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(回答先: Re:食卓の向こう側・第4部 輸入・加工知らない世界<11>本物 浸透するコピー食品【西日本新聞社】 投稿者 天地 日時 2004 年 11 月 08 日 14:24:05)
食卓の向こう側・第4部 輸入・加工知らない世界<10>米改良剤 おいしければいい?
2004/11/01付 朝刊掲載
http://www.nishinippon.co.jp/news/2004/shoku/shoku5/10.html
右が弁当店のご飯で作ったせっけん。山北さんの家の残りご飯(左)と違い、白い液体が浮いている
残りご飯を捨てずに廃油せっけんにリサイクルしている山北寅雄(76)=福岡県大木町=は今年初め、出来たての液体せっけんを見て、仰天した。いつもは、表面に透明なアメ色の膜が張っているのに、どろっとした白い液体が一面に浮いている。二年間、せっけんを作ってきたが、経験したことがない“異変”だった。
思い当たる原因は、一つ。「あのご飯だ」
山北は、夫婦二人暮らし。市販のコメを炊き、その残飯をせっけんの材料にする。今回は初めて、妻が会合先でもらった仕出し弁当の余り約二十人分を使った。
不思議に思い、別の弁当店のご飯で試すと、やはり、真っ白。材料を自宅の残りご飯にしたら、アメ色に戻った。
取材に応じた弁当店は、「思い当たることはない」とするが、熊本県立大学教授(食品安全性学)の有薗幸司(50)は、「何らかの加工がなされているとしか考えられない」と首をひねる。
× ×
同じころ、札幌市では、食の安全や環境問題に取り組む市民団体「医療食環境情報センター」の代表、佐藤雄三(63)が、精米機のカタログに見入っていた。「精米改良剤」の投入口付きの精米機を発売した、とあった。
精米改良剤とは、古米でも新米っぽく“変身”させる添加剤。玄米に染み込ませて精米するだけで、米の白さや光沢が増し、古米特有のにおいも消えるという。
「改良剤用の精米機が売れるとは…」。佐藤は驚いた。
精米改良剤が出回り始めたのは、一九九三年のコメ不足のころ。佐藤が分析した改良剤には、保湿剤、乳化剤、甘味料などが使われていた。それぞれの含有量は、健康に影響がないとされる基準以下。
それなのに、堂々と使われているかといえば、そうでもない。ある精米業者は、佐藤に打ち明けた。
「部外者には(改良剤のことを)知らせていない」
取引先の炊飯業者や飲食店にばれたら、買い手がつかないという。まさに“売ってなんぼ”の世界だった。
× ×
「やめたら、光沢あるコメにならない。すばらしい『薬』があると思った」
「この成分が体にどう影響するか分からないが、メーカーは悪いものは売らないだろう。安心して使っている」
精米業者の一部に、改良剤の“ファン”がいるのは確か。家庭向けのコメに改良剤仕様の精米機を使う米穀店も出てきている。
だが、食品添加物表示をチェックする厚生労働省は「え、精米改良剤? 初めて聞きました」(食品安全部)というありさまだ。
一方、調理用には、ご飯の食味をよくする「炊飯改良剤」がある。混ぜて炊けば、ふっくらしてほどよく粘り、冷めてもおいしさが保たれるという。同センターによると、メーカーは少なくとも国内五十社に上り、すし用、おにぎり用…と種類も豊富。成分は、油脂系、糖類系など、さまざまだ。
あるメーカーは主張する。「成分は安全だし、安いコメがうまいご飯になる。炊き増えする(ご飯のかさが増す)から経費も浮く。店にとっても消費者にとっても、夢のような話でしょう」
昔から日本の主食であるご飯。水とコメだけで炊く「常識」は、過去の話なのか…。
最近、ある食品添加物メーカーでは、精米業者からの問い合わせが増えたという。「精米改良剤についての質問です。新米が出回る時期だから在庫の古米をさばいてしまうんでしょう」 (敬称略)
◇
▼精米改良剤の表示 食品衛生法では、すべての食品添加物を表示するのが原則。ただ、いくつかの例外があり、「加工助剤」(加工の際に添加され、成分の効果が加工後の食品に及ばないもの)もその一つ。メーカーは、「精米改良剤の効果は、炊飯後には及ばないから、加工助剤にあたる」として、使用した精米でも、表示は必要ないとしている。