現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産36 > 984.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 米財務長官「原油高騰は短期的な現象」 [日本経済新聞]【大統領選が終るまで?】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 29 日 17:10:22)
9月28日(ブルームバーグ):原油を燃料に使っている現代社会にとって、今年の夏はまさにパニックの夏だった。
ニューヨーク原油先物相場は7、8月に30%余り上昇。現在は1バレル= 50ドルを挟んだ値動きとなっている。米国のガソリン小売価格は1ガロン当たり平均約1.90ドル。成長の著しい中国やインドをはじめとする国々の原油需要は衰えを知らず、石油会社はフル稼働を強いられている。投機家は、イラク戦争による原油供給の停止を予想。高い燃料コストが企業収益を圧迫するとの見方から、株式相場は下落した。
しかし過去の例からみて、原油相場をめぐる懸念は一時的なものにとどまる可能性が高い。原油相場の大幅な上昇がリセッション(景気後退)の原因になったことは過去にも何回かあるが、世界経済はそのたびに立ち直った。
消費者はエネルギー消費を切り詰め、石油会社は増産に取り組む。そして原油相場は急落??。今回もそうした衝撃への備えが必要だ。
構造的な問題
米エコノミック・サイクル・リサーチ・インスティテュート(ECRI)によると、サウジアラビアの代表油種であるアラビアン・ライト原油の価格は 27日、1バレル=38.36ドル。これは1981年に記録した史上最高値(77.86ドル)を大幅に下回る水準だ。ニューヨーク原油先物相場は、第1次湾岸戦争当時の1990年10月に40.42ドルを記録したものの、この水準に戻ったのは今年に入ってからだ。米大手証券ベアー・スターンズが8月に示した見通しによると、来年のニューヨーク原油は25ドル付近に下落する可能性がある。
石油業界の出資団体ペトロリアム・インダストリー・リサーチ・ファウンデーション(PIRF)のラリー・ゴールドスタイン会長は、今回の問題はこれまでと異なると指摘。1973?74年の第1次石油ショックはアラブの原油禁輸措置、1979年の第2次石油ショックはイラン革命がきっかけになったが、今回の原因は需給のひっ迫という「構造的な問題」であり、以前は「外因性の問題」だったとの見方を示す。
相場の調整
経験則によれば、原油相場が例えば1バレル=30ドルを上回る水準にあると、調整局面が訪れる可能性は高いようだ。1973年と1979年にピークに達した米企業のエネルギー消費量も、その後は1995年まで減少を続けた。
割安な燃料や燃費の良い機械への切り替えも進んでいる。ボーイングによると、2008年就航予定の次世代旅客機「7E7」の燃費は、現在の同規模の航空機を20%上回る見込みだ。
原油高に対応し、米政府は乗用車の燃費規制を強化しており、1ガロン当たりの燃費を2000年までに21.9マイル(約35キロメートル)に引き上げるよう求めた。1973年は同13.4マイルだった。ミニバンやライトトラック、SUV(スポーツ型多目的車)の人気の高さを反映し、自動車全体の燃費は同17マイル程度だが、将来的には一層の規制強化の可能性もある。
エクソン・モービルやシェブロンテキサコなど大手石油会社が事業を拡大するペースも落ち着いたままだ。
米国内では1976年以降、大規模な石油精製所の操業開始計画がない。昨年の米石油精製業者の生産高は1998年の水準をわずか2.68%上回る水準にとどまった。
もし原油相場が高止まりすると考えるなら、石油会社がこれほど平然としているはずはないだろう。
(デービッド・ポーリー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:History Suggests Today's Oil Cartel Will Pass Too: David Pauly
{NXTW NSN I4SBAQ076GHT 更新日時 : 2004/09/29 15:09 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html