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(回答先: 理不尽が当たり前の社会に (World Report) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 4 月 08 日 22:23:23)
公示地価は誰が決める?
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公示地価が発表になり、一部では上昇したから今後日本の地価は上昇すると述べるマスコミ・専門家が多くいますが、では一体この公示地価は誰が決めるのでしょうか?
何を寝ぼけたことを言っている、実際の売買に決まっているではないか!
と述べる方も多くいると思います。
では、10%もの上昇をした銀座4丁目は売り買いされたのでしょうか?
大阪の阪急ターミナル前は取引されたのでしょうか?
面白い事例をご紹介しましょう。
1) 九州新幹線が開業しました鹿児島市内で地価が上昇していますが、地元自治体は?となっています。
<地価上昇の理由>
九州新幹線が完成=新幹線効果で経済が活性化=地価上昇
2) 京都では上昇・横ばいの地点が3箇所から26箇所に急増していますが、これには『ようこそジャパン:Visit Japan キャンペーン』があるとされています。
<地価上昇の理由>
観光客が増える=経済効果がある=地価上昇
これはほんの一例ですが、公示地価とはこのように“あやふやな”理由で上昇とはじき出されているのです。
では誰が一体どのような方法で算出しているのでしょうか?
答えは以下の通りです。
<公示地価の算出方法>
一地点につき、2人の鑑定士が評価し、その鑑定には以下の要素を考慮する
1)周辺の取り引き事例比較
2)どれだけ収益を生むか
3)開発費用
ところが、これだけではないのです。
最終的には国土交通省の鑑定官が決めるのです。
調査・発表を担当する国土交通省のお役人がシナリオを書いてそれに従った数字をはじき出すのです。
これでお分かり頂けたと思います。
お役人が地価はこれくらいが妥当だろうとして数字を作り、世論を誘導しているのが、今の公示地価なのです。
驚かれたと思います。
このような方法で算出された数字を、それを大新聞・大マスコミ・一流シンクタンク等が利用して、『不動産が上がりました、もう経済の再生は終わりました、株式を買いましょう!不動産を買いましょう!』となっているのです。
更に、その発表の具体的な内容をご覧に入れたいと思います。
昨年(2004年3月23日付け新聞)
公示地価 東京都心下げ止まり感 国土交通省 「変化のきざし」
全国平均−6.2%(2003年は−6.4%) 住宅地−5.7%(2003年は−5.8%)
東京圏 −4.9%(2003年は−5.9%) 住宅地−4.7%(2003年は−5.6%)
大阪圏 −8.3%(2003年は−9.1%) 住宅地−8.0%(2003年は−8.8%)
名古屋圏−5.3%(2003年は−6.1%) 住宅地−4.9%(2003年は−5.6%)
地方圏 −6.5%(2003年は−6.0%) 住宅地−5.7%(2003年は−5.1%)
今年(2005年3月24日付け新聞)
公示地価 大都市圏に底入れ感 国土交通省 「変化のきざしが鮮明」
全国平均−5.0%(2004年は−6.2%) 住宅地−4.6%(2004年は−5.7%)
東京圏 −3.2%(2004年は−4.9%) 住宅地−3.2%(2004年は−4.7%)
大阪圏 −5.4%(2004年は−8.3%) 住宅地−5.4%(2004年は−8.0%)
名古屋圏−3.5%(2004年は−5.3%) 住宅地−3.3%(2004年は−4.9%)
地方圏 −6.0%(2004年は−6.5%) 住宅地−5.4%(2004年は−5.7%)
2004年が<−6.2%で変化の兆し>で、2005年が<−5.0%で変化のきざしが鮮明>
お役人の仕事は、継続性が最も重要視されるために、上記のような表現になったものですが、来年はこのままいけばこのようになるでしょう。
<変化の兆しが継続>
もっともこのような数字の遊びはなにも公示地価だけにあるのではなく、GDP統計や失業率、国民金融資産統計等にも言えることであり、この点では、中国のGDP統計がおかしいというのは、“お互い様”といえるのかも知れません。
『統計数字とはこのようなものだ』という認識を持っていればそれでよいのですから。
それにしても、なぜ官僚はこのような地価上昇を演出したのでしょうか?
答えは、不良債権処理を手がけた外資が、今、日本から撤退しつつあり、何としても不動産バブルを作りたいからなのです。
個人・地方銀行が抱えています膨大な資金で、彼ら外資が今まで安く手に入れた不動産を高く買わせたいからなのです。
不動産投信(リート)などは、その典型例です。
不動産投信(リート)となれば、地方銀行・都銀・生保・企業・個人は何も考えずに猛然と資金を投入しています。
外資たちはこれに自分達がべらぼうな安値で買った不動産を堂々と公示地価がこんなに高くなっていますよ、今ならこれだけの高い価格でもおかしくはないでしょう、とばかり、高い値段(即ち、公示地価以上)で売り抜けることが出来るのです。
買う側の不動産投信(リート)も資金は幾らでもあるのです。採算など関係ないのです。
何としてもその資金を消化しなくてはいけないのです。
少々高くても買って、手数料をあげる必要があるのです。不動産投信(リート)に入ってきているお金は自分達のお金ではないのです。
売る側の外資も『日本人のあぶく銭』と思っています。
出来る限り高く吹っかけて本国に逃げてしまおう、と思っています。
売り手(外資)は、“公正な価格で”出来る限り高く売りたい。
買い手(日本人)は、“公正な価格で”出来る限り早く購入したい。
政策者(政府)は、構造改革の成果で土地も上がってきた、万歳万歳となります。
ここで3者とも見事に利害は一致します。今回の【公示地価】は格好の“公正な”価格を外資に提供したことになるのです。
不動産投信(リート)は、本来なら解散価値を下回って取引されるものです。それがいまや50%から2倍も高く取引がされています。
今後、この不動産投信(リート)を買った個人・地銀・都銀・企業は、どのような目にあうでしょうか?
投資は自己責任といっても、余りにも大きな代償を払うことになるでしょう。
そして、一般不動産取引では、マンションを購入して賃貸に回せば一生家賃収入で安泰と思っている個人が多いですが、そのマンションに誰が住み続けるというのでしょうか?
日本はこれから人口が減っていきます。
にもかかわらず、マンション・賃貸マンションの新規供給は、毎年膨大な数に上ります。住む人間が減ってきている中、住家だけは増え続ける・・・。
結果、空き家が途方もない数に膨れ上がってしまいます。
実際、現在、中古マンション市場では異常な姿が見られます。
売りに出しても買い手がつかない中古マンションが急増してきているのです。
東京都内でも今までは考えられない一等地で、【空き部屋】という宣伝を見かけることが多くなってきているのです。
また、ニートと言われる<働かない・働く意欲もない>若者が85万人を超えていると発表になりましたが、この数字は年々増え続けています。
また失業率が減少したといわれていますが、個人ベースでは収入を大きく減らしています。
なぜでしょうか?
答えは、派遣・パート・アルバイトへの転換です。
正社員では企業側の負担が大きく、同じ仕事をするにしても、派遣・パート・アルバイトの方が安く済むのです。
結果、就職する人が増え失業率は減少するのでしょうが、働く個人ベースからすれば、収入は大幅に減ってしまい、今までのような生活は維持できなくなります。
正社員で月額30万円貰っていた者が、派遣・パート等になり月額25万円以下になれば、今までのようなマンション暮らしはできなくなり、家賃がもっと安いところに引っ越すしかありません。
ここで、大家からすれば、いわゆる、家賃のデフレスパイラルに陥るのです。
今入っているテナントが、家賃が高くて引っ越すのであれば家賃を引き下げるという大家も出てきているのです。
13万円の家賃を11万円にしても、引き止めておきたいというのです。
一旦今入っているテナントに引っ越された場合、次に入る見込みがなく、数ヶ月空いてしまい、しかも、募集家賃を引き下げざるを得ない状況に追い込まれるのであれば、今のテナントに安く住んでもらったほうがよいことになるのです。
一例があります。
月額13万円で貸し年間156万円の家賃収入があるマンションがあり、年間6%の利回りとなっていますから、このマンションの適正価格は2,500万円となります。
*実際には諸費用を除外して計算しますから、この数字は一応の目安です。
この月額家賃13万円を払っているテナントが、13万円の家賃が払えなくて10万円の家賃に住み替えるとなった場合、大家からすれば出来ることは二つにひとつしか道はありません。
1)そのまま出て貰い、次の13万円で借りてくれる人を見つけるか?
2)今の家賃を引っ越す先の10万円に引き下げるか?
もし、2)の引き下げを受け入れた場合、年間120万円しか収入は入ってきません。
収益還元法で計算されますこのマンションの適正価値は2,000万円にまで下落することになり、500万円の価値減少となります・・・。
不動産投資・家賃収入は確かに聞こえが良いものですが、一般素人が手を出して成功するほど、甘いものではありません。
5軒、10軒と所有し自分で管理をして全てマネージメントしても、左程収益性が高い投資ではないのです。
店子が家賃の不払い等をすれば収益など吹き飛んでしまいます。
火災を起こせば、一体どうなるでしょうか?
公示価格発表で、高笑いする不動産ファンド経営者・マネージャーの声が高らかに響き渡っているのは確かです。
http://www.collectors-japan.com/nevada/main/m_050401_1.html