の割合はとても低い。全世界を見渡すと、国会の議席は男性の9分の1だし、閣僚に至っては男性のわずか6%というありさまだ。

これまでの種々の調査で、女性の権利が大きいところほど政治的腐敗のレベルが低いという結果が得られている。ビジネスに携わる女性が役人に贈賄することも比較的少ない。

古い価値観を転換し、政治・経済への女性の進出が望まれる。


 ▼ 長時間で無報酬の労働が大半の女性


出典:世界銀行「男女平等と経済発展」、UNDP“Human Development Report 2003 ”

グラフは、労働市場と非労働市場で働く男女の一日の労働時間を示している。非労働市場とは、家庭で働くこと、つまり、家事や家の仕事の手伝いをすることを意味する。これを見ると、一日の労働時間はどの国も女性のほうが長く、家庭でも女性のほうが長く働いていることが分かる。

経済活動に従事する男女のうち、男性を100とした場合の女性の率は、ケニア85%、ネパール66%、インドネシア68%、グアテマラ42%、フィリピン61%、アメリカ82%、そして日本は67%となっている(2001年、UNDP)。女性は、家庭生活に必要な炊事、洗濯などの家事に加え、子育てや介護を担うケースが多い。これらはほとんどの場合、無報酬だ。もしも女性の無償労働が国内総生産(GDP)に加算されると、世界の総生産は約25〜30%増加し、女性の労働市場への参加率は男性と同様かそれ以上になると推測されている。

今、全世界の女性の勤労所得は男性のおよそ3分の1しかない。しかし、無償労働の多さという実態を見れば、女性の所得が低いのは、働いていないことを意味するものではないことは明らかだ。


 ▼ 性差を埋めるとプラスの変化が表れる


出典:世界銀行「男女平等と経済発展」

グラフは、学校教育における性の格差を埋めた場合、経済成長が促進されるという予測を示したものだ。東アジアと同じレベルのペースで、就学率など男女の格差を埋めた場合、各地域の国民総生産(GNP)はもっと伸びていただろうという結果が出ている。

女性に対する教育がよい方向をもたらす例として分かりやすいのは、子どもへの影響だ。母親の教育レベルが上がるほど、予防接種を受けさせる率も上がり、結果として乳幼児死亡率が低くなる。また、女性の教育レベルを上げることは、自然環境を守ることにもつながる。開発途上国の貧しい地域においては、薪や生活用水などを自然資源に大きく頼っており、それらに関する仕事は女性の役割とされる場合が多いからだ。

こんな例がある。新しい農業技術の研修をしたとき、研修に参加したのは男性だけだったため、実際に農作業をする女性に技術が伝わらなかった。女性にも研修参加の機会が与えられていれば、農業生産率がアップしただろうことは想像に難くない。大切なのは、男女が互いを尊重し、平等な機会が持てる社会へと変えていくことだ。

ジェンダー

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