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(回答先: Re: 食卓の向こう側・第4部 輸入・加工知らない世界<12>糖分 表示で気付きますか【西日本新聞社】 投稿者 天地 日時 2004 年 11 月 08 日 14:15:22)
食卓の向こう側・第4部 輸入・加工知らない世界<11>本物 浸透するコピー食品
2004/11/02付 朝刊掲載
http://www.nishinippon.co.jp/news/2004/shoku/shoku5/11.html
「おっ、今夜はハマチの刺し身か」。帰宅した福岡市の男性会社員(40)が、晩酌を始めた。食卓には新品のチューブ入りわさび。傍らにある、その空き箱に目が留まった。「本わさび入り」。何げなく見た原材料名欄には「西洋わさび」とある。
「これ、偽物?」
実は、「混ぜもの」だ。西洋ワサビとは、東欧原産の「ホースラディッシュ」で色は白。肉料理の付け合わせに使われる。これを、同じアブラナ科で日本原産のワサビと混ぜ合わせ緑に着色。辛みが飛ばないよう油を、チューブから滑らかに出るよう増粘剤を添加する。食感をよくするために食物繊維を入れることもある。
ワサビより安いため、混ぜられる。ワサビ50%未満のチューブは、100%使用のほぼ半額だ。ただ、そうした情報は何も隠されているわけではない。メーカーはホームページに解説を掲載。問い合わせにも「西洋ワサビは明治以来、なじみあるもの。低価格を実現させるために混ぜています」と丁寧に応対する。
だが、この会社員のように表示に気付かない限り、大半の消費者は由来までは考えない。「日本加工わさび協会」の基準で、原料ワサビのうち、ワサビ50%未満は「本わさび入り」、50%以上は「本わさび使用」と表示することが可能だが、知識がなければ、その違いは分からない。
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佐賀市の主婦(30)が、ジャガイモなど野菜の炊き合わせを作りながらつぶやいた。「ちょっと煮崩れしたかな」。だが、気に留めず皿に盛って、「ご飯よー」。子どもたちに声を掛けた。
気付いていない、煮崩れの理由。それは「みりん」と思い込んで煮物に加えた「みりん風調味料」にある。
「みりん」は酒の一種。アルコール分13%前後で、酒税がかかる。こくやうま味があり、糖とアルコールの相乗効果で煮崩れしにくい。「みりん風」はアルコール分1%未満で、酒税対象外。甘み成分は主に水あめだ。照り、つやが出るが、煮崩れしやすい。
「みりん風」という表現は消費者に誤解を与えないか。ある大手メーカーは「調理効果や値段に違いはあるが、おいしさは同じ」と説明。「酒税がかからない分、安く提供できます」と強調する。
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加工技術の進歩とともに生まれたコピー食品は、低価格を看板に食生活に浸透。カニに似せたかまぼこは、今では違和感なく受け入れられている。キノコの一種「ヒラタケ」は、辞書に「栽培シメジとして市販」と載るまでになった。脱脂大豆を加工着色してビーフジャーキーに似せたものも、つまみの定番だ。
こうしたコピー食品の広がりについて、静岡大教育学部講師(栄養学)の川手隆(56)は指摘する。「多くは本物と栄養素が異なり期待する栄養分が摂取できない。添加物も多く使われる傾向にある」
三歳児の料理教室を開いている福岡市の料理研究家、村上祥子(62)も「食は命。本物の素朴な味を知らなければ、味覚をつかさどる舌の感覚細胞・味蕾(みらい)が育たず、食の乱れから、生活習慣病などにつながる恐れがある」と警告。みりんがなければ「砂糖と酒で代用して、塩分が添加された料理用酒ではなく酒を使った方がいい」と提案する。
安さに目を奪われ、中身に目が向かない消費者。「〇〇入り」に入っているものは何か、「〇〇風」と、どうして「風」がつくのかと、考える人は少ない。
“市民権”を得た感もあるコピー(もどき)食品。川手は思う。「消費者が知って買うのか、知らずに買うのか。その差は決して小さくない」 (敬称略)
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▼食品表示の意識調査 日本生協連合会(東京)と全国地域婦人団体連絡協議会(同)が2002年、組合員ら5300人に実施した食品表示に関する意識調査によると、購入時に「全般的によく見る」「必要な表示のみ見る」と回答したのは92%だった。組合員らの関心の高さを物語る。加工食品で見る項目はトップが賞味期限(80・7%)。次いで価格(66%)、食品添加物(60・1%)、原材料名(54・2%)の順だった。