現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産36 > 973.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
■イラク原油輸出増と市場の反応
(2004年9月28日掲載)
1. イラクは9月原油輸出量を増やしたが、市場の反応はそれ程好感していなぃ。数々の妨害工作にかかわらず、イラク全体の井戸元の原油生産量は、徐々に回復しており、月末までに新たな爆破工作等が起きなければ、9月の原油生産量は200万B/D程に回復するとみられる。
関係者によれば、それに伴い、輸出量も回復している。9月積みノミネーションの総量は5,900万バレルであったが、9月23日現在、あと1,000万バレルの船積みを残すだけである。ペルシャ湾の原油積出しターミナルであるバスラでは9月中にあと6隻のVLCCの積取りを予定している。
2. これらが予定通り出港すれば、9月のイラクからの原油輸出量の90%に相当する約5,400万バレル(1日平均180万B/D)が、バスラで船積みされた。一方、同月におけるトルコ・ジェイハン積みは合計400万バレル(VLCC6隻)に止まった。トルコ積み原油の生産主力である北部油田の生産量は、月間400万バレル/月(13万B/D)に止まった。これはイラク国営石油販売公社(SOMO)が従前約束していた20〜30万B/Dを下回るものであるが、その背景には石油パイプラインの頻繁な爆破がある。
3. イラクの原油輸出のための2番目の問題は信頼性の欠如である。バスラ・ターミナルにおいては、最近1〜11日のデマレージ(沖待ち期間)が発生している。そのためSOMOは10月にデマレージを反映して、公式販売価格を引き下げ、欧州向けキルクーク原油の公式価格を、日限付きブレント-6.70ドルに設定した。また、米国向けキルクーク原油価格は次限月WTI価格-9.50ドルに設定されることになった。ただし、こうした値下げ措置にも拘わらず、イラク原油の11月の積取り予定量は大きくは上伸していない。
表:イラク原油積出量(実勢、2004年9月)
(1) バスラ(ペルシャ湾)積み
(2) ジェイハン(地中海)積み
(エネルギー・環境室 主任研究員 須藤 繁)
http://www.idcj.or.jp/1DS/11ee_josei040928_2.htm
--------------------------------------------------------------------------------