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2004/04/23
国会外での政治の話題が新聞紙上を賑わせるなか、多くの問題法案が次々に成立しようとしている。
4月21日、憲法と人権の日弁連をめざす会/刑事司法改悪に反対する全国弁護士ACTION主催により、『戦争のための「司法改革」に反対し、イラク撤兵を求める集い』が行なわれた。国家制度を根底から覆す「改革」が、なし崩し的に成立されようとしていることを批判し、「刑事司法改革関連3法案」(裁判員法案、刑事訴訟法一部改正案、国営弁護法案)の断固廃案を訴えた。
絶対廃案を訴える社民党・照屋寛徳(衆議院議員)
今回の刑事司法改革で、(1)非公開の「公判前整理手続」がすべての事案で強制され(裁判員制度対象事案だけではない)、公判内容の大筋が事前に密室で決定されてしまう。(2)全面的証拠開示には一切触れずに、検察が開示した証拠を公判以外で使用することを禁止される。裁判員は匿名性が確保され、審議内容を生涯口外できない。(3)法務省管轄「日本司法支援センター」が国選弁護を運営、独占的に刑事弁護が管理される、ことになる。(その他問題点数多し)
集会では、先頃「与党野党修正案」に合意した民主党の法務委員である、辻惠(衆議員・東京弁護士会)が「国会でも根本的議論から出直しを」と訴えた。「戦後日本の刑事司法を支えてきた『予断排除』、『公開裁判』の原則を根底から覆すもので、政府の政策上の目的(国民の健全な社会常識を直截反映させる)のために、ほとんど何の議論もないまま成立しようとしている」「与野党修正案は、修正とはいえない」と所属・民主党の対応を批判した。
議論不在のまま「修正」され、「成立」しようとしていることを指摘する、民主党法務委員・辻惠(衆議院議員)
社民党も「廃案以外にはありえない」とようやく反対の意を表した。(法案が出る前は、すべての政党が裁判員制度推進であった)
パネルディスカッションで、斎藤貴男(ジャーナリスト)さんは、「戦争、差別、監視社会を最後に支えるものとして『司法改革』が位置付けられている」、「裁判が密室化し、国営弁護制度が整備されると、権力をチェックする機能としての『ジャーナリズム』、人権を守りぬく『弁護士』という職業が、まさに権力の犬(支配=統治の道具)として成り下がることになる」と指摘した。
会場の様子。参加者630名。
東北大学名誉教授・小田中聰樹さんは、「憲法は、裁く側に立たせる義務を課すことを認めていない」、「自己責任の名の下に、国民にあらゆる犠牲を強いる社会体制を、制度的に確立するものである」と昨今の社会情勢と表裏一体のものであることを改めて批判した。
現在の刑事司法で問題なのは、(1)取り調べの可視化、(2)証拠の全面開示、(3)権利保釈の徹底、が挙げられる。これらは、大掛かりな法改正を伴わずとも、政府(警察・検察・裁判所)の考え方次第ですぐに実現できることであり、現行刑事訴訟法では、上記は3つは、「原則」保障されているはずのものである。実際の刑事事件に触れてみれば、誰もが真っ先に気づくことであり、弁護士ならば尚更了解済みなことであろう。
同集会へは、市民・弁護士ら620名が参加し、全国でも5000名もの弁護士が反対の声を挙げているという。新聞・メディアも徐々に関心を寄せ集めている。国会議員の素朴な疑問も噴出しつつある。一方、イラク派兵をみても明らかなように、一度決定してしまうと、現状維持が最優先され、後戻りは難しい。「刑事司法改革3法案」は23日に衆議院を通過する予定であるという。
衆院通過断固阻止!と参議院での廃案、継続審議へ持ち込むためにも、もっと多くの関心を!
【参照サイト】
憲法と人権の日弁連をめざす会
【過去記事】
「とにかく導入を」 裁判員制度への疑問
ホントに「市民参画」だと思っているのですか?
戦争の足音が聞こえる
【関連ニュース】
裁判員制度:与野党修正案まとまる 守秘義務の罰則緩和(毎日新聞)
裁判員法案、23日に衆院通過へ(読売新聞)
刑訴法改正法案から証拠の目的外使用条項の削除を求める会長声明(日弁連)
(亀井誠史)
http://www.janjan.jp/government/0404/0404223493/1.php